ふるさと佐川から綾と竹雄がやってきた万太郎と寿恵子の日常は賑やかで華やかなものに。
万太郎の植物学に対する並々ならぬ決意を聞いた竹雄は思わず反対だと。
確かに植物学を1人でやるとなれば、莫大な資金が必要になる。
それは現実問題として、万太郎がどんなに頑張ってもクリアできない事実だと思われた。
何よりも、今まで後ろ盾になった峰屋はもうないのだ。
峰屋なしでどれほどのことができるだろうか。
それでも、万太郎の決意は揺るがない。
寿恵ちゃんは背中を押してくれた😍
後押ししてくれる人がいる以上、自分はどこまでも頑張ることができると言い切った万太郎。
さすがに竹雄もそれ以上の反対はいい出せなかった。
綾は十徳長屋の暮らしぶりがたいそう気に入った様子で、何かにつけて感動する。
みんな自由に入ってきて自由に出かけることができる。
普通の人なら何の問題もないことだけど、万太郎とか綾は峰屋と云う大店を背負っていた。
そこを離れて、勝手気ままに生きることなどできるはずもなかったのだ。
しかし、峰屋がなくなってしまえば、そんな事は一切関係なくなる。
それぞれが自分が思う場所へ出かけることができる。
綾と竹雄は再び土佐へ帰ることになった。
万太郎は寿恵子から植物志三版の売り上げを預かった。
これから再び、植物採集の旅に出ると言う。
寿恵子は千歳とともに留守を預かる。
日々の生活は、爪に火をともすような慎ましいもの。
そんな中、質屋で見かけた新聞の小説は思いがけない内容だった。
目次
竹雄が感じる万太郎の進む世界
この物語のこれからを暗示するエピソードになったと思う
万太郎は植物学に専心してきたが、そこには資金面で峰屋の強い後押しがあった。
それは、どんなに貧乏な暮らしに見えても、肝心なところではきちんと面倒を見てもらえたと言える。
しかし、これからはそうはいかない。
峰屋がなくなった今、もう後ろ盾と呼べるものは何もないのだ。
それにしても、植物学は驚くほどお金のかかる学問。
これをやれるのは公的機関ぐらいしかないだろう。
およそ個人で歯向かって歯の立つ相手では無い。
モデルとなった牧野富太郎博士の偉大さはそこにあると思う。
史実では返済不能な借金を抱えていたと聞く。
この物語も、おそらくそういった事実を嘘偽りなく踏襲していくんだろうなと。
その借金とか、資金繰りで大きな役割を果たしたのが寿恵子になるはず。
綾と寿恵子
女同士ということで、気心が知れた2人。
里見八犬伝を見つけた綾が、万太郎はこんな本も読むのか?と
そこで寿恵子が説明した。
これらの本は、私の愛読書。
万太郎さんも綾姉さんも八剣伝に出てくる剣士みたいだと。
お互い、あなたが剣士だとたわいもないやりとり。
遠慮がちな綾に対して、寿恵子は万太郎の家族と仲良くなれたことが嬉しくて仕方がない。
寿恵子は学校にこそ行ってないが、子供の頃から客商売をしていたので誰かとコミニケーションを取る能力に著しくたけていると言える。
そして、これから借金取りなどと相対するときに、この能力は大いに活躍することになるのだ。
十徳長屋の天真爛漫さ
十徳長屋の人たちは、それぞれが各家庭で別々の生計を立てている。
そのくせ何かことがあれば、みんなで協力して一斉にに取り掛かる。
そして、貧しい生活ながらも、みんな明るく屈託なく、自由闊達に暮らしている。
これが普通なんやね😅❣️
今まで裕福であっても、自由と呼べるものがなかった綾には何もかもが新しく新鮮に映る。
万太郎も竹雄も綾の驚いた様子がとても新鮮に見えたんだろう。
ここでずっと暮らすわけにはいかないので、それぞれ進むべき道に向かうことになる。
それぞれが進む道
綾と竹雄は再び土佐に戻ることになった。
峰屋がなくなったとは言え、後始末その他がまだ残っていると思われた。
今回、家屋敷並びに土地も全て売り払ってきた。
その辺の残務整理があるのかもしれない。
ただし、先祖代々のお墓の管理は、親戚が肩代わりしてくれることになっていた。
それはとても喜ばしいことだったに違いない。
万太郎は、自分の書籍の売上金を全て懐に入れて、植物採集の旅に出ることになった。
寿恵子は内職をしながら何とか生活していくと語っていたね。
それもまた今なら考えられないような破天荒な事。
お馴染みの質屋にも長屋のみんなと同様付き合いがある。
今日はたまたまそこで読んだ新聞の小説が思いがけない内容だったので、気になった。
それは東大のある教授が破廉恥なことに教え子に手を出してしまったとのこと。
どうやら、それはブラック田邊と妻聡子がモデルと思われた。
この頃の新聞は、今のSNSと似たような働きをする。
誤解した一般読者が田邊の家に押し掛けて、とんでもない暴力行為を行うことに。
今日の物語はそんなところに出かけていく寿恵子が描かれていた。
今週の物語は、明日と明後日で決着がつくが、ブラック田邊のこれからもなんとなく暗雲が立ち込めているような雰囲気。