今週の前半で提起された問題は、どうやら進むべき方向が見つかったような感じ。
秋山とスズ子にはもっかの所、乗り越えにくいと思われる困難が。
スズ子は日宝への移籍問題。
秋山は中山からのプロポーズを受け入れるか否か?
2人ともかつて経験してこなかった困り事なるが故に、なかなか進むべき道を決められない。
しかし、今日のエピソードで2人それぞれが持ち前の根性を発揮して自ら結論を出すに至ったようだ。
登場人物はそれぞれモデルのいる話。
描かれる様なエピソードは当然、過去のモデルたちにも同様のことが起こっていた。
笠置シヅ子は作曲家、服部良一とあらぬ噂を建てられたりもしたようだ。
そんなことにうろたえることなく、スズ子は自分の気持ちをしっかりと表明。
物語は長い期間を描いたように見えて、実際は1日の中での出来事を描く。
スズ子が下宿を逃げ出したのは朝。
しかし、夕方にはもう下宿に戻って楽譜のチェックをしている。
その時の秋山とスズ子の会話は今日の物語の真骨頂と言える。
スズ子は梅丸に残り、日宝移籍の話を断った。
さらには秋山は
中山のプロポーズを断って大阪へ戻る。
それぞれは自ら考え、自分の行いにきっちりとけじめをつけた。
目次
スズ子のけじめ
軽い気持ちで話に応じてしまったスズ子。
自分がどんなふうに歌を歌うのかなんてあまり深くは考えてこなかったのも事実。
しかし売れっ子になってしまえば、いろんな人たちからの注目が集まることに。
スズ子の気持ちに大きく影響したのは、やっぱり母親からの教えだったろう。
この世は義理と人情でできている。
つまり、今回契約まではしなかったものの自分に持ち込まれた話に応対したことは、梅丸にも日宝にも義理を欠くことになった。
そのことを考えるとこのまま歌手として歌い続けることが可能かどうかとも考えてしまう。
いろいろ考えても、これから先羽鳥善一の曲を歌い続けたい。
その気持ちに正直でいたい。
このシーンでびっくりしたのは、楽譜を目で追いながら、きちんと音楽を奏でられる能力が備わっていること。
プロのミュージシャンと呼ばれる人たちの中には楽譜の読めない人だって結構いたりする。
服部良一も笠置シヅ子も楽譜を見ただけで、音楽を奏でられる能力があらかじめ設定されている。
秋山のけじめ
秋山は中山からのプロポーズに対して迷っていた。
ダンサーとしては申し分のない能力を備えている中山を尊敬していた秋山。
しかし、恋人や夫として迎えた時にどうなんだろうかと悩んでしまった。
2人が一緒になったときに、果たして自らが自分らしくあれるかどうか。
ほとんど恋愛経験のない秋山がずいぶんと奥深くものを考えているような気がする。
単純に勢いに任せて行動してしまう場合がほとんどだと思うけど、ここは見事に答えを出してみせた。
どうやら秋山はこの後大阪へ戻るような。
そして東京ではスズ子が1人頑張るんだろうと思う。
センチメンタルダイナ
YouTubeで調べると笠置シヅ子の歌は自由に聞くことができる。
ただし、当時のSPレコードは品切れとの事だった。
マニアはどこにでもいるので、かつての古いレコードを漁りたい気持ちもよくわかる。
日宝の社長が語っていたが、スズ子を獲得できなかったのはかなり残念な様子。
そして続けて語っていた。
福来スズ子を超えるだけの歌手を育てるしかないと。
該当するかどうかはわからないが、彼女たちの後の世代に美空ひばりが登場する。
美空ひばりは、笠置シズ子のものまねで活躍したことがある。
それは戦後直後の頃。
物語に美空ひばりが登場するかどうかはわからないが、戦前戦後通してたくさんの音楽シーンを賑わせたメンバーは多かったと思う。
おでん
大阪のおでんではポピュラーな具材だと聞いた。
要するに、鯨の皮を油で揚げてそれを煮込んだものらしい。
今でも流通量は少ないがきちんと存在している。
ただし、高級品であることには違いない。
お馴染みのおでん屋で話をじっと聞いていた主伝蔵は選別代わりと称しておでんを出してくれた。
その時の具材が鯨のコロ。
大阪ではお馴染みの具材だったので、秋山もスズ子も大喜び。
2人が進むべき道は、どうやらこれで確定した。
スズ子は善一を師匠として、これから歌手として本格的に活躍していくような様子。
シズ子の伝記を考えると、これから先も様々なことが起こるはず。
物語の行く末が大いに気になるところ。