今日からいよいよ東京編が始まる。
主人公福来スズ子の本当の活躍の場はこれからだと、誰もが期待しているだろう。
なんといっても、モデルの笠置シヅ子その人の人生を描ききるわけだから。
懐かしい大阪に区切りをつけて東京行きを決意したスズ子。
どうやら東京でのパートナーは秋山になりそう。
そして今日さらに明らかになったのが
昭和13年の設定でスズ子24歳、秋山が22歳とあった。
2人とも驚くほど若いが、当時としてみれば結婚適齢期真っ只中かちょっと遅過ぎた位の感覚だろう。
昭和初期の頃なので、20歳前に結婚する人はかなり多かったような気がする。
この時代60歳を超えている人は、珍しかったような感覚がある。
さて、東京では新たな登場人物も次々と加わることになる。
スズ子達の日常が描かれることで、まず下宿の様子。
そして行きつけの屋台。
さらには新しくできる梅丸楽劇団のメンバー。
それらは皆これから描かれる人たち。
東京に着いたその日、やっと下宿にたどり着いたスズ子たちは近所、軽く散歩するつもりが、およそ半日かけて東京見物。
珍しいものが目白押しだったろうと思う。
上野動物園なども話題に。
戦前の上野動物園はかなりの人気スポットで戦争中の悲しい逸話も個人的には記憶に残る。
興奮して最初の夜なかなか寝付かれなかったスズ子と秋山は、
変わったバージョンの「せっせっせ」で気持ちを沈めようとしていた。
目次
旅立ち
はなの湯の家族を始め、子供の頃から一緒に暮らした近所の人たちがみんなスズ子の旅立ちを応援してくれていた。
個人的に素敵だなと思うのは幼なじみのタイ子ちゃん。
演じているのが女優で日本舞踊の師匠藤間爽子。
彼女の艶やかで慎ましやかな諸作は見ているものに一切の反論を許さない。
圧倒的な説得力。
私が彼女の舞から感じ取る世界観。
できることなら生で直に見てみたいもの。
東京到着
昭和13年頃、大阪から東京までの移動手段は旧国鉄の特急つばめだったと思われる。
調べてみると、夜行列車で8時間以上かかっていたようだ。
ちなみに秋山は今回の東京行きが3回目と語っていた。
もちろんスズ子ははじめての東京で期待に胸が高まる。
梅丸楽劇団
梅丸は欧米と同じようなミュージカルのレビューを考えていたようだ。
そうなると音楽はもちろんのこと俳優たちにも特別なものが求められる。
梅丸の希望に沿って召集されたメンバーが演出家と作曲家。
作曲家羽鳥善一は言わずと知れた服部良一その人。
この物語で初めて納得したが、彼の音楽スタイルはジャズ。
服部良一はジャズマンとして日本に初めて誕生した人かもしれない。
日本人のジャズ愛好家は意外に多いと思う。
もちろんかくいう私もジャズのお気に入りが何曲かあるのは事実。
個人的に尊敬している人もいるし、YouTubeでちょくちょく演奏を楽しむことも。
ジャズの命が何かと問われると一言では言いにくいが、あえて無理して語ればそれはノリだろう。
ノリの悪いジャズはジャズとは呼ばない。
演奏しているものと聞くものが一体になる。
もちろんそれはレコードなどの音源でも役目をなすが、本来はステージでこそ本領が発揮されるものと思う。
今回は梅丸が満を持して提案する出し物になる。
作曲家がどんなスタイルで行動しているのかがわかる言葉だと思う。
自分の感性に、もっとわかりやすく言えば自分のおメガネに叶う素材が欲しいってことだよね。
そう言われるとどんなものをやりたいのかがよくわかる。
明るく楽しいが羽鳥善一の求めるものだと思う。
新生活
こちらの夫婦もなかなかユニーク。
どうやら奥さんが家長で旦那さんが従業員と語っていた。
旦那は元相撲取りでちゃんこ番をやっていたことで、料理が得意らしい。
物語を見ていると別な出会いも描かれていた。
それがチャキチャキの江戸っ子のおでん屋。
どうやら東京編のストーリーの中で時々は登場しそうな雰囲気。
そしておでんの様子も紹介されていたが、関東風で味はかなり濃く見える。
実際は見かけほど濃くは無いけどね。
醤油の色が出るので、どうしても濃い色になるが、味付けはそれほど濃くは無い。
じっくり煮込むので出汁がよく効いていてすこぶる美味。
夜興奮して眠れないスズ子と秋山の様子がユーモラスに描かれていた。
このまま東京での新たな修行生活が始まる。