くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

ブギウギ 不運を乗り越えるために

花田家の息子六郎の戦死報告は残された家族にとっては、受け入れがたい事実だった。

頑として認めない父親梅吉。

受け入れざるを得ない事実として受け止めるスズ子。

例え、誤報道があったりしてもそれはごく稀なこと。

物語の前後を詳しく検討すれば、どうやら間違いのないことらしい。

スズ子の付き人小夜は既に六郎が死んだことをしっかりと受け入れていて、スズ子や梅吉にどう接すべきか毎日心を砕いていた。

このまま2人が苦しんだ状態ではいずれ健康も害することになる。

そんな中、梅吉にはふるさとの高知から仕事を手伝ってほしいとの依頼が舞い込む。

妻ツヤが亡くなった後、大阪の家はなくなってしまった。

つまり梅吉にとって戻れるべき場所は、故郷の高知しかなくなってしまった

スズ子の願いにもまるで聞く耳を持たない梅吉。

そしてその時スズ子は決して発してはならない禁句をしゃべってしまう。

ワテがホンマの娘やないからか?…。

思わず、驚きの表情を見せる梅吉。

物語は、登場人物たちを次々と追い詰めていく。

歌手として全く思い通りのことができないスズ子は師匠の羽鳥善一を尋ねる。

そこには茨田りつ子もいて、羽鳥家での食事の様子。

善一は2人を登場させる音楽会を開こうと提案。

当時の日本を代表する2人の歌手が同時に登場するとなれば人気も上々。

しかし、弟のことですっかり参ってしまったスズ子は歌うこともままならなくなってしまった。

その時羽鳥善一は作曲家としての持ち前の力量を発揮してスズ子を励ます。

スズ子のために書き下ろし新曲 「大空の弟」

目次

父梅吉の決断

高知の友達のところに帰らしてもらう

梅吉は六郎の死を絶対に受け入れようとはしなかった。

考えてみれば六郎は唯一、血のつながった親子ということが言える。

スズ子は梅吉の実の娘ではない。

もちろんそんなことで子供に序列をつけるような梅吉ではないが。

ふるさとの足袋屋の友達から手伝ってほしいとの連絡が入ったようだ。

少し前の朝ドラカムカムエブリバディの安子の夫の実家

このときの看板が今回の朝ドラブギウギでも使用されている。

設定は今回は高知県だが、カムカムの時は岡山県だと思った。

梅吉は東京にいても何もないわけで、大阪には既に帰る家もなくなった。

息子を失ったことを認めたくないが故に、高知の自分の故郷に逃避行すると言われても致し方ないだろうな。

取り残されるスズ子

ワテに帰るところなどあらへん

物語の中でスズ子は高知に里帰りしたときに、自分の出生の秘密を全て理解していた。

しかし、両親のことを思えば自分は知らないふりをするのが1番良いだろうと言う判断。

それはつい今までしっかりと秘されてきたはずだった。

思い通りのことができずに、しかも父親までが自分の元を去っていくという。

必死で引き止めようとするスズ子。

自暴自棄になったスズ子はつい言ってはならない言葉を。

ワテがホンマの娘やないからか?…。

梅吉は思わずぎょっとしただろう。

その事はスズ子は知らないはずやと。

側でやりとりを見ていた小夜も心配気な様子でスズ子に声をかける。

スズ子さん………😰

物語は、これでもかとスズ子たちを痛めつける。

羽鳥善一の提案

弟さんのために作曲した

善一はスズ子の弟六郎の戦死報告がスズ子を完膚なきまでに叩きのめしたことをよく知っていた。

スズ子のために何とか慰めてやりたい。

そこで提案したのが食事会だった。

自宅にスズ子を呼んでみんなで楽しく食事をすれば少しは気が紛れるだろう。

そして、自宅に招いたのは実はスズ子だけではなかったのだ。

そこには茨田りつ子も呼ばれていた。

彼女もスズ子同様歌う場所がなくて苦労していた。

2人の日本を代表する歌手は、それぞれ自前の楽団を抱えている。

その楽団を養っていくためにはどうしても仕事をこなさなければならない。

彼女たちが歌う場所はもう日本にはどこにもないと思われた。

そこで羽鳥善一が一肌脱ぐことになる。

銃後を守る2大歌手。

このように銘打ってポスターを作成。

さすがに文民統制の時代でもここまで体制を賛美する舞台となれば、簡単に反対ということにもならない。

どうやら作戦は成功したように見える。

食事会のオフショット

食事会の席でもスズ子は考え込むことが多くて食事も満足に喉を通らない。

六郎の戦死はスズ子にとっても受け入れがたい事実。

報告が間違っているとは思いにくいが、かつての弟のことを考えればいてもたってもいられない。

そして歌を歌おうと思えば六郎の顔が浮かんでくる。

そうすれば歌声はすぐに嗚咽になってとても歌うどころの騒ぎではない。

身の回りの状況はかつてないほど厳しく辛いがスズ子の本来の仕事「歌うこと」が思い通りにできない。

こちらの方がよほど深刻なのではなかろうか。

茨田りつ子とスズ子のコラボ

歌う場所を自分たちで作れば良い😌

羽鳥善一は自分自身のネットワークもあったのだろう。

りつ子とスズ子がコラボをすることで仕事の場を提供できると考えた。

評判は上々で、どうやらうまくいきそうな雰囲気。

さらに、弟の死ですっかり元気を失ったスズ子のために弟への鎮魂歌として軍歌を1曲作曲してくれた。

大空の弟

実はどんな曲なのか様々な検索を試みたが、どうやらYouTubeその他でも音源を発見できなかった。

2019年服部良一の自宅で古い楽譜が見つかったと聞いている。

今回このドラマの中で果たして本当に歌声が聞けるのかどうかそのことに大いに興味が湧く。