くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

ブギウギ 試練の始まり

物語は、昨日からの流れを受けて、弟六郎にまつわるエピソードが描かれた。

戦死報告。

それはあまりに唐突に情け容赦なく突き付けられた。

文面を見た梅吉は「嘘だ!」といい、決して受け入れようとしない。

さらにはスズ子も同じように文面に見いる。

梅吉や小夜の問いかけにもうるさがって答えようとしない。

スズ子を取り巻く人たちや当時のご時世も汲み入れながら、スズ子が何を感じどのように受け止めようとしたのかが、克明に描かれた。

当初、スズ子も父親と同様戦死報告を間違いだと思いたかったようだ。

しかし、周りの人たちが自分に差し向けてくれる気遣いを考えれば、どうやら事実として受け入れるしかないのではないか。

セリフや説明の中には決して現れてはこないけど、行間に込められるスズ子の気持ちが巧みに演出されている。

亀の事しか頭にないはずの六郎が息耐える時、どんなに寂しくて苦しくて、助けて欲しいと願っていたか、そのことを考えればスズ子の胸は張り裂けそうになる。

スズ子は自分でも認めたくないと思いつつ、六郎が死んでしまったことを想定している自分がふがいないとさえも思ったようだ。

自分がやらなければならない事はステージで歌うこと。

そのための準備。

様々なことがプレッシャーとなってのしかかってくるスズ子にとってこれはこれから起こるだろう不幸の前哨戦にしか過ぎないことを私たちはよく知っている。

六郎が死ぬわけあらへん😓 うるさいから黙っとき😡

目次

戦死報告

およそ、はいそうですかと受け入れられるような内容ではない

この時代、戦死の報告は役場からなされることが全て。

確かに政府が兵隊として徴集して戦地に送り込んだわけだから、何かあった場合は家族に相応の連絡をするのが当たり前。

普通は戦死報告書と、あれば遺品などを添えるのが習わしだったと聞いている。

もちろん個人の遺骨なり遺髪などがあれば、間違いのないものとされるが、紙切れ1枚の場合も圧倒的に多かったようだ。

紙切れ1枚で報告されても信用できないと思う人だって多かったのでは?

何を根拠にということだろう。

しかも軍事作戦だから、内容は必ずと言っていいほど極秘扱いになる。

戦死した場所と時間名前等が報告されてあって、それ以外のものはほぼなかったと見ていい。

既に太平洋戦争が始まる直前でいながら、南方戦線は中国大陸を始めあちこちで戦闘が行われていた。

戦死者が出るのも当然と思われた。

梅吉の思い

六郎が死ぬわけない 何かの間違いや😓

梅吉が報告書を頭から嘘だと決めつけるには察してあまりあるものがある。

六郎からの手紙を必死で読んで、行間から息子の様子を探り取ろうとする。

亀の事しか書いてへん。

死ぬかも知れんとか恐ろしいとか一言もあらへん。

もうすぐ死ぬ人間がこんなアホみたいな手紙をよこすわけない。

これはあまりに哀れな見解だろう。

「人の生き死に」は当人には決められない。

戦地にけば命がかかっていると思ったほうが良い。

梅吉は六郎の死を受け入れないままそのまま時間が経つに任せている。

小夜だけは厳しいと感じながらも、戦死報告書の信憑性をまともなものと受け入れられそうな雰囲気。

この手の報告が嘘だった事は、確かに史実にもあったと聞いてはいるが、内容がデタラメで全て嘘だとは言えないだろう。

どの程度の信憑性かは残念ながら統計がないと思うので想像するしかないが。

物語の中の梅吉は、妻ツヤを失ってまだ日が浅いにもかかわらず息子すら失う羽目になった。

戦争なんだからと言ってはみてもあまりに残酷な運命ではなかろうか。

楽団の仲間たち

オフショットだから物語の雰囲気とは真逆🤣

スズ子には気持ちの整理をつける時間が必要と思われた。

本人は物語の中では母親から受け継いだ義理と人情で世の中を渡り切ろうとしている。

自分が受けた恩を義理でしっかりと返さねばならない。

そして、六郎の死でしっかりできていない自分を厳しく責めていた。

楽団の仲間たちは、スズ子を気遣うあまり少しゆっくりして気持ちの整理をつけろと。

彼らなりの優しさの表れではある。

こういった場合、周りはどのように接すればいいんだろうか?

私が個人的に思うのはあまり腫れ物を扱うようなやり方はせずに、普通に自然体で接してくれるのがいいと思う。

誰かの優しさは嬉しいと感じる事とはもちろんある。

しかし、優しさは翻った時に

驚くほどの痛みとなって自分を責め立てたりもする。

バランスはとても難しい。

できれば、そういった人と日常的に関わる事は避けたいとさえ思ってしまう。

小夜の心配り

無理したらあかん😭

スズ子の付き人である小夜は物語の中では1番頼りになる存在として描かれている。

スズ子を気遣う態度はおそらく誰よりも深いのではとさえ感じる。

小夜の前で必死に歌い踊ろうとするスズ子。

しかし練習も何もせずに、いきなりやろうとしたってそんなにうまくいくはずもない。

激しく、自分を責め立てるスズ子を必死になだめる小夜は物語の中では、優しさの象徴のような気さえしてきた。

スズ子……

周りに気を遣ってもらうことが苦しい

スズ子はどこまでいっても自分の責任を果たそうとする。

しかしそれは自分自身に牙を向け爪を立てる行為。

はっきり言えば自虐行為なわけで。

物語の中では、この時運命の『昭和16年12月8日の真珠湾攻撃』が描かれていた。

真珠湾攻撃 不幸な出来事の象徴と受け止められる

物語の最後でやけくそになりながら万歳を叫ぶスズ子。

一体どんな気持ちで万歳を叫んだんだろうか?

今週のエピソードは始まったばかり。

真珠湾攻撃はアメリカではいまだにリメンバーパールハーバーで日本を悪者にする出来事として捉えられているが、私の中での認識はちょっと違う。

単純素朴な日本の外交手段が、老獪なルーズベルトチャーチルの罠にはまったと受け止められる。

この辺を語り始めると私は止まらなくなるので、このブログではここまでのものとしたい。

アメリカは、不思議な国でルーズベルトの企みは年月が経った今フーバー文書として全てが明らかになった。

物語はいよいよ戦時中の話に突入する。