1週間の締めくくりとなるエピソード。
スズ子のモデル笠置シズ子の人生さながらに娘の誘拐事件がテーマに描かれた。
スズ子は一人娘愛子の子育てと仕事に忙しい日々を送る。
さらには都内に大きな邸宅を建てて悠々自適な毎日のはず。
しかし、有名人ならではの悩みも尽きることがない。
娘のためを思って開いたはずの誕生パーティーだったが、いつの時代も他人の持ち物を羨ましがる人たちは必ずいる。
誕生日に参加した1人の親子がスズ子の一人娘、愛子の誘拐を企てた。
未遂に終わったとは言え、エピソードの裏側にはちょっと切ない事情が見え隠れ。
愛子に初めてできた友達の父親が誘拐事件の犯人。
愛子は友達のできない学校生活に嫌気がさしていたが、初めて心を開いて話せる友達が誘拐事件犯人の息子一君。
実は、脅迫状や電話があったことで警察も介入するおおごとに。
誘拐事件は未遂に終わって、物事は一見落着したと思われた。
しかし、友達を裏切ってしまったと思った愛子は母親に激しく反発心を募らせる。
悩んだスズ子は羽鳥家に相談。
アドバイスを受けて、スズ子はさらなる行動に出る
高橋刑事に特にお願いして一君に家に来てもらうことに。
愛子のことを思えば、スズ子にとってギリギリの判断だったのかも。
快く承諾した高橋刑事は一君を連れて福来家を訪問。
愛子は一君と話すことができて、母親への感謝の気持ちが湧き起こってくる。
目次
母親スズ子の苦悩
愛子は一君との約束を破ったことが悔しくてならない。
そして、学校へ行けば母親のことをからかわれる。
友達がいるわけでもなく“学校になんか行きたくない”と考えるのは無理からぬこと。
愛子がスズ子に反発するのもわかると言うもの。
愛子のために良かれと思って頑張ってきたスズ子はこの先どうすればいいのかわからなくなったとしても仕方がなかったのかも。
子育てに関して相談するのはいつも羽鳥家の麻里さん。
彼女は3人の子育て真っ最中で様々なことでスズ子の良い相談相手。
スズ子の悩みに的確なアドバイスを。
子育てに正解は無い。
スズ子さんが思う通りにすることが1番。
今はいつも通りに接して愛子ちゃんを見守ること。
スズ子が母親であり、しかも歌手であることを踏まえた上での発言。
スズ子にとって最も心強い励ましだったかもしれない。
考えてみれば、スズ子の周りは味方になってくれる人が多い。
いつも助けられるのはお手伝いの大野さん。
彼女がいなければ、福来家の生活は成り立たないのかも。
羽鳥家のアドバイス
今日のドラマ放送直後の朝イチにはスズ子役の趣里が登場。
羽鳥善一を演じていた草薙君のコメントがとても印象的に感じた。
羽鳥善一のクリエイターとしてのコメントがとても大切に感じた。
自分の芸術家としての立ち位置がどれほどのものなのかを考えればキリがない。
おこがましいことと言われれば口答えもできない。
「僕はバッハやベートーベンのような大げさなものは作れないから、気安めなものでも作って表現できればいいなぁ。」
麻里がさらにそのことに付け加える。
私にしてみれば、夫もスズ子さんもベートーベンやバッハと同じ。
考えてみれば、作曲家も、スズ子のような歌手も何も生産しない人たちだからね。
生きていく上で必要不可欠なものではないので。
しかし、芸術も何もない世界で生きる人生なんてどれほどつまらないものか。
何かを考え悩む以前に自ら活動すること。
答えは出そうで出ない。
髙橋刑事の粋なはからい
高橋刑事は歌手福来スズ子の大ファンなようだ。
職権濫用と称して、自分の警察手帳にスズ子のサインをしっかり3ページもらっていたね。
今週のエピソードが始まったところから、彼は娘を持つ親心に寄り添うような内容の発言が多かったと思う。
スズ子の一君を福来家に連れてくる願いもきちんと聞き入れてくれた。
警察官としての彼のキャラクターがこの物語に大きく花を添えていた。
脚本家の遊び心がよく現れているシーン。
犯人の小田島が唾を飲み込んで下を向いているときに、彼の前に差し出されたのは特上のカツ重
映像を見るだけで食べたくなるような豪華なカツ重。
事件のいきさつが丁寧に描かれていたが、これは制作陣の粋な計らいだと思う。
物語の中に決して悪役を作らない。
出来心で悪事を企てたとしても、自ら反省し償おうとする。
確かに二度と犯人は悪いことを考えたりはしないだろう。
今日のエピソードの中で最も印象に残ったセリフがあった。
スズ子が愛子に語ったもの。
私の子供に生まれてくれてありがとう。
愛子のことが大好きや❤️
愛子の返答が、さらにユニーク
私もマミーのことが好き。
マミーもとても良い子
でも時々悪い子😝
1週間を締めくくるエピソードとして申し分のない展開。
愛子と一君を見守るスズ子たち
今までとは違った味付けで語られた誘拐事件のてん末。
今週のエピソードが終わったことで、ブギウギは残すところ実質10話分。
今回の朝ドラは早かった。
ドラマ放送後の朝イチで趣里が様々な撮影秘話を語っていたが、何よりも驚きだったのは、彼女やスタッフたちが驚くほどの努力を重ねていた。
東京生まれの趣里にって最初のハードルが関西弁の習得だっただろう。
女優としてさらに多くの経験を重ねながらこれからも活躍するだろうと思う。