物語の設定は昭和31年秋。
既に終戦から10年以上が経過した。
私自身の幼い頃の記憶とも被る。
この当時の経済白書で政府が用いた言葉を今日の題材にさせてもらった。
スズ子は羽鳥善一とのコンビも既に10年以上が経過してて人気に陰りが。
今週からはスズ子のライバルともされる若いアイドル歌手
水城アユミが登場する。
ネタバレ情報では、彼女の存在はスズ子のモデル笠置シズ子のエピソードの中に登場する美空ひばりだろうと推察する声は多い。
実際はどうだったのだろうか?そしてこの物語では?
実はブギウギ最後の2週間で描かれる物語は全て脚色だと思われる。
脚本家が自らの想像力をもとに練り上げた展開だと推察。
ブギウギは笠置シズ子がモデルな事は誰もが知っている。
物語の展開も、笠置の人生をなぞる形で描かれてきたものと思うが、しかしそこは脚本家として細部に至るまでしっかり練り上げてきたんだろう。
最後の2週間で登場する水城アユミは物語の最初の頃に登場してきたUSK時代の尊敬する先輩大和礼子の忘れ形見。
物語のはじめの頃のエピソードが絶妙に伏線となって蘇ってくる。
そして笠置の様々なエピソードの中で、淡谷のり子も交えたキーパーソンになってくるのが幼い頃の美空ひばり。
そのまま物語に登場したのではまるで味気ないと思われるので全く違った味付けで登場。
使っている役者も調べてみたら驚くほどの実力者なことが判明。
最後まで見ているものを飽きさせない絶妙な展開が繰り広げられる。
目次
福来家の日常
先週描かれたのはスズ子が愛子の子育てに悩み、乗り越えていく様子。
時間が経った設定の今週冒頭では愛子は近所の子供たちと遊ぶことに余念がない。
どうやら友達もたくさんできて、愛子本人は走ることが大好きらしい。
そして、物語の中でさりげなく語られていたのは、
母親と同じように負けず嫌いだってこと。
お手伝いの大野さんが相変わらず絶妙なサポートをしてくれている。
少なくとも福来家は本来あるべき家族の姿が描かれているような。
つい何週間か前からスズ子のマネージャーになったタケシが家族の一員に加わっているぐらい。
昭和31年これから発展する日本
テレビ放送も始まっておよそ4年が経過したはず。
もちろん日本で最初にテレビ放送したのはNHK。
このテレビ局が果たした役割はとても大きいだろう。
今週から何人かユニークなメンバーも物語の中に登場。
彼は少し前に日本テレビアナウンサーと結婚したことでも知られる。
今回はさらに少し調べてみて沼袋勉にもモデルがいただろうと推察。
実は物語を見ていて少し思い当たる人がいたので調べることに。
やっぱりこの人に行きついたね。
どうやら彼がモデルのような。
番組の中で紹介されていた歌番組は今も続く長寿番組「NHK紅白歌合戦」。
今のように大晦日の夜何時間も放送される番組ではなく、1時間枠の番組だったようだ。
当時笠置シズ子が舞台のトリを務めていたことも知られている。
ブギ人気の陰り
モデルの服部良一は、この頃押しも押されもせぬ作曲家で仕事は多忙を極めていたようだ。
週刊誌の記事など目にすることもなかったはずだが、物語の中では記事の内容に神妙な面持ちで見入る様子が描かれていた。
戦前から戦後にかけて、ジャズテイストの音楽を自分の本分と決めていた善一は自分の音楽の人気にも陰りができてきたことを少しずつ実感。
人々から支持されてこその音楽であることも充分承知していたものと思われる。
水城アユミの正体
物語のアジな設定に舌を巻く。
父親股野はUSKの頃、当時のトップスター大和礼子と結婚。
女の子が1人生まれる。
ストーリーが絶妙に合致できるように組み込まれている。
ちなみに笠置シズ子は美空ひばりとは必ずしも良いエピソードばかりとは限らなかった。
笠置のアメリカ公演では美空ひばりに先を越されるという苦い経験をしている。
そのせいで公演は必ずしも成功はしなかった。
また、笠置は当時からずっと淡谷のり子と親交があったが、詳しいいきさつを知っている淡谷は美空ひばりを徹底的に嫌っていたことでも知られる。
この映像は服部良一の2000曲作曲のイベントで撮影されたものらしい。
今では考えられないようなビジュアルに違いない。
水城アユミを演じている吉柳咲良(きりゅうさくら)は舞台で活躍する人らしい。
YouTubeで既に音源が多数紹介されているので。
舞台のピーターパンで活躍しているらしい。
確かに歌のうまささは筋金入りだと思う。
ブギウギの物語に間違いなく花を添えてくれるものと確信。