寅子にとって最大の難関が母親である事はよくわかっていた。
どうすれば、最後の砦を突破することができるのか。
正直なところ、固唾を飲んで今日の物語の展開を見守るしかなかったわけで。
物語を見て大いに納得する。
ストーリーの展開が思わず感嘆符❗️が出るほどの秀逸な物語。
では、寅子がどんなふうに母親を説得することができたのか。
今日の物語のほぼ全てがこの辺の説明に費やされる。
母親からは結婚するためにお見合いを強く勧められる寅子。
2人だけのやりとりでは到底納得してもらえるはずもなく。
寅子は自分の覚悟を必死に説明するが、母親は全く聞く耳を持たない。
翌日お見合いのための新しい振袖を購入するために待ち合わせの場所を指定されてしまう。
逆らうことのできない寅子。
さて一体どこからきっかけができて、母親の了解を取り付けることができるようになったのか。
待ち合わせに選んだ甘味処で事件は起こる。
場所にたどり着いた寅子の先には明律大学の桂場教師が。
思わず母親を説得するための方法を尋ねてみる寅子。
帰ってきた答えは驚くほど現実的でまともなものと思われた。
それは大学の女子部法科に入学することを諦めるように促す内容だった。
あっけに取られる寅子の後から声を荒らげたのは母親のはる。
はるは桂場の意見を娘を馬鹿にされたと解釈。
娘が大学でしっかり学べることを激しく主張。
振袖を買うはずだったが、それは新品の六法全書に化ける。
目次
母親はるの出自
はるは5人兄弟の4番目だと語っていたね。。
家は旅館で母親の母親は娘をどこに嫁がせれば、家の利益になるかが1番だと考えていたようだ。
はるは母親に反発する目的で今の夫と結婚したと語っていたね。
はるにとって子供たちの幸せこそが1番の願いだと信じて疑わない。
そしてそれは寅子が良い男性と巡り会って幸せな結婚をして家庭を作る事。
ひょっとして今でもそのように考える人は多いかもしれない。
女性の幸せは結婚をして家庭を作ることだと。
最近のご時世ならそうでない場合も多いんだけど。
昭和初期のこの当時なら間違いなく男性、女性ともに平均的な生き方モデルが誰にも共有されていたと思う。
寅子の決意 母の願い
はるは自分の生い立ちについて語って聞かせ、寅子が幸せな結婚をすることこそが1番だと考えている。
もちろん大学に行って勉強したならそれなりに良い成績を収めるかもしれない。
しかし、もしそこがうまくいかなかったときにどうするのか?
年増になって夫もなく1人で暮らす女性がどれほど惨めなのか。
最悪の考え方がどうしても頭をよぎる。
自分の娘にそんな辛い思いは絶対にさせたくない。
母親の考える事はごく当たり前でもっともなこと。
はるに詰め寄られて口答えできなくなってしまう寅子。
父親は1人になっても俺が面倒を見てやると言い切ってはいたが、その父親のセリフもはるはお見通し。
こちらの家庭は、母親の方が父親よりも1枚も2枚も上手。
甘味処で待ち合わせ
甘味処で待ち合わせしたが思いがけず大学の教師桂場に遭遇。
思い切って自分の苦境を相談する寅子。
母親を説得するための妙案を期待していた寅子に桂田が語ったのは自分も反対だと表明すること。
女性が大学で法学を学ぶことには時期尚早だと持論を展開。
もっと先の時代にならなければ、現状では厳し過ぎる。
穂高博士の言うことを鵜呑みにしてはいけない。
苦労することが目に見えているんだから、今は別な生き方こそ求められていると。
なるほど現状をよく見ている。
しかし、女性の法律家への道筋は誰かが第一歩を踏み出さねばならない。
その最初の女性が目の前の寅子とは考えなかったようだ。
実は物語の設定がとてもうまくできていると感じたのはこれから。
寅子と桂場の話を後ろでしっかり聞いていたのはなんとはる。
はるは娘が侮辱されたと受け止めた。
そして女性が自分のやりたいこともできずに周りに気を使いながら生きていくように仕向けているのは男たちだと。
はるは彼女自身のポリシーもあって、子供たちには幸せになってほしいとの信念は絶対に揺らぐことがない。
桂田は一般的な感想を述べただけなのに怒りの矛先になってしまう。
はるの決意 寅子の進む道
はるは本当はお見合い用の振袖を買うはずだった。
しかし、呉服屋さんは素通り本屋さんの前に立ち止まる。
そして寅子に再び確認。
これから先進む道が地獄でもいいのか?
ハイとうなずく寅子。
寅子は母親の説得に桂場をスケープゴートにする形で母親を納得させることに成功。
晴れて明律大学女子部法科に通えることになる。
今週のエピソードはここまで。
来週からはいよいよ大学内での学びの様子が描かれることになる。
どうやら個性的な学友たちがたくさん。
女子部ということで、学友たちは皆女性。
どうやら朝ドラではお馴染みの女優たちがたくさん登場。
記憶の意図をたどりながら、どんな活躍をしてきたの女優なのか、今から興味津々。