虎に翼は開始3日目にして、ようやく物語の進む方向が明確に。
主人公寅子は自宅にいる書生の弁当を届けた時に、大学の教室で人生の方向を決定づけるような大切な人たちと出会う。
そこは法律を学ぶ場所で、物語の中では民法についての講義が。
「女は無能力者」の言葉に激しく反応した寅子。
言葉の意味を額面通りに受け取ってしまえば、女性は能力がないと断定されることに。
寅子はとても受け入れられない言葉に思わず声を出してしまって、こっそり授業を覗いていたことがばれてしまう。
そこからのやりとりが今日の物語の1番の見せ所。
教室では、物語にとってとても大切な2人の先生が寅子を導く形。
そして寅子の疑問に対して明確な答えを提示。
寅子は穂高氏にそのまま明律大学法学科女子部に入学を勧められる。
学ぶべきことがここにあると確信した寅子は入学するための様々な準備を。
それは順調に進むべき内容のはずだったが、父親はともかく母親の説得にちょっとした難題が。
名案が浮かばない寅子に女として生きるべきしたたかな方法を授ける花江。。
寅子と対象的な生き方で描かれる友達は物語の展開に大きく花を添える。
始まったばかりの物語だが、進むべき方向がはっきり示されて、しかもその背景も匠みに語られていることなど、大いに興味を引く展開に。
物語を興味深く演出するのは、脚本家「吉田絵里香」の筆力によるところが大きいのかも。
さらには演じている役者たちの魅力もかなり冴えているように思う。
伊藤沙莉と森田望智のやりとりは2人の女優の底知れぬ可能性を思い知らされる。
目次
明律大学夜間教室
物語は昨日の流れを受けて、寅子が佐田君に弁当を届けることから始まる。
ちょうど授業の真っ最中。
相続に関する講義をしていたようだ。
民法の規定についての説明だったが、専門的な事は残念ながら私にはいまひとつピンと来なかった。
ただ、家庭に入っている主婦は夫の附属物のようなもので主体的に何かの権利を有するものではなさそう。
法律の規定ではそうなっているらしく、寅子には様々な疑問が湧いてくる。
どうやら今まで自分が感じてきた疑問や様々な納得いかないことにもきちんと教えてもらえるような雰囲気。
何よりもこの教室を訪ねて一番の成果は話をきちんと聞いてもらえたこと。
さらに質問に明確に答えてもらえること。
時代こそ違うが、今でもいろんな話は聞いてもらえるようで、全く聞いてもらえないことが多いし、自分の胸に手を当てて考えてみると自分も人の話をきちんと聞けているかどうか甚だ疑問。
穂高氏と教師桂場
司法試験を目指す者たちの教室ということで、勉強の内容はかなり高度なもの。
桂場教師はかなり気難しそうな雰囲気。
しかし、教える側の姿勢として一本筋が通っているようにも見えた。
質問者に明確な回答を示してあげる。
それは相手が誰だろうと差をつけない。
はっきりってすごく大事なことで、今でも世の中では理不尽なことが山ほどあったりもする。
寅子の抱いた疑問がどこまで解消されるのかこの先の物語の展開が見もの。
寅子の人生の方向を決定づけるような導きだろう。
ただ大学で勉強するとなれば6年間必要だったようだ。
4年じゃないところが戦前のご時世だったんだろう。
入学願書を出すためには
寅子は女学校で入学願書を出すための内申書が必要になる。
どうやら女学校の推薦状と作文だけで、入学は簡単に許可されるような。
寅子の入学に骨折ってくれたのは父親。
父親はどこまでも娘に甘い。
ただし、ここでも一悶着が。
願書を受理しようとした先生が寅子の世間体を気にするような素振り。
もし入学して卒業するまで在籍したなら、寅子は25歳になる。
世の中では女性の結婚適齢期を明らかに過ぎてしまい、何より結婚できない可能性も。
父親は真っ向から否定していたが、先生曰母親と相談してみては?
母親が簡単に許可してくれるはずもないので、父親は後で母親を説得するとの説明で願書を提出してしまう。
ちなみにこちらのお父さんは典型的な恐妻家。
物語を見ていればよくわかるが、お母さんには頭が上がらない。
猪爪家は典型的なカカァ天下🎯
この内容を裏付けるように法事から帰ってきた母親に父親はまるで頼りない
母親はキョトンとしながらも、父親のそっけない素振りが何なのか違和感を感じている。
寅子の入学願書の話が差し迫った課題なのにまるで話し出すことができない。
この流れで物語が進んでどの辺に落としどころがあるんだろうとちょっと心配になっちゃうよね。
これが女の生きる道
花江の気している事は寅子の母親のご機嫌。
自分の結婚間近の状況にて波風立ててほしくない。
生活が安定して、周りの条件が整うまではじっと辛抱するのが女の道だと。
結婚前に大学入学が明らかになれば、必ず一悶着あるはず。
それを何とか避けたいんだと熱弁を振るう。
事情をまるで理解できていない寅子。
世の中を巧みに生きていくために、ポテンシャルの高いのは明らかに花江。
脳天気で朴念仁の寅子は進むべき道を切り開けるのだろうか。