物語は容赦なく先へ進んで、いよいよ直言が自白をしたらしい。
犯罪の立証に必要不可欠とされるのが本人の自白、ないしは物的証拠。
今でも一度自白した犯罪についてその事実を覆す事はかなりの困難が予想される。
今日描かれたのは共和事件で逮捕された父親が家に帰ってくるときの様子が詳しく。
そして、弁護を引き受けることになった穂高先生は様々な考察を繰り返しつつ、真実に迫ろうとする。
直言の取り調べの様子が物語の中でも描かれていたが、刑事ドラマではあるあるのシーン。
あんな風に厳しく詰め寄られると人はどうしてもうなずいちゃうんだよね。
今の警察の取り調べでは、物語のような自白の強要は無いものと信じたいところ。
さて、15分の枠ながら物語が醸し出す不思議な緊張感は見ているものをぐいぐい惹きつける不思議な力が。
自宅に戻ってからの直言の様子は物語の説明に加わって、家族の様子や事件に関わろうとする穂高先生の気持ちもセリフとはまた別に伝わってくる部分が。
何よりも物語の進展を大きく支えているのは主人公寅子の天真爛漫さかもしれない。
ある意味能天気な寅子は表情がわかりやすい。
演じている伊藤沙莉の女優としての真骨頂なのかも。
目次
花岡と穂高先生の後押し
学校に行かなくなった寅子をことのほか心配していたのは花岡。
彼が穂高先生に寅子の父親の弁護をしてはどうかと提案したようだ。
穂高先生はもともと刑事事件の専門家ではないが、弁護士としては申し分ない。
何よりも猪爪家とは深い信頼関係が。
先生は教え子のために何とか骨を折ろうと決心したようだ。
猪爪家にとっても弁護士をなかなか探しきれずにいたところで渡りに船とはこのこと。
先生たちと猪爪家の人たちのやりとりの中で興味深かったのは書生の優三と花岡の様子。
寅子をめぐってなんとなく意識するところがありそうな若い男子たち。
優三は寅子のことが好きなのは画面を見ていてもすぐに伝わってくる。
さらには花岡も寅子に告白とも取れる発言をしていたことが、先週の物語で明らかに。
寅子には応援してくれる仲間がたくさん。
寅子のとるべき行動
寅子は穂高先生の進言で学校に通い始めることを決意。
仲間たちが温かく迎えてくれる。
もちろん寅子に気を遣わせないようにさりげなく控えめに。
とりわけ面白かったのはよねの発言。
寅子に悪態をつきながらも休んでいる間のノートをそれとなく手渡してくれた。
学生の勉強の本体は、なんといっても自分のノートだから。
真面目な生徒たちは、ノートを友達に見せてあげることも多かったように記憶する。
逆に勉強が得意でない子たちはノートもまともに取らないので、復習のしようもない。
法律を学ぶ生徒たちに意欲のない子なんかいないわけで、彼らのノートなら必要不可欠な情報が盛りだくさんに記入されているはず。
仲間たち
学校の生徒たちの間でも共和事件の話題で持ちきり。
寅子をディスる形で発言するものや擁護しようとするもの。
どうやら2つの勢力で争いがあったような。
轟は硬派のイメージだが、明らかに寅子の味方。
ちなみにこちらに写っている生徒たちは寅子の天敵として振る舞っている。
彼らに真っ向から戦いを挑んだのが轟の設定。
物語の中に出てくる男たちの振る舞いもかなりユーモラスで興味を引く存在。
父直言の帰還
物語では4ヶ月後に父直言が自宅に戻ってきた。
帰る早々、第1声はすまない🙇🏻♂️
役者の演技のうまさもあって、思い詰めたような感じがよく伝わってくる。
何か覚悟を決めたような表情で自分が大切な役割を果たしているかのような雰囲気さえ漂う。
すでにネタバレ情報が公開されているので、直言は様々な人たちの罪を背負って、自分が自白することで事件の収束を図ったようだ。
当然やってないこともやったと語っているような素振り。
面白いことにドラマの中でも、事件が誰かの悪巧みによって作られたような設定。
そしてその悪巧みは内閣を転覆させるために政敵が仕組んだと語られている。
俳優などに詳しい人ならすぐに気がついたと思うが、政敵水沼を演じていたのが森次晃嗣
今でも知名度は全く衰えないウルトラセブンの彼。
どうやら事件そのものもでっち上げのような匂いがする。
モデルになった帝人事件も起訴された16人全員が無罪で終わっている。
指摘があったような贈収賄の事実はなかった。
「虎に翼」でもそのような流れになるのではと想像する。
今週の物語は始まったばかり。
これから直言がどんなふうに描かれていくのか、実際の裁判事例をなぞるように物語は進んでいくんだろう。
最近の政治家たちの暗躍も被る形で描かれるストーリーは、誰しも興味津々で眺めることになる。