くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

虎に翼 孤軍奮闘の行く末

物語の冒頭で語られたのは図らずも戦死した山本五十六元帥の告別式の様子。

昭和18年6月5日とあった。

当時南方戦線視察に赴いていた山本は一式陸攻(陸軍輸送機)に搭乗。

アメリカの双発戦闘機Pー38に襲われて撃墜された。

山本の遺体はすぐに回収され日本に搬送、政府の方策で国葬が営まれることに。

ニュースなどでよく見る軍神なる単語はこの頃からよく用いられるように。

さて、当時日本の戦局はほぼ泥沼。

勝ち目のない戦いにあえいでいたと断言できる。

戦争の足跡は猪爪家にも容赦なく。

まず長男直道に招集令状が。

情け容赦ない赤紙で日本人の17歳から40歳までの男子はことごとく徴兵されることに。

物語は直道出征の様子、花江との別れ、家族との最後の晩餐の様子が詳しく。

日本全国でこんな光景が繰り広げられた。

1人だけになった女性弁護士寅子は明らかに過重労働ながら、自分の勤めを果たそうと全力で仕事に。

次から次へと舞い込む依頼、そして資料の山。

死に物狂いで取り組んでいても全く減ることのない仕事量。

そんな中母校明律大学から講演依頼が。

身重の寅子は講演直前、過労で気を失ってしまう。

医務室で目覚めた寅子と穂高教授とのやりとり。

2人それぞれの気持ちには大きな差があることが発覚。

寅子の心は理不尽な世の中に対する怒りで満ちていた。

講演直前 失神してしまう

目次

あなたを救う白蛇財布(本物の蛇の抜け殻付き)

昭和18年6月5日ご時世

夫に届いた召集令状(赤紙)

ちょうど物語内のニュースでは、山本五十六の国葬の様子が。

山本は人心掌握のためのスケープゴートに

昨日もブログで紹介したが、日本軍の作戦行動はすべてアメリカに筒抜け。

真珠湾攻撃の立役者山本五十六の暗殺はアメリカにとっても最重要課題だったろう。

かつての山本 戦地慰問に出かけていた

連合艦隊長官としての山本を日本はどれほど利用しようとしていたのか。

山本の撃墜されたときの様子 レプリカ

描かれたエピソードの中で注目しなければならなかったのは直道と花江の別れのシーン。

当時こんなふうに抱き会えた夫婦はいなかったと思うが、気持ちが良く現れていると思う

出征日の前日は、家族で心づくしの晩餐があちこちで開かれた。

赤紙の実物 誰も逆らえない

日本軍としては戦場で戦える兵隊がどうしても不足。

かき集めるしかなかったと言うのが本音だろう。

それは誰も逆らえない厳しい命令。

増え続ける依頼の数々

膨大な仕事量 睡眠を削るしかない😓

寅子1人だけになった女性弁護士は寅子の性格もあって、断らずにほぼすべての仕事を引き受けてしまう。

オフショット 久保田先輩はあっさりリタイヤ

どんなに頑張っても減らないどころか増える一方の仕事。

寅子は自分が何とかしなければの思いで仕事に全力投球。

それは体力を削り精神力を酷使

誰かのために自分がやらなければの気持ちは寅子の弁護士としてのゆずれない姿勢。

母校明律大学の思い出

女子部たち全員で裁判傍聴

明律大学女子部で学んだ時代が懐かしい。

みんな女性の法律家を目指して全力投球していたが、厳しい授業と司法試験の難しさで次々と脱落。

残ったのは、わずかなメンバーのみ。

最後に残ったメンバーもついに寅子だけに

結局のところ戦争が泥沼化することで女性法律家の仕事は一方的に増えるだけになってしまった。

フタを開ければ寅子ひとり

どんなに努力したところで多勢に無勢、勝ち目のない戦い。

命をすり減らして頑張ったところでやがては擦り切れて消えてなくなってしまう。

自分が壊れてしまうまで決して仕事を辞めない寅子。

世の中の仕組みの理不尽さに怒りが湧いてくる。

久々に登場した桂場 彼も女性の法律家を目指すのは反対だと言っていた

女性の法律家を目指すスローガンは、ここへ来てただの言葉だけのシロモノに。

疲弊と怒り

家庭に入ることを勧められる😓

穂高教授とのやりとり。

ここで教授の本心が語られていた。

寅子は家庭に入って子育てをするべきだと。

真っ向から反対の意思表明をする寅子。

「雨だれ石をも穿つ」

教授の言い分では、子供がお腹にいる以上は仕事を辞めて家庭に入るのが女性の幸せだろうと。

それでは寅子が目指す世の中には程遠い。

私は雨だれのひと粒なのか?

疲れ果てた寅子はこれからの活動そのものを否定する発言に怒りを隠し切れない。

寅子の癒やしは優三と過ごす時間

困っている人たちの力になりたい。

寅子の必死の気持ちは前進むこと以外一切受け入れようとはしていない。

さらに寅子は自分の妊娠の事はどうやら内緒にしていたような。

隠す事はなかったはずだが、抱えている仕事を思えば呑気に産休など取れないと思っても仕方がない。

穂高教授は寅子を思って家庭に入れと進言したわけで。

その言葉を素直に受け入れられない寅子。

自分1人だけで頑張るしかない。

休むこと立ち止まることなど一切許されない切羽詰まった認識。

物語は驚くほど重たい内容を描き出す。

時代背景を考えれば、ここから2年先に終戦が待ち構えることに。

それまでには広島長崎の原爆投下や東京など主だった都市部の大空襲も経験するしかない。

どこまでが物語の範囲になるのだろうか?