NHKスペシャルで報告された脅威の内容
目次
実はNHKのこのシリーズはとても興味があって毎回欠かさず見ているのだが、特に今回2回にわたって放送されたDNAシリーズはまさに驚異的。
白状すると私のような素人がこのような専門的な内容の紹介記事を書いていいものかどうか悩んだあげく、結果として興味を持った1視聴者としてまとめてみることに。
中学高校、それ以前からも生物はとても好きな科目でわからないながらも医学の専門書とかを見るのも好きだったのだが、その時にいくつか学んで知っていたことがある。
ほかならぬダーウィンの進化論。
進化の過程ではわずかだが突然変異が起こりそれが後の世代に受け継がれていくこと。
ダーウィンの進化論では親の世代が獲得した様々な能力は次世代には遺伝しないとされていた。
確か専門的には“獲得形質は遺伝しない”と言ったはず。
しかし番組を見ていてわかったのだが、かつての遺伝学は最新の研究で次々と書き換えが進んでいる。
親の獲得形質はどうやら子孫に遺伝していくことが少しずつだが確認されているのだ。
これだけでも大変なことであるに違いないのだが、DNA情報が明らかになるにつれてこれからの病気の治療を始め、健康を維持するための様々なメソッドが新たに確立されつつある。
私たちが親から受け継ぐ遺伝子は実はDNAの2%しかなかったなんて。
残りの98%は一体どうなっているのだろう?
つい最近まではこの98%の DNAをゴミ扱いしていたのだそう。
しかし生物学者たちの研究はそのようなことをそのまま受け入れるはずもなく、研究を重ねた結果、98%のDNAの中には様々な重要な遺伝情報が隠されていたことが明らかにされつつあるのである。
番組の中で引き合いに出されていたのは一卵性双生児に関わる研究。
遺伝子は全く同じものを持つ2人なのだが、しかし歩む人生はそれぞれ全く別物なので、そのことの研究からいろいろわかってきたことが。
実は番組で紹介されていたのは双子の女性のそれぞれの運命。
全く同じ姿かたちをしているにもかかわらず、実は片方だけが乳がんにかかったのである。もう片方はなんともない。
双子でありながら病気になったりならなかったりの原因究明をDNAレベルで行ったところ、双子といえども残り98%の中に含まれる様々な情報はバラバラなのだと言う事。
双子の片方はガンになったときにそれを防ぐ DNAの働きが止まっていて、もう片方はそれがきちんと機能していた。
実はこの98%の中に莫大な数のDNAスイッチと呼ばれる様々なシステムが備わっているらしいのだ。
我々が親から受け継ぐ遺伝情報は受精卵から分化してできていくのだが、その時に70個ほどの突然変異は必ず起こっているとの報告もあった。
それと同時にDNAスイッチも様々なものが後天的に作られるようなのだ。
実は番組の肝となる部分なのだが、受精卵の段階ではこの膨大な数のDNAスイッチは一旦はリセット状態になっているとの事なのだが、実は、ここでごくまれにだが親の世代のDNAスイッチがそのまま受け継がれることがあるらしいとのこと。
ここで“獲得形質は遺伝しない”かつての常識が覆されたことに。
番組のパーソナリティーはあのips細胞の山中教授とタモリ。
この2人とNHKの久保田アナ1人が加わって、ゲストが2人出演する。
NHKの様々な番組の中で私が最も興味を惹かれるジャンルである。
今までの健康に対する概念、病気の治療法が根本から覆される研究結果が報告されているのだ。
遺伝子は実はDNA全体の2%にしか過ぎない
トレジャーDNA
実は98%の遺伝子を調べることによってこのゲスト2人の身体的特徴が明らかにされていました。


実はこれらの特徴は全体のほんのわずかに過ぎないとのこと。
他にも主要な情報が ほとんどまだ解明されていない状態で、今はまだ研究半ば。
これからも研究は幾何級数的に進んでおり、今までとは全く別な視点での病気へのアプローチがされているようだ。
今までは病気になった原因を死に物狂いで探していたのだが、今は全く逆のアプローチでどうして病気にならないのかを様々な観点から研究しているらしいのだ。
例えばかなりの不摂生な生活をしているにもかかわらず、全く病気にならない健康なお年寄りが存在している。そのような人たちのDNAの特徴を研究しているらしいのだ。
そしてその研究をもとに新たな治療薬も開発されているようなのだ。
例えば糖尿病の治療があるのだが、最終的にはインシュリンを投与するのが治療の常なのだが、実は今回の番組では体に取り込まれた糖を素早く体外に排出する遺伝子の働きを解明したことに基づく治療薬。
番組の中では驚くほどの好成績が報告されていた。
DNA解析による研究結果である。
でも、これはほんの一例。他にもアルツハイマー病を始め様々な治療を拒む難病をクリアすべく、研究は日夜進んでいるのである。
まさに驚くべき内容と言っていい。
残りの98%は実は宝の山
DNAスイッチなるものがあってそこで様々な遺伝的な傾向に対するスイッチの入り切りがなされているようだ。
このスイッチは98%の領域の中にあって、今も研究による解明が進んでいるのである。
98%の領域は、多分に本人の努力であるとか生活習慣とかの影響を強く受けていて、それによって遺伝的な特徴が決まってくるなどは今までは考えられなかったこと。
番組の中で紹介されていたのはコーヒーのカフェインに関する報告。
カフェインが体に良い影響を与えることもありながら、実はそのことを健康の中に反映することができない人たちがいるので、そのことの検証。
カフェインの働きを無害化する DNAスイッチは誰もが持っているのだが、どれだけ効率的に無害化できるかはスイッチの押し加減1つとのこと。
コーヒーが飲む人によって健康に良い影響与えるのかそれほどでもないのかここで明らかにされていた。
実はこのDNAスイッチは生活する環境が変わることによってその内容が著しく変化することもわかってきている。
宇宙飛行士の健康に関する報告の中で驚くべき内容が報告されていた。
これは双子の宇宙飛行士の被験者に関わる研究なのだが、いちど宇宙に行って帰ってくると体の中のDNAスイッチは、何千と言うレベルで入り切りが変わってしまうのだそう。
例えば、骨を作ることを盛んにするスイッチとか、地上ではほとんど関係ないスイッチでも宇宙のような無重力下では、重大な問題になるのである。
このように環境が変わることによってDNAスイッチの力は大きく変わる可能性が。
特に我々の生活では、様々な情報を取り入れることをいつも心がけているならば、最新鋭の医学的な知識、治療法などに接する機会が多くなると言える。
研究は今始まったばかりの様相で、さらなる解明が待たれるのである。
DNAからわかること
唾液から顔の復元ができる時代になっている。
これは犯罪捜査にも今は生かされていて、犯行現場に残った犯人とおぼしきDNAからその顔をこれだけの精度で復元することができるのである。
これは最初の番組の中で明らかにされていたのだが、凄い時代になったと言える。
ような研究が日夜なされているので、いずれそのほとんどが解明されることになるだろう。
遺伝子自体はDNA全体のわずか2%。
残りの98%の解析をすることによって、その本人にここまで肉薄することができる。
研究方法も今は様々な視点から行われることになっていて、まさに日進月歩で進んでいるのである。
まとめ
山中教授の実績は言わずもがなである。
またタモリも年齢を経てからの方が様々な ためになる番組に出ていると言っていい。
この2人のシリーズはすでにいくつもの番組が拵えられてあり、そのどれもが興味深い内容だった。
病気の治療や、健康維持する方法としての直近の課題はもちろんとても大きいのだが、私が個人的に感じるのは、真実の解明だろう。
私たちの存在自体の解明を日夜研究し続けている。
人間としてどうしても完成させなければならない領域なのだと言える。
今回のシリーズで、人体に関わる報告は1段落しそうである。
このシリーズは様々な興味深い内容が報告されていて、いつも番組を視聴することに。
おそらくは再放送が必ずあるはず。
多くの人に視聴をお勧めする。このような特集番組をこしらえたときのNHKのグレードの高さは他のテレビ局をはるかに凌駕する。
個人的な意見ではあるが良いものは良いのである。
これからも興味ある分野での様々な番組は欠かすことなく見続けるはずである。
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