お母さんの実家の源藤家は跡取りがいないので、
どうしても古山家から養子を迎えたかった。
さて、古山家では店を継いだのは弟浩二君。
兄である祐一君は自分の好きな音楽をやって良いとの話ではあったのだが。
例の詐欺の話。
あの話があったがために事態は急展開。
源藤家からの融資をあてにするしかない父三郎は祐一君の養子縁組を受け入れざるを得なかったのだ。
息子に因果を含めるお父さん。
話をする方も話を聞かされる方も切ない限りだね。
目次
最後の演奏会
この演奏会は祐一君にとっては図らずも最後の演奏会となってしまった。
実は演奏会の前にお父さんから厳しい家庭の事情を告げられていた。
商売で人を信用してしまったばかりに多額の不渡りを出してしまったこと。
そのためにお母さんの実家から資金援助を受けなければならないこと。
資金援助を受ければ2人いる息子のうちの1人を養子に出さなければならない。
喜多一を継ぐのは弟の 浩二君と決まっていたので、流れとしては養子に行くのは祐一君しか考えられない。
お父さんにとっても祐一君にとっても不本意でしかないけれど、どうしても納得するしかなかった。
祐一君の考えでは養子に行けば音楽を諦めるしかないと、そう思い詰めてしまった。
それ故の最後の演奏会。
この演奏会が終わると同時にクラブを辞める旨を皆に報告することに。
ハーモニカクラブ初演 祐一君初作品
ハーモニカクラブの演奏会は盛況で大勢の人たちが見に来てくれたのだ。
そして最後の演奏となったときに指揮者から案内が。
最後の曲はこのクラブで初めてオリジナルの曲を作ったので披露する。
作曲したのは商業学校在学中の古山祐一君。
独学で作曲を勉強して、その豊かな才能も相まって素晴らしい曲を完成させたのだと。
そしてなんと、タクトを振るのは作曲者本人がするべきとのことで 祐一君自らが指揮台に立つことに。
突然のことでびっくりする祐一君。
しかし長年音楽に親しんできたそのセンスはにわか仕込みの指揮であっても問題なくこなしてしまうのだ。
祐一君のオリジナル作品はバスのパートから始まるとても斬新なもの。
そして各パートの持ち味が遺憾なく発揮されているとても魅力的な演奏。
タクトを振る祐一君にとっては、これが最後の思い入れもあって特に熱が入る。
演奏が終わる頃には涙で顔をくしゃくしゃにしたお父さんがそこにいた。
本当は好きな音楽をのびのびと自由にやらせてあげたいんだけれど、自分自身の不始末の後始末をさせる意味で養子縁組させざるを得なかった。
そのことの後悔の念が湧き上がってくるといてもたってもいられなかったのだ。
演奏がみんなを感動させる
こちらのハーモニカクラブのレベルはとても高い。
演目もたくさんあって、クラシックからチョイスしたものが多いような印象。
パートはソプラノ、アルト、バスと分かれているようで 、一般的な器楽合奏とほとんど遜色は無い。
大正デモクラシーの時代日本ではこういったハーモニカの活動が大いに流行ったようだ。
ちなみにこちらの演奏は吹き替えなしで本人たちがやっていると聞いている。
かなりの特訓をしなければ、なかなかここまでの腕前にはなりにくいのでは。
会場に集まっていた人も200人や300人いたような気が。
大勢のハーモニカ合奏団といえども、隅々まで音を届けるにはそれなりの技術がなければ厳しかったのでは。
今のようにマイクを使った音を増幅させるような装置があるようには見えなかった。
今回の公演でハーモニカクラブを退部することに
祐一君にとっては最後の演奏会になる。
すでに自分が養子に行かなければならないことを受け入れる覚悟で演奏会に臨む。
そして彼の胸の中では、養子に行けばもう音楽には関わることはできないと思いを断ち切るしかないと思いつめていた。
あれだけ小さい時から慣れ親しんできた音楽をここで自らの手で捨てねばならない。
よく言われる断腸の思いだったろう。
しかし一旦覚悟を決めたならば、後は淡々と毎日をこなしていく。
このクラブを辞めるとみんなに報告した段階で、気持ちの整理がついたように描かれていたね。
いよいよ養子に出向く
さて養子先の仕事場は銀行 。
今度は銀行で会社勤めをすることになるようだ。
祐一君は茂兵衛おじさんが苦手。
幼い頃から強面で、簡単に打ち解けられるような間柄ではなかった。
実は今回の養子縁組も、物語を調べてみたところ最初の期間は試用期間と言うことでお試しで生活するらしい。
養子としてお披露目するには少しの間の時間が必要なのと、仕事っぷりその他の実績も必要になるようだ。
なるほど後の銀行の頭取になるわけだから、それなりの教育をしてふさわしい器になってもらわなければならないわけだし、好き勝手なことばかりはできないのはよくわかる。
今日の放送の最後の方で銀行の中で一緒に働く職員たちがとんでもなく明るく描かれていたので少しびっくり。
これで暗い物語になってしまえば、エール全体のモチベーションが下がってしまう。
そして後に作曲家として身を立てることになるのだが、果たしてどんな流れでもう一度音楽に復帰するのかもきちんと説明が必要になってくる。