YouTubeをあちこち覗いていると、様々なクラシック音楽のサイトに行き着くが、最近何度も出てくる女性ピアニストが少し気になっていた。
金髪のおそらく30歳前後と思われる美人のピアニスト。
説明の下にある名前をしげしげと覗いてみたら。
ロシア出身のピアニストでアナスタシアフプマンとある。
実は彼女は自分自身のYouTubeサイトを持っているようだ。
ピアノの演奏タイプはメリハリが効いていて私の好み。
目次
ロシア出身現在はオーストリア在住
彼女のことを調べてみるとロシアが出身。
そして数々のコンクールで入賞との記録。
現在はコンサートピアニストとあった。
そして活動拠点は“オーストリア ウィーン”
この街は昔から音楽家の聖地とも言われる場所。
ドイツ、フランス、イタリアといった著名な国の出身の音楽家たちはそのほとんどすべてがウィーンで活躍することを望んでいたと思う。
フランスのパリが、どちらかと言えば絵画や彫刻などに特化しているのに対して、ウィーンは音楽に特化している気がする。
クラシックの音楽史に名前の残る作曲家たちは、概ねウィーンで活躍することを常としていたようだ。
その伝統は現在もさほど変わりなく、演奏家はたいていは世界中を旅してあちこちでコンサートを開くが、ウィーンをパスする演奏家はいないと言える。
当然のことながらここを拠点にする演奏家も多いはずだ。
あと多いのはアメリカで活躍する演奏家も多いと聞く。
フプマンは、この若さで言いながらすでに知名度も高く、また活動も活発と言える。
彼女は自ら、“YouTube”のサイトを運営している。
彼女自身なのか、それともスタッフなのかわからないが彼女の名前で検索することができる。
こちらは彼女のサイトのホームページに到達。
かなりの数の曲目をアップしているので、こちらに行けばよりどりみどりで様々なものを聞くことができる。
様々な国の言葉で記述があるので、読めないものも当然あるのだが、そこは音楽。
どれかを適当に見繕って聞いてみれば一目瞭然。
それほど難しく考える事はなさそうだ。
演奏を聞いてみると
彼女の演奏の特徴に注目したのは、メリハリの利いたきらびやかな音色。
最近、私がはまっている演奏家にグレン・グールド、マルタ・アルグレッチがいるが、実はこの2人もメリハリの利いたきらびやかな音を奏でる。
グレングールドのストイックさとその変則的な演奏姿勢はとても魅力的だし、アルグレッチの男性顔負けのダイナミックな演奏を聴いてみると惚れ惚れする。
実はこの2人の演奏によく似ていると感じたのが注目するきっかけ。
まだ若くピアニストとしては始まったばかりのはずだが、コンサートで様々な場数を踏んでいる彼女の演奏は、驚くほどの風格に満ちているのだ。
論より証拠で、私が気に入ったものを1つ2つ紹介したい。
Liszt - Hungarian Rhapsody No 2 played by Anastasia Huppmann
この曲は言わずと知れたリストの名曲。
“ハンガリアン狂詩曲第2番”としてあまりに有名だが、この演奏から東欧の吹き渡る風を感じやしないか。
情景が思い浮かべられることが私の中では良い演奏の基準になるので。
そして、これは彼女のYouTubeサイトからアップしているので、彼女がどのように演奏しているのかその表情なども克明に読み取ることができる。
単にピアノ演奏をアップしているだけではなく、“パフォーマーとしての自分がどのように表現しているのか見て欲しい!”
そのような思惑がひしひしと伝わってくる。
Frederic Chopin Fantaisie Impromptu in C sharp minor, Op 66
こちらはショパンの幻想即興曲。
様々なものを聴き比べてみたが、彼女は基本的にショパン弾きと言えるだろう。
ショパンを演奏するときの、この伝わってくる情熱とか熱意とか、それが誇張されることなく自然と表現されているところが、彼女はショパン向きの演奏家と言えるのではないか。
プロの演奏がどれほどのものなのかを如実に表している演奏。
コンサート会場は見たところ、どれも決して大きくは無いのだが、これはリストやショパンの時代もこのような規模の演奏会で彼らは腕前を披露していた。
マイクなどを使わずに単独の楽器が部屋の隅々にまで音が届くような規模で演奏をする。
このような音楽スタイルは、今のように電気などの倍力装置が発明される前は主流としての形だろう。
素敵だなと思うのは、生の音を直接聞くことができて、しかも距離が近いから 演奏家の息遣いもその場所では感じることができるのではないか。
音楽の望ましい鑑賞の形が、こういった昔ながらのスタイルだと改めて実感する。
ただし、現在では、このように演奏会場にまで出向いていける事はなかなか限られた人数なので、“YouTube”や“CD”など、最新の伝達方法を利用するしかないのは致し方ない。
しかしながら、YouTubeの画像を見る限りでは、彼女自身の容姿も相まって、演奏はとりわけ魅力的に見える。
様々なピアノを自在に弾きこなす
ピアニストとピアノはある意味セットのようなもの。
ピアノの仕組みについてピアニストたちは、それぞれが驚くほどのこだわりを持っていて、あの有名な“ウラジミールホロビッツ”は自分が所有している“スタインウェイ”のピアノ以外は演奏しなかったのだ。
ホロビッツは演奏会の依頼があってそれを引き受けたときには、彼の家のピアノも同じように移動した。
つまりホロビッツに演奏依頼をしたならば、彼の愛用のピアノも同時に運んで来なければいけなかった。
それでも、世界中の国々から彼の演奏は引く手あまたで、あちこちの国に運ばれたようだ。
さて若きピアニストフプマンはYouTubeの画像を確認すると、自分自身のお気に入りのピアノと言うものを持っていない気がする。
様々なピアノメーカーのピアノを普通に弾いているのだ。
最初に見たのは、イタリアの「ファツィオリ」
こちらのピアノメーカーの歴史はとても浅い。
1981年に家具職人だった創業者が、あちこちの会社からピアノの職人をヘッドハンティングして作った会社。
作り方にこだわりがあるらしく、最高級モデルは日本円で2000万円を超えるようだ。
そしてこの会社の特許として、4番ペダルがあるらしい。
普通、ピアノのペダルは3本だが、4番目のペダルを作ることでpp(ピアニィッシモ )の音をより出しやすくなったと言われている。
フプマンの演奏ではこのピアノをよく見かける。
次に見かけるピアノはドイツ製 「アウグストフェルスター」
こちらも伝統のピアノメーカー。
ドイツはスタインウェイが有名だが、他にも数々のピアノ作っているメーカーがある。
ただしどのピアノメーカーもこだわりの作り方をしているので年間の生産台数は少ないものだとせいぜい年間100台。
多いものでも200台ほど。
かつてヤマハは1980年頃、年間の生産台数が、約20万台ほど。
とてつもない大量生産と言える。
個人的なことだが、私がおよそ30年勤めた木材会社が私の地元にあったが、そこはヤマハの専属工場で、ピアノの部品の材料を収めていた。
今はもうすでに倒産して久しい。
年間20万台のピアノ生産などありえないこと。
一体誰が買うんだろうと思うことしきり。
子供のために親や祖父母が買うのだろうが、買った子供たちが全員ピアノを練習し続けるわけではない。
途中で投げ出す子供の方が圧倒的に多かったのではないか。
しかし安価な値段で買えるピアノとしてヤマハピアノは間違いなく世界中に席巻したと言える。
まとめ
もし綺麗どころと呼ぶ言葉があればまさに彼女のこと。
他にも美人ピアニストがたくさんいるので、そのうちチャンスを見て演奏が気に入ったならば記事としてアップしてみたい。
彼女の立ち位置が、コンサートピアニストとしての活動。
つまり、数百人規模のコンサートホールで演奏をする。
“YouTube”で上がってくる彼女の映像を見てもオーケストラと共演したときには相応の大人数のコンサートホールで演奏しているが 、普段は演奏するすぐ側に観客がいるような小ホールでの演奏。
映像を見るたびに、素敵だなと思うと同時に、そこで聞いている観客たちに“羨ましさ”さえ感じてしまう。
生の音をリアルタイムでマイクを通さずに聴けるなんて、そう滅多にあるチャンスではない。
果たして日本でもコンサートをやっているのだろうか。
それらしいサイトにたどりつかないので、まだ私の検索が足りないのかもしれない。
しかし“YouTuber”としては多くの視聴者を抱えている。
その気になれば如何様にも自宅でのコンサートで楽しむことができそうだ。