実はこの名前のピアニストは全く存じ上げなかった。
いつものようにYouTubeを検索していてたまたま見つけたのが正直なところ。
既に何人かYouTubeで発見したピアニストはいるのだが、今回見つけた彼女。
カティアブニアティシヴィリは調べてみると驚くほど若い。
1987年生まれでまだ33歳。
生まれはジョージアとあった。
お相撲さんの栃ノ心と同郷。
最初に感じたのは彼女のピアノが奏でる演奏の様子。
ひょっとして誰かに似ていると思ったのがきっかけ。
そのことについていくつかの音源も発見できたので少し比較してみたい。
目次
カティアブニアティシヴィリ
3歳の時からピアノのレッスンを始めたと聞いている。
そしてピアノと同時にバイオリンも完璧にこなせたのだが本人が選んだのはピアノ。
以来母親から勧められたモーツアルトのレクイエムをこよなく愛しながら感性を磨いたようだ。
子供の頃からその天才性は遺憾なく発揮され、途中何度かプロの音楽家にも学んでいる。
デビューが2008年なので今から12年前。
20歳そこそこでプロデビューを果たしているようだ。
現在はフランス在住で活動拠点もどうやら欧米中心のようだが日本でも人気があって何度か来日しているようだ。
彼女自身はピアノは音楽の孤独の象徴と発言しており、演奏形態はどのようにして自己表現できるかそこに主眼点を置く。
調べてみると彼女の演奏は賛否両論があるようだ。
一言で言えば彼女の演奏は激しさが際立っている。
そして驚くほどの速いテンポで弾くので、たまにミスタッチもあったりするようだ。
それでも自分を表現するスタイルはこれだと主張を曲げる事は無い。
IPO celebrating Maestro Mehta's 80th birthday - Khatia Buniatishvili - 11/4/16
言わずと知れたチャイコフスキーの名曲だが、この演奏の仕方はひょっとしたら誰かに似てるようなと思ったのが彼女に注目するきっかけになった。
どちらかと言えば少しテンポが速いが、驚くほどメリハリの効いた演奏。
これが彼女の持ち味のようだ。
マルタアルゲリッチとの共通点
おそらく今でも世界のトップレベルのピアニストの1人と言える
マルタアルゲリッチ。
彼女の天才性も異論の挟む余地がない。
彼女の演奏を聞いてみても極めて速いテンポで演奏することと同時に、驚くほどのメリハリが効いている。
一つ一つの音が確実に打鍵されていてきっちりと奏でられている。
彼女もわずか2〜3歳からピアノを始めたのだ。
何度か結婚をしてお子さんも3人いるが、長女がピアニストになりたいと言った時に、彼女の最初の夫だった父親が、どんなに頑張っても逆立ちしてもお母さんを超えることはできないからやめておけと止めたようだ。
若い頃から音楽仲間からもアルゲリッチの天才性は有名だったと聞いている。
とにかく驚くほどの記憶力と、卓抜したテクニック。
そしてそれは鉄の訓練から生み出されるものではないと聞いた。
なんとなく演奏できてしまうのが彼女の持ち味。
さて今回のブニアティシヴィリとの共通点だが、
2人とも想像を絶するほど語学に堪能。
2人ともバイリンガルなんてものではない。
ブニアティシヴィリが五ケ国語を話すのに対して、
アルゲリッチは軽くそれ以上と聞いた。
英語フランス語ドイツ語スペイン語イタリア語それ以外にも複数の言語を自由に操れるのが彼女たちの特徴。
彼女たちを天才と呼ぶ所以もその辺にありそう。
自分の演奏にしっかりとしたポリシーを持っている
演奏は自己表現の1つの手段なので、ピアノの演奏以外にも様々な媒体を用いて音楽活動を行っている。
モデルもその一つ。
これだけのスタイルと美貌である。
しかもフランスのお国柄を考えれば、様々なオファーがあるのもうなずけるもの。
Khatia Buniatishvili - Schubert - Behind the Scenes
ピアノ演奏しているのはもちろん彼女。
しかし画面の中でモデルとして振る舞っているのも彼女本人。
フランスらしいおしゃれなアレンジだろう。
曲はどうやらシューベルトを演奏している。
このような活動を通して彼女は自分自身を表現しようとしているのだ。
また他の女流ピアニストと連弾のコラボも行っている。
Khatia Buniatishvili, Yuja Wang - Brahms, Hungarian Dance No. 1
ユジャワンとのコラボ。
天才2人の演奏って印象かな。
ユジャワンのピアニストとしての才能も驚愕のものがある。
彼女のジャズテイストのトルコ行進曲を聞いたことがあるだろうか。
いちど機会があったらきちんと取り上げてみたい。
ユジャワンもカティアブニアティシヴィリと同様、自分自身のビジュアルを演奏スタイルに取り入れている数少ないピアニスト。
彼女たちの演奏会での姿を見た会場の聴衆たちは思わず叫び声をあげるほど感嘆する。
それぐらい、女子力を前面に出している。
まとめ
彼女は調べてみると政治的なポリシーもしっかりと思っていて、現在のロシアでは決して演奏会を行わないのだそう。
それは現在のプーチン政権の政治的なスタイルに強い反発心を持っているかららしい。
私が思うには、あまり過激な反応をするとあそこら辺のお国柄だと、場合によっては暗殺されることもあるのではと余計なことを勘ぐってしまう。
とにかくピアニストとしてのキャリアはこれからさらに磨きをかけるのだ。
つまずくことがないように順調な道筋を歩いてもらいたいと思うのは、ある意味親心のようなもの。