いよいよ残り2週となったエール。
つまりあと10話分の物語が語られることに。
今週は、祐一君と池田さん2人が全力投球していたラジオドラマの物語。
この頃になるとGHQの検閲もなくなって、自由に作品を作れるようになったようだ。
しかし、この時代の放送はなんといっても生放送なので、様々な準備を始め多くの制約があったのも事実。
特に俳優たちや、音楽などの準備もさることながら、物語そのものや作曲関係も綱渡りを強いられていた。
目次
生放送のラジオドラマが抱えるジレンマ
自由に作ることが可能になったドラマだが、
池田さんの発案で3カ所の地方のドラマを同時進行で進めようと言うことに。
そのためには3つの物語の登場人物や音楽やまたそれにまつわる様々な準備もあったりして、当時提案を受けたNHKも簡単にはオーケーしなかったようだ。
それでも著名な声優たちを集めて物語は作られようとしたのだが、製作者の意に反して予定していた声優たちが欠席したりすると事態はてんやわんやに。
今でもそうだが放送に穴を開けてしまう事は結構あったりしたんだね。
生放送の設定なのでその場で脚本を書き直して放送に間に合わせるといった綱渡りが何度も続いたらしい。
脚本ができてから音楽を合わせる形になるので、作曲家にかかる負担もかなりのものが。
さらに、楽団員の手配とかやらなければならない事は、かなり多かったと言われている。
君の名は制作秘話
物語を作る上で悩んだあげく、決して出会うことのできない2人を描こうと言う自暴自棄な政策意図。
半ばやけくそで取り組んだ物語だったが、実はこれがとてつもない大ヒットを生むことに。
特に映画化されてからはそのヒットに拍車がかかった。


物語の大人気を受けて、放送が1年延長されたぐらいの大ヒット。
しかし、当時の放送がすべて生放送だったのは知ってはいたけれど想像を絶する苦労だったに違いない。
作曲家古山祐一はその音楽的な才能の全てを駆使して音楽に身を委ねる形で放送文化に貢献し続けてきた。
これはモデルとなった古関裕而さんそのものとも言える。
効果音担当にバナナマン日村くんが登場


朝ドラおじさんで毎週土曜の放送枠を持っている日村君。
彼がラジオドラマ放送のときの効果音担当春日部の役どころで出演。
ちょい役で出るのかなと思っていたが、なんと結構セリフもいっぱいあったし、祐一君との絡みもたくさんあったりして、まるでコントか漫才を見ているような面白さだった。
とにかく生放送と言うのがミソ。
ここをクリアするためにはあらかじめ内容に応じた準備が必要で、実際の音を録画しておいて流すわけにもいかないので全て現場でその場で作り出すことに。
特に、音楽担当の祐一君のアイデアや助けも必要としながら放送をこなしていく。
ドラマとして見る分については面白いことこの上ないが、実際に担当していた人たちから見たら緊張でアップアップだったのでは。
番組の録音ブースの中で、楽団や声優たち、さらに音楽担当の祐一君の側で自ら効果音の道具の前でしっかりと役目を果たしていく。
NHKのこうしたドラマでは当時の様子をしっかり取材して撮影しているので懐かしいと思って見た人も多いかもしれない。
作家池田二郎の底力


この放送作家の底力は半端でない凄まじいものが。
状況に合わせてその場で台本を間に合わせてしまうというとんでもない臨機応変さ。
小説家や作詞家がじっくりと紙とペンで向き合ってと言う状況ではない。
とにかく、間に合わせなければいけないのだ。
それは放送を楽しみに待っている人たちを絶対に裏切らないと言う使命感。
それが神業的な活躍を可能にしていたようだ。
菊田一夫がモデルだが、彼と古関裕而のコンビはこの時代の寵児となって名作を生み出し続けていた。
さて今日の放送の最後の方でいよいよ華ちゃんのナース姿が登場していたね。
この彼女の物語も明日以降詳しく語られることになるはずだ。
以前にもブログで書いたが
彼女お母さんの音ちゃん役二階堂ふみの2歳年下。
とてもそんな年齢差には見えないほど親子としてしっかり役柄が演じられている。
女優の実力が感じられる一面でもある。
この先のストーリーでは、新たな登場人物も出てきそう。
いよいよ物語は最終的な流れに入っていくだろう。