戦争が終わって再び前進しようとするエピソードが本格的に描かれる。
私たちの記憶では戦後V字回復で復興を遂げたと思っているが、実際はそんな生易しいことではなかった。
エールの作者の取材力と制作者たちの心意気を感じる作り。
物語は、再び前進するに至るまでの登場人物の様々な葛藤を描きつつ語られる。
目次
就職できずにいる智彦
日本に復員してからいまだ就職することができずにいる吟ちゃんの夫智彦さん。
昨日のブログで彼の描かれ方を見るにつけ、私的には1番気の毒に感じてしまうと述べた。
彼の戦争中の様々な苦労は今は全て水の泡となって、街では耐え難いバッシングの対象に。
吟ちゃんが必死で支えようとするも、そのことを受け入れられるはずもない智彦。
プライドを全て捨てて再出発するつもりならばと思わないでもないが、命がけでやってきたことを頭から否定されてしまえば、簡単に復活などできるものかと私でも納得しちゃう。
吟ちゃんが夫のことで悩んでいる最中、豊橋では岩城さんがなくなった。
夫を支えるために豊橋には行かなかった吟ちゃん。
今となっては過ぎ去ったこと全てが後悔のタネに。
そんな中、吟ちゃんは音ちゃんに再び歌うことを勧めるのだ。
音楽がトラウマの祐一君
音ちゃんが音楽に向き合おうとしているときに祐一君は、戦争経験の記憶が作曲活動を阻んでいた。
楽譜に向かうと、衝撃の経験がフラッシュバックとなってよみがえってくる。
藤堂先生が目の前で亡くなったこと。
一緒に演奏していた兵隊たちが全員射殺されてしまったこと。
自分は命辛々生き残ったが、その事は祐一君の苦しみのもとになっていたのだ。
楽譜が祐一君の活動をかたくなに拒否し続けていた。
音ちゃん歌うことを再開
吟ちゃんの勧めもあって再び歌うことに向かおうとする音ちゃん。
バンブーで紹介された音楽の先生は本名ベルトーマスと名乗っていたね。
今日の放送で再び二階堂ふみの歌唱が披露されていたが、決してブランクを感じさせない見事な歌いっぷり。
さて、ここでのエピソードで特筆すべきは
かつてのミュージックティーチャー御手洗との再会。
彼はなんと、今は占い師で生計を立てているらしい。
ティーチャー御手洗の占いによればこの次やってくる仕事で大成功するとの事。
再び音楽に向き合わなければならないと占い結果が。
音ちゃんの悩みは深いので、良いアドバイスにはなったが占いなので、当たるも八卦当たらぬも八卦。
そして今日のエピソードで新しい物語の登場人物も登場。
それはほかならぬ華ちゃんを演じる役者
物語の中ではわずか1秒もかからないで簡単に役者の変更が。
15歳中学3年生との設定。
これから高校野球などのエピソードに彼女が深く関わってくると聞いている。
池田二郎の譲らないこだわり
NHKのラジオ放送でとうとう自分の企画が認められた池田さん。
鐘の鳴る丘
この作品の音楽は古山祐一にしか担当できないとの強い思い入れがあってしつこく古山家を訪問。
何度断られても決して諦めようとはしない。
祐一君は僕には書けないと言いつつ、その言葉を遮って言い放つ
戦争の責任を1人で全て負うつもりか?‼️
あたかもそんな事はナンセンスで馬鹿げていると言いたげ。
実際問題としてこのときの戦争責任は実は東京裁判になるものがあってそこで何人かの犠牲者が出ている。
総理大臣を務めたこともある東條英樹など彼らは引責責任の形で絞首刑を受け入れた。
東京裁判は様々な論評があって、はっきり言ってこじつけで行われたようなもの。
戦勝国と呼ばれるアメリカその他の国々の戦争に至ったメンツが保たれることを目的に行われたと言えるだろう。
今振り返ってみても、様々な疑問や問題がはらんでいて、所詮戦争は殺人行為。
どのような理由付けをなされようとも生きるか死ぬかの結果しか得られない。
戦争が終わってすでに2年は経過した頃を描き始めているエール。
ここから物語の後半はいかにして音楽で世の中に元気と励ましを与えられるか、きっちりと描かれるに違いない。