先週の千代ちゃんとヨシヲ君のエピソードを受けて今週は一平君が主役。
彼の身に起こる様々な事柄が描かれる。
彼は父親の初代天海天海をひたすら憎んでいた。
それは自分が愛して止まない母親を追い出したと思い込んでいたから。
そのことに端を発して、鶴亀家庭劇は2代目天海天海を襲名する話が持ち上がる。
父親と同じ名前を名乗ることに激しく反発する一平君。
そのことの顛末を詳しく描いていた。
目次
突然持ち込まれる2代目天海天海襲名
この頃一平君は岡安を出て突然一人暮らしを始めるのだ。
自分が脚本を執筆することが、千代ちゃんがいるためにどうしても気が散って集中できないとの事。
そりゃあ、プロポーズしたばかりだからね。
お互いに相手のことを意識し始めた頃。
しかし、一人暮らしをして静かになると思ったら大間違い。
一平君は父親譲りの女好き。しかも仲間もたくさん集まってくる。
岡安から身の回りの世話を頼まれた千代ちゃんが家を訪ねてみても、すでに劇団員の香里さんがちゃっかり世話をしていた。
それだけでは済まない。
芸者とおぼしき女性人も数人訪ねてきたと思ったら、すぐに劇団員も大挙してやってくる。
もともと賑やかなこと、楽しいことが大好きなメンバーが1つ場所に集まることに何の不都合もない。
そんな中、突然やってくる鶴亀の大山社長。
そこで告げられたのは2代目天海天海襲名をすぐに行うこと。
家庭劇の最初の出し物がすこぶるうまくいったことを受けて、将来を見越しての次なる一手。
どうすればお客さんにアピールできるかそのツボをよく心得ている。
襲名をかたくなに拒む一平君
劇団員たちが皆諸手を挙げて喜んでいる最中に一平君はきっぱりとお断りの意思表示を。
大嫌いな親父の名前を名乗ることなど絶対に御免こうむる。
しかし残された時間は少なく、メンバーたちはなんとしても襲名披露をやり遂げたい。
一平君の母親を探し出して何とか説得してもらおうと。
どうやら居場所を知っているのは千之助兄貴らしい。
何とかがんばって居場所を聞き出した千代ちゃん。
さて、肝心の一平君を何とか連れ出して京都の嵐山にある夕凪という旅館まで赴くことに。
ちょうど玄関のところでお客さんを送り出していた母親の夕さん。
ついにたどり着けた。
一平君をはじめ、周りのものは初代天海天海が夕さんを追い出したと信じていた。
さて実際に会って話をする際は、まず一平君は自分が母親を守れなかったことをお詫びすることから始まる。
一平君の母親夕さんの告白
思いのほかツンデレな対応の夕さん。
頭を下げてひたすら謝る一平君に、
あんたなんもわかってへん
ウチは追い出されたんやない
ウチが男を作って家を飛び出たんや
毎日、あんたの世話をすることなんか、かなわんさかい
その言葉を聞いて驚愕する一平君と千代ちゃん。
さらに追い打ちをかけるように、手切れ金だと称してお金を渡して
二度とこんどいて。
迷惑やさかい
そこで最初に切れたのは千代ちゃん。
顔をくしゃくしゃにして泣きじゃくりながら夕さんに殴りかかる。
その結果返り討ちに合うんだけど
2人がつかみ合いの喧嘩を始めたところで腹をかかえて大笑いしている一平君がいた。
自分が間違いないと思っていた記憶は実はとんでもない間逆の結果だったと。
そのことを思うと、
情けないよりもびっくりよりも心から愉快極まりないと。
どうやらここで喜劇の本質にひらめきを感じたのかも。
この衝撃のやり取りで一平君はいやがおうでも自分の記憶や経験やらをリセットできた。
しかし、その衝撃の凄まじさで役者を辞めようとまで思い詰める。
だが、物語は巧みに進んでいく。
それはほかならぬ父親天海がたどった道でもあった。
父親は自分の息子を守るために嘘をつき通した挙句、そのことを決して明かすことなく若くして亡くなった。
そのことを、千代ちゃんから詳しく説明されて、初めて千代ちゃんの優しさを身に染みて感じる。
2人が結ばれた瞬間。
お互い子供の頃から辛く厳しい人生を歩んできた2人。
その記憶がリセットされてこれから2人で力を合わせて新しい芝居を作ろうと決意を新たにするのだ。
一平と千代の愛のメモリー
ついに迎えた2代目天海天海襲名披露。
大勢が集まった舞台の上で巧みに笑いを取る口上を操る一平君。
心がこもるだけではなく、周りへのいたわりや、何よりも感謝の気持ちがいたるところに溢れていた。
そのことに心の底から感動していたのは千之助兄貴。
初代天海天海の事実をきちんと知っていて硬く口止めされていたことが、今更のように懐かしく感じる。
自分の恩人とも言える天海の息子がこれで晴れて一人前になったことが、何か1つ肩の荷がおりたような気持ちになったのだろう。
舞台上で声をあげて笑う千之助の姿がとても印象的。
一平君と千代ちゃんは舞台上でみんなの祝福を受けながら結婚発表となった。
さて来週の予告編だが、なんとあのチャップリンの姿が出ているではないか。
しかし物語の中心をなすのは千之助兄貴と、たもとを別った須賀廼家万太郎のエピソードが詳しく描かれるようだ。
このドラマは家庭劇なんて題名をつけておきながら、驚くほどドラマチック。