この時代の日本、長く続けてきた鎖国を解放しなければいけない必要に迫られる。
それは黒船来航による圧力が日に日に増していった。
栄一が商いを学びつつある頃、血洗島では岡部藩より度重なる年貢の徴収に悩みを深めていた。
番組の中での描かれ方を見ていると、ヤクザが上納金を巻き上げるような悪辣さを感じる。
武家社会と一般庶民との決定的な身分の差が若き渋沢栄一を悩ませることに。
目次
藍農家の結束
物語はこの時代の風習などを詳しく描いている。
農村地帯では収穫が終わった後は祭りがあったり、またそれとは別に名主が自分の所の子街の農家たちを集めてねぎらいの宴会を催したりしていたようだ。
やはり、どんな時代でも様々な役割の人たちは持ちつ持たれつで成り立っている。
今年は栄一が商いに本格的に参画していることもあってねぎらいの宴会は彼が仕切ることに。
栄一が取った方法は藍農家を相撲の番付に見立ててランク付けすること。
上手にやらなければ農家の反発を招きかねない方法だが、たまたま今回はみんなの笑いをとることで納得してもらえたようだ。
農家は誰もが同じ能力で作付しているわけではない。
上手な人もいればベテランもいて、当然不慣れなものだって中には。
農家同士のノウハウの交流もどうやら行われていたようで。
そういったこと全てを踏まえての番付によるランク付け。
こうして農家は結束を高め、暮らし向きの向上を図っていたようだ。
徳川幕府は13代将軍のみぎり
物語の中で描かれる徳川慶喜はどうやら多少偏屈者の描き方。
彼を諫める目的で小姓として側に上がったのが平岡円四郎。
実は彼は喜寿よりも一回りも年上だったとされている。
はっきり言って細かい作法などまるで身に付いておらず、将軍から身の回りの世話のやり方を教えてもらう有様。
破天荒とも言える平岡だったが、実はこの天衣無謀さこそが側近として選ばれた理由でもあったようだ。
この平岡の取り立てによって渋沢栄一は一橋家に仕官することができた。
おそらく今後の青天を衝けではちょくちょく出てくる顔になりそう。
岡部藩で常態化していた年貢徴収
岡部藩に限らず、どこの藩であってもこのような上納金の取り立てはあったと記憶。
藩内のおもだった名主たちが集められ、その規模に基づいて上納金を課せられる。
よほどのことがあっても逆らうことなど許されず、言われるがままにまとまったお金を収めねばならない。
番組の描かれ方を見ていて、まるでヤクザか何かの取り立てのようにも感じた。
今日のストーリーの中では栄一は父親の名代として参加している。
ただ、単純に承るだけとの話だったが、話を聞いてみたらとても納得できるような事でもなさそう。
一本気な栄一はこともあろうに代官に逆らうことに。
結局は父親にさとされてお金を納めることになった渋沢家。
500両が一体どれほどの金額なのか、今日の物語の中で詳しく語られていた。
物語で描かれているのはまさに搾取そのもの。
封建社会の末期に位置するこの時代。
もし農家の実力以上の金品を要求されれば、すなわち農民たちは生きていけないことにもなる。
時代の変換期
この時代はまだ13代将軍なので、彼は一橋慶喜。
13代将軍は若くして亡くなり、14代も同様に亡くなってしまうのだ。
時代はまだ1855年過ぎくらい。
大政奉還が1867年なので、あと10年以内に時代は大きく転換していく。
一橋慶喜が15代将軍に即位するのも大政奉還の当年。
1月に将軍に即位して11月の中過ぎに大政奉還を決めている。
そして翌年は明治維新となる。
彼の名前は日本の近代史の中でもかなり有名だが、将軍としてはわずか1年間だけの在位期間となっている。
物語はちょうどその10年ほど前からの時代の変遷を描く形。
埼玉の血洗島の1地方と、江戸幕府の日本中枢の様子が対比される形で描かれる。
様々な人たちが登場するが、歴史的にはほぼ全員が実在の人物。
物語として詳しく描いているので、知らない人たちが圧倒的に多いのだが。
時代の移り変わりをもう一度学ぶ点では、教材がわりになるとも言える物語。
明治維新時期の日本の著名人の中では渋沢栄一の名は外すことができない。
これからの物語展開に大いに期待するところ。