くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

青天を衝け 尊王攘夷は呪いの言葉

 

先週のエピソードで平岡円四郎が暗殺されるとんでもない事態に。

この時代の事実をそのまま踏襲しつつ物語は作られている。

円四郎を襲ったのは他ならぬ水戸藩の浪士。

京都で新選組の池田屋事件の顛末を一橋慶喜の画策と思った水戸藩では、慶喜の側近の平岡円四郎がそそのかしたと邪推する者が。

過激な浪士たちはついに行動を起こして京都で円四郎を暗殺。

暗殺した2人はその場に居合わせた円四郎の側近川村恵十郎に切り殺されるのだが。

しかし、

当時尊王攘夷の言葉は一橋慶喜をして呪いの言葉になり果てたと言わしめた。

皆、出来もしない尊王攘夷の言葉に踊らされて、過激な行動をとった挙句、命を散らしてしまうことも多かったのだ。

今日のエピソードは円四郎亡き後の禁門の変など大政奉還に至るわずか数年前のことが描かれる。

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円四郎死亡の情報はリアルタイムでは伝わらない

目次

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平岡円四郎の死 その波紋

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なぜ水戸藩が円四郎を暗殺したのか?

現代のように情報がリアルタイムで伝わらないことがどれだけ不幸なことかと物語を見て改めて実感する。

平岡円四郎の死は京都から江戸や水戸などに伝わるのには相応の時間を必要とした。

篤太夫も成一郎も京都に戻る途中で初めて事実を知ることになるのだ。

一橋慶喜は篤太夫たちにたずねる

なぜ円四郎が殺されたかわかるか?

わかりかねますと篤太夫。

私の身代わりになったのだと慶喜。

平岡円四郎を慶喜の側近に取り立てたのは他ならぬ三戸烈公斉昭。

その烈公の思いを継いでいると公言してはばからない連中が円四郎を暗殺したのだ。 

情報が正しく伝わらない時代では、これだけ複雑にそれぞれの思いが入り組めば、時代は疑心暗鬼の中、不幸な出来事も多かったと伝わる。

篤太夫と成一郎の凱旋

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京都へ戻る途中に血洗島の近くを通過

岡部藩を通過するときに 代官に足止めを食う一橋家一行。

百姓出身の渋沢と名乗る者を置いて行けと。

かつてないピンチに思われたが、一橋家の家老が岡部藩の申し出を1蹴。

有無を言わさぬ拒否権でその場を切り抜ける。

血洗島のそばを通過したときに篤太夫たちは久しぶりに家族と落ち合うことができた。

志ある行動とは言え、家族が離れ離れで暮らすのには若い2人にとっては辛く切ないこと。

しかし、いくら一橋家とは言え、他藩を通過するにはそれなりの配慮が必要だったようだ。 

禁門の変

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一橋慶喜自ら出陣

この頃、

長州藩は尊王攘夷の思想をさらに押し進めるべく、また幕府を転覆させようと企んでいた。

そのための実践として京都に軍を進めたのだ。

事態を回避するためには軍事衝突もやむを得ないと判断。

天皇から勅命を受けた慶喜は自ら軍を率いて長州藩を迎え撃つことに。

この事変を禁門の変と呼んでいる。

昔から京都は戦乱の絶える時期は少なかったが、江戸時代は比較的平穏無事だったと伝わる。

禁門の変は久しぶりの内覧となった。

京都を守る慶喜の軍勢は、残念ながら長州軍に歯がたたない。

長く戦の経験もなく、また一橋家そのものがそれほど多くの軍勢を抱えていたわけではなかったので。

当時、外様大名の中でも有数の軍事力を保持していた長州藩は簡単に京都にまで軍勢を推し進めてくることになる。

さらには京都御所へ向けて発砲する始末。

一橋慶喜の逆鱗に触れることにもなる。

薩摩藩西郷吉之助の活躍

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長州征伐のために薩摩藩が手を貸してくれる

一橋の軍勢が苦戦をする中、手を差し伸べてくれたのが薩摩藩の西郷吉之助。

彼も政治家としては敏腕なところがあって、どちらに加担すれば自分たちの利益が1番多くなるかを常に考えていたようだ。

倒幕のためにこの後一旦は敵となった長州藩と手を結ぶことになる薩摩藩。

薩長連合と呼ばれているのだが。

長州藩はこの時後の明治政府で大きな役割を果たす2人の藩士たちを輩出している。

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伊藤博文と井上馨 歴史にも出てくる超有名人

演じている2人の俳優が有名なのでむしろそちらのほうに目がいってしまうかも。

今日のドラマの中で数分間の出演だったが、伊藤博文を演じていた山崎育三郎の英語の達者だったこと。

後の明治政府の重鎮2人がどのようにして活躍していたのかが理解できる。

天狗党征伐

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記念撮影ではみんな仲良しだわ

この当時あちこちで内乱が勃発していた。

水戸藩の天狗党はその中でもかなり有名な事件として知られる。

もともとは水戸藩主徳川斉昭の思想を受け継いだ形になっていたのだが。

それがすなわち尊王攘夷

しかし、現実問題として攘夷など不可能なことを一橋慶喜などはよく理解していた。

そうは言っても周りにいる者たちはその正しい情報をきちんと把握できていない。

どうしても自分たちの思想を貫かなければ気がすまなかった。

天狗党は水戸藩にとっても徳川幕府にとっても反乱軍とみなされた。

少しずつ勢力を弱めその活動の範囲も奪われることに。

そんな中天狗党がとった行動は京都まで赴いて、一橋慶喜に直接訴え出ること。

そのことを察知した慶喜は自分の故郷水戸藩と徳川幕府との間で大いに悩まざるを得なかったのだ。

慶喜は結局のところ幕府を守る方へ傾く。

彼にとって天狗党は排除すべき賊軍でしかなかったようだ。

物語の流れを見ても私が知っている一橋慶喜の知られざる歴史の部分が大いに詳しく語られていたような。

私の印象としては一橋慶喜は徳川幕府の最後の将軍として大政奉還を実行した人くらいの認識しかない。

しかし徳川幕府の一員として、これだけ忙しくまた懸命に働いていたことを青天を衝けで知ることに。

この時代の流れを描けば、もう誰が主人公なのかも定かではなくなる気が。

明治になってから渋沢栄一は大活躍をすることになるが、そのことを考えると明治維新のこの頃の事はもうそろそろ結論が出てきそう。