いよいよ幕末は尊皇攘夷の機運が高まり、押さえ込もうとする幕府側と攘夷派が激しく対立する事態が起きていた。
幕府の大老井伊直弼は、後に安政の大獄と呼ばれる大弾圧を開始していた。
過酷を極めた弾圧では多くの有能な知識人や武士たちが粛清され命を落とすことに。
物語ではこの辺のいきさつも先週の流れからその経緯が詳しく語られている。
しかし、この安政の大獄は桜田門外の変でついに幕引きとなる。
井伊直弼は早朝登城途中で襲撃を受け、惨殺される。
今日はその辺のいきさつが詳しく語られることに。
目次
江戸のブームは尊皇攘夷
この時代の江戸幕府は大いに揺れ動いていた。
開国して黒船を受け入れて交易をしようとする推進派と、あくまでも異国を排除する尊王攘夷の考え方が真っ向から対立することに。
この時、幕府の最高指導者となったのが大老井伊直弼。
彼が採用されるいきさつも先週の物語で詳しく語られていたが、彼は初代井伊直政の時代から、徳川家の筆頭家老としてその知名度も信頼度も有名。
彼は、幕府に批判的な勢力をことごとく弾圧することで政治手腕を発揮した。
それには、幕府が周りから批判を受けるようなことをやらざるを得なかった経緯がある。
アメリカなどから厳しく条約締結を迫られたあげく、朝廷の許可なしで勝手に条約を結んでしまう。
そして報告もおざなりで通りいっぺんだった。
そのことを激しく責められていたのだ。
実際問題としては、水戸藩の過激な武士たちが外人を襲うなどのテロリズムが横行していた。
当時これらの事件は幕府にとっては頭の痛い問題だったようだ。
結果としては話し合いなどする余地はなく、弾圧するしかなかったようだ。
安政の大獄
幕府内で政権を批判する勢力はことごとく排除されることに。
さらに、水戸藩の徳川斉昭は江戸城から永久追放。
一橋慶喜も自宅謹慎を厳しく言い渡された。
尊皇攘夷派の勢力は中心となるべき勢力を排除されることで、より運動は過激さを増すことに。
有名な事件では橋本佐内、吉田松陰などは斬首された。
このような激しい弾圧は、尊皇攘夷派のさらなる怒りを買うところとなって、弾圧の最高責任者とされる井伊直弼の暗殺が計画されることに。
桜田門外の変
今日の物語の中でその時の様子が詳しく語られていた。
最初に放たれたのは拳銃。
井伊直弼は籠の中にいながら、射殺されたと思われる。
ただし、直ちに絶命したわけではなさそうだ。
その後刀で刺し殺されることに。
最終的にはその場で首を切り落とされて暗殺は終わった。
井伊直弼はこのときの幕府への批判を一手に引き受けた感がある。
年齢を調べてみてわかったのだが、この当時まだ45歳。
働き盛りだったはずだ。
芸術的なことに造詣が深かった彼は政治的なことよりも歌舞音曲に興じていたほうがはるかに居心地が良かったはず。
しかし、身辺の不穏な動きは周りからの進言をまともには取り合うことなく、反対派の刃に倒れることになる。
渋沢栄一が血気盛んだった頃
この時代の渋沢栄一は尊王攘夷に大いに傾注していたことが記録にも残っている。
世の中に大きな疑問を抱いていた彼にとって、江戸幕府の現状は到底許せるものではなかったようだ。
実は今日の青天を衝けを見ていて感じたのだが、この物語の主人公は一体誰なのかと素朴な疑問。
歴史的にも大きく動いた時代を描いているので誰かを主人公にして物語を作るには、渋沢栄一の存在がそれほど注目されるには至らない。
どうしても一橋慶喜や、対立する井伊直弼などを中心に据えてストーリーを組み立てるしかなさそうだ。
描かれている背景も江戸と血洗村ではあまりに温度差がありすぎる。
史実をきちんと追っているのでやむを得ないと言えばそれまでだが。
この物語はまだ始まったばかり。
まだ渋沢栄一と一橋慶喜は出会ってさえいないのだ。
これからやってくる数年間で、物語の中心となるエピソードが現れる。