父耕治は名目は娘を連れ返すことだったけれど、正直な気持ちとしては娘ときちんと向き合いたかった。
登米にやってきて、わずかな時間一緒にいて娘の過ごし方を見ていて納得できる部分があったのでは。
今日のおかえりモネは日曜日であるにもかかわらず林間学校の対応で仕事をしている娘の様子を眺めながら、親として納得できるものを探して帰っていく父の姿が描かれた。
エピソードは屈託のない日常を描いているが、物語の奥では父と子の絆がいかほどのものなのかを表していたような。
亀島を出るときのいきさつも再び登場。
モネちゃん曰く
何かやりたいことがあるわけではない
今すぐこの島を離れたい
家族は娘の発したこの言葉の意味をずっと探していたのかも。
目次
生き生きとした娘の姿を見て納得
地元の小学生相手に木材についての様々なことを説明する。
基本的に木は育つまでに相当な年数を要する。
一般的な流れとしては植林をしてから様々な世話をして最後に伐採をしてそこから木材として生かされていく。
それらのことを映像を用いながら課長が主として説明。
地元の産業の事でもあるから、生徒たちも大いに興味が湧くだろうなと。
特に木材産業の裾野はとても広い。
単なる木工製品以外でも様々な用いられ方をしている。
木材としてみても最小の単位だと箸とかが挙げられるのでは 。
割り箸なども木工製品になるが、あれだけ小さいものを作るためには通常の採材作業で出てくる派材を使って作ることになる。
昔、森林保護のために割り箸を使うのをやめようと言う運動が流行ったことがあるが、典型的な素人考え。
割り箸のような製品にまでして利用することこそ森林資源の保護になる。
木材は基本的に歩留まりの悪い産業。
丸っこい曲がりくねった形から四角いものを取り出すわけだから必ず派材が出てくる。
ここでの歩留まりが木材産業の要とも言えるので、歩留まりを上げるためには端くれの隅々に至るまで利用できる要素を残しておくことが大切。
割り箸等はその最たるもの。
はるか昔からこんな事はよく知っていたが、一般の人たちってほとんど知らなかっただろうな。
林間学校
実際に歴史的遺産を訪ねて講義を受ければそりゃみになるよね。
学校で言うところの社会見学授業になるのでは。
実際に出来上がった製品を見るわけだから、感慨もひとしお。
住んでいる地域にこういった見学対象となる建物なり施設なり残っているのはとても素敵なことだと考える。
さらに自分の両親が働いている姿を見せるのは子供にとって何よりも貴重な体験になるはず。
私の住んでいる田舎だと農作業の見学とかがあると聞いた。
今ではほとんど機械化されているので、昔のような手作業でやる事はほとんどなくなったが。
例えばハウス内で作業することなど、実際にハウスの中に入ってみると、中の温度とか湿度とかまた育っている作物の様子とかが如実にわかることになる。
空気感ってとても大切。
まず気温、そして臭いとか。
おそらく言葉以上の説得力があると思うよね。
あと物語の中で語られていた食事の風景。


地元の伝統料理を食べることもおそらく半端でなく説得力がある。
飲んだり食べたりは生きるための最も基本的な行為。
勉強する中でこういったことを学べることこそ一番値打ちのあることだと考えるね。
後は、アメリカあたりではごく普通に行われることだけど、お金を持っていて買い物をするときの方法。
買物かごでスーパーで買い物をすることとは訳が違う。
売り手と買い手でやりとりをしながら値段を決めて買い物をする。
つまり値段は相談の上、おのずと決まっていく。
アメリカでは小学校の低学年からこのような教育をしていて、子供たちは自分の持っている金額の中からどの項目にどれだけのお金を使わなければならないかをきちんと学ぶシステムがあるらしいのだ。
日本ではどうだろう?
少なくとも私はそんなことを習った記憶は無い。
子供たちの教育の中では、こういった生活力を養うことをきちんと科目を決めて学ばせて欲しいもの。
微分積分など、世の中ではほぼ役に立たないので。
勉強するなとは言わないが(テストで点を取るためには必要らしいので)、もっと生活に即した勉強をきちんと取り入れたほうが絶対子供のためになるのでは。
週1度やってくる診療所の菅波先生
坂口健太郎扮する診療所の先生 。
週に1度東京からやってきてこの診療所で医者を務めているようだ。
ドラマの中で語られていたモネちゃんとの会話。
先生 ここにきたくないって顔に書いてあります。
やっぱりわかりますか?
正直な性格なもので。
どういういきさつで診療所の先生になったかはまだ語られずじまいだけれど、この先生実は東京で先輩かあるいは上司とも言うべき医者の存在が出演者の中にアップされている。
つまりこれからのこのドラマの中で重要な役割を果たしていくんだろうなと。
割と愛想のない印象で描かれてはいるけれど、実際の坂口くんはこの撮影スタッフの中ではムードメーカーと聞いた。
様々な気配りができて、周りの俳優やスタッフたちを和ませていると。
不器用な父と娘の絆
最後の方で父親が娘を連れ帰るのを諦めて1人帰っていくシーンが描かれていた。
どうしても連れ戻そうと決めていたわけではなかったことがよくわかる。
モネちゃんがきちんと生活しているかどうかを確認したかった。


かなり不器用な父親を内野聖陽がのびのびと演じていた。
娘と触れ合えたことで納得できたのかもしれない。
モネちゃんは自分のやるべきことをここで暮らしながらこれからも探していくと宣言していたね。
物語は設定の細部を少しずつ出しながら次々と新しいストーリーに入っていく。
様々な人との交流が物語の全てとも言える。
モネちゃんがこの先どんな風な出会いをしていくのかさらに注目。