ふるさとの亀島に帰ってきて真っ先にしたことが
仏壇の雅代ばあちゃんへのお参り。
今日の物語は初盆の様子が詳しく描かれていた。
ドラマの描き方として、昔からの風習を隅々まできちんと調査してその様子を物語に取り入れるところはとても好感が持てる。
様々な宗教行事は、私の長年やってるボランティアのこともあってそれなりに詳しいつもりでいたが、今回ドラマで描かれた様子は初めて見るものなど多くとても興味深く感じた。
まず最初に設置されたお盆用の祭壇の立派なこと。
普通のご家庭ではせいぜい盆ちょうちんを出す程度ではなかろうか。
今は迎え火をするところも少なくなったと思う。
近所で見かけることもないので。
さらに迎え火をする時の子供たちの呪文のようなおまじない。
この地方独特とは言っていたが、初めて聞く内容で何度か聞き直してみるとどうやらこの世に残っている者たちの無病息災を願っているような。
大勢の人たちが集まって繰り広げられるドラマはとてもローカル色に溢れていてドラマであることも忘れてしまいそうだった。
目次
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組手什大活躍
物語が始まった早々からお盆の法要のための準備その他が詳しく描かれていた。
大抵どこでもそうだけれど、祭壇はいつも置いているわけではないので時期になると持ち出して組み立てる格好になるが、今回はたまたま破損してしまったので急遽新しく作り直すことになった。
そこで活躍したのが
モネちゃんが登米から持ち帰ったお土産の組手什。
パーツなので長さを切ってはめ込む形でどんなものにも利用可能。
祭壇を飾りつける方法なども詳しく描かれていたので、初めて見る人も多かったのでは。
お盆の祭壇は施餓鬼壇だね
個人のお宅でこれだけ立派に荘厳するのはかなり少数派だと思う。
私の記憶の中では、このやり方は真言宗に伝わる施餓鬼供養。
施餓鬼壇をしつらえて、通常は餓鬼界に落ちた亡者たちを供養するためのものだが、この法要はそのまま先祖供養する法要として変化してきた経緯がある。


この時子供たちが唱えていた呪文も初めて聞くものだったと。
体のどこも痛くならないように
確かそんな内容で1人ずつ唱えていたような気がした。
こちらが迎え火なら、送り火に相当するものは京都の大文字焼き。
京都では8月16日に五山送り火として5カ所の山々で盛大な焚き火が焚かれる。
たまたまよく知られるのが大文字焼きで、他にも4カ所ほど同じような行事が行われている。
全部で5カ所。
お盆にこの世に招聘した精霊たちをあの世に送るための行事とされている。
さて物語の中の法要はおばあちゃんをお迎えするためのもの
ちなみにお坊さんを演じていたのはもちろん役者さんだけれど、法要の最中にお唱えしていたのは真言宗でよく用いられる光明真言。
きちんと作法を学んだものでなければほぼ耳にする事はないだろう。
オン アボキャ ベイロシャノウ…。
本来この呪文は極秘として明かされないはずのものだが、今は映画などで使われたこともあったりしてこれ以外の呪文も合わせて結構耳にすることも。
このほかにも不動明王の真言とかがよく使われるような気がする。
この呪文の唱え方でお坊さん役の役者さんがどれほどの役者なのかよくわかる。
サンスクリット語の呪文なので心を込めて感情込めてやると大抵それっぽく聞こえない。
これは心に何のわだかまりもなくすらすらと唱えるとそれっぽく聞こえるのがとても不思議。
島の人たちがみんな集まって法要


法要が終わった後はお酒や食事なども振る舞われて直会(なおらい)が始まる。
ここまでくれば後は世間話のみになるので、こういった楽しい時間を過ごすことが故人への供養と受け止められるんだよね。
ドラマなのでナレーションでおばあちゃん役の竹下景子が今回から私もご先祖の仲間入りと語っていた。
行事の内容を何のわだかまりもなく描けていたなと私にはとても素敵に思えたもの。
ここで、物語の進行上こちらのお坊さんはこれからも登場することになりそう。
実はこちらのお寺には跡取り息子がいるのだが、どうも若干問題がありそうな雰囲気。
お寺のお坊さんになるような雰囲気には見えなかったよね。
セリフではかくまってくれとあったね。
何から逃げてるんだろう?
今は離れ離れの友達も一堂に集結


送り火を囲んで皆が呪文をそれぞれ唱えるシーンがとても興味深かったね。
何種類かの虫の名前と後はお願い事のような。
19歳の夏、皆高校卒業した年なのでそれぞれ別々の道を進んでいる設定になる。
当然のことのように昔話と、現状報告が中心になる。
若者たちの事なので恋愛話なんかも当然出てくるわいな。
やっぱり、都会に出た子たちは女子ならそれなりにお化粧をして、彼氏ができたとか彼女ができたとか。
そういったことで過ぎる時間はこの上もなく楽しいだろう。
おかえりモネでは印象として主役のセリフがびっくりするほど少なめだよね。
主役以外の人たちがたっぷり話していて、肝心のモネちゃんは聞き役に回っていることが多いような。
こんなキャラクター設定は、今までとは全く別な描かれ方で、作品がとても叙情的に作られていると感じる。
主役の清原伽耶の女優としての持ち味がこの辺にも発揮されているのかなと感じている。