くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

おかえりモネ1週間振り返り 里帰りしてわかる故郷が受けた試練

 

今週はお盆休みを利用して故郷に帰省するモネちゃんの様子が描かれる。

亡くなった雅代ばあちゃんの初盆。

故郷亀島のお弔いの儀式は昔から伝わる伝統ある風習。

またお盆のお参りに近所の人たちがみんな参加するのもずいぶん丁寧な風習だと感じる。

永浦家の家族の様子。

そして昔からの同級生。

懐かしい面々と再会して昔話に花が咲く。

話が弾んだついでに、特に仲の良かった6人はそのまま永浦家にお泊まり。

皆それぞれ明るく屈託なく振る舞ってはいるが、3年前の大震災でそれぞれが大きく傷つき苦しめられた。

地震のことを思い出すと、どうしてもその時の思いが先に立って心に傷を持ったままの人たちも多い。

そんな中、

モネちゃんの未知ちゃんは将来を見据えて牡蠣養殖業の種牡蠣作りに真剣に取り組んでいた

エピソードは仕事に真剣に取り組む若者と大人たちの気持ちのぶつかり合いを描いていた。

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真心を込めて祈る 故郷の皆の気持ちはここだけは同じ

目次

故郷は亀島

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かつての仲間たち みんな屈託ないね

おかえりモネは物語が始まった頃から謎の部分が多いままだった気がするが、それらのいくつかの疑問に答える形でストーリーは描かれていたように思う。

この物語の根底にあるのはあの2011年の東日本大震災 。

故郷は気仙沼の亀島で、地震の時も尋常でない被害に見舞われた。

そして物語の現在時間が2014年である。

地震から3年後の設定。

まだ復興途中で、被災した人たちはその多くが仮設住宅で過ごしていたと。

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及川新次と息子亮 2人とも古くから永浦家の知り合い

撮影場所は仮設住宅で撮影後に撤去したと聞いた。

地震で受けた被害から何とか生活をもとに戻そうと奮闘努力する人たちと、被害を受けたときから抜け出せない人たちが様々いるのが理解できる。

しかし、若い世代とりわけ10代の子たちにとってはここは紛れもない故郷。

久しぶりに集えば懐かしさでお互い笑みがこぼれる。

お泊まり

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お盆の時期 蚊帳と一緒に必需品

お盆の法要では近所の人たちも集まって丁寧に行われていた。

特に、細かく取材しただろう様々な行事の内容はどれも目新しく、物語を重厚にしていたと思う。

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丁寧に荘厳された盆棚

下段には雅代ばあちゃんの遺影とお供え物が。

陰膳も備えて丁寧なことこのうえもなし。

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お盆の最後の行事盆舟流しに使われる手作りの盆舟

モネちゃんの仲間たちは迎え火を炊いた当日話が弾んでみんなお泊まりをすることに。

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この時唱えていた謎の呪文がとてもユニーク

みんな仲良くって屈託ないけれどやっぱり地震の時の事はおのずと控えめな表現になり、なるべく触れないような配慮がなされていたね。

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聞かれて答えにくい問いには寝たふりを…

19歳の多感な年頃の子たちがそれぞれに新しい人生を歩み始めている。

そんな様子を恋バナを交えながら描く。

もともと主人公が19歳の女の子なので、ドラマの作りとしては若者受けにできているかも。

仲間たちはそれぞれ自身のトラウマを抱えていた

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自分の進むべき道がわからない

地震のときのトラウマはそれぞれが抱えている。

子供のみならず大人たちも同様に傷つき苦しんでいるのだ。

主人公モネちゃんは地震のあった当日ちょうど仙台にいて、数日間故郷に帰れなかった切ない事情があった。

いざ帰ってみると故郷は惨憺たる有様。

何とかして皆を励まさねばと考えて発した言葉は逆に苦しむ人たちを傷つけることにも。

お姉ちゃんは津波見てないもんね…。

ミーちゃんのこの言葉が、モネちゃんのそれからの人生を決めたと言っても過言ではない。

当時、直接津波の被害を目の当たりに見た人たちにとって惨劇は筆舌に尽くしがたい。

それに比べると、当日そこに居合わせなかった人たちには、ある意味災害から逃れてしまったことへの 後ろ暗さがあるのかも。

モネちゃんの様子を見ているとそのことを強く感じる。

彼女の様々な行動はある意味罪滅ぼしなのかも。

種牡蠣生産

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ミーちゃんとおじいちゃんは本気でぶつかり合う

津波の被害を深刻に受け止めたミーちゃんは彼女なりに対策を考える。

牡蠣養殖は一般的には稚貝を買ってそれを育てる養殖業が普通。

気仙沼でもほぼ全ての人が石巻や松島から稚貝を購入。

しかし、今回の津波で壊滅的な打撃を受けて、稚貝の準備ができなくなる有様。

そのことを受けると稚貝の生産も自ら行うのが経営的に最も安定した方法と言える。

自家栽培と呼ばれるやり方で、もちろんそれなりの設備投資と、何よりも経験に裏打ちされたノウハウがあって初めてできること。

ミーちゃんは自由研究の形をとって、種牡蠣生産の可能性を探っていた。

これが今週の物語のメインテーマで、科学的な研究者としての立場から行動しようとするミーちゃんと長年の経験で行動する龍巳じいちゃんは意見が食い違うことも。

そのせいでちょっとした事件が起こってしまうのだ。

その時の家族のやりとりがこの物語の最大のテーマとして描かれた。

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真剣な娘を大人たちは子供扱い

実は、子供扱いしてあしらってしまおうと考えるのは大人たちがよくやるやり方。

指摘されることがあまりに的確なので大人としてもうろたえてしまうのだ。

何よりも震災から3年後のことで、どこも皆経営的にはいっぱいいっぱい。

新しい事業計画などとても手がけられる状況にはない。

そんな中で起こった、おじいちゃんのちょっとした怪我は大きな軋轢を生むことになった。

物語の描き方がとても巧みだったのは、激しいぶつかり合いの後何とかして場を取り繕おうとしてモネちゃんがとっさにみんなの気持ちをそらす行動を。

さらにはミーちゃんがその後すぐに謝る。

ごめんなさい🙇‍♀️

大人たちも子供たちも生きていくために必死だった。

何よりもその必死さが、いさぎよさを伴っていたこと。

感動的な場面だったと。 

ぶつかり合いと和解

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金曜日の朝イチはお母さんがゲスト

朝イチでの 鈴木京香の様々な発言はとても興味深く拝見。

ゲストなので彼女がもともと陸上部で、しかも砲丸投げの選手と聞いてちょっとびっくり。

さらには、当たり前のようにドラマで描かれているシーンが実はアドリブで成り立っていたこともカルチャーショック。

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このシーンの2人のやりとりもアドリブだったらしいね

今週のエピソードで物語の謎の部分にいくつか説明がなされたと感じたね。

おそらくこれからも重要な役どころで登場してくるのは呑んだくれている新次と息子の亮ちん。

そして来週の予告編では、いよいよ本格的に気象予報士を目指す勉強を始めることになりそう。

モネちゃんにとって、誰かの役にたつことがなににもまして大切なことなので。

おかえりモネは健気な少女の物語と言っていいだろうか?

今までの物語でわかってきたのは、彼女3年前の津波の時に故郷にいなかったことをとても苦しく受け止めている。

そしてあたかも自分にとってはそれが罪であるかのようにも感じている。

今やろうとしている勉強はその自分自身への贖罪なのかも。

できることなら、年頃の女の子らしくもっと明るく朗らかににこやかに過ごせても良いだろうにと勝手に思ってしまう。