物語は学徒出陣が始まる昭和18年の秋。
カムカムエヴリバディは物語が始まった頃の明るさは既にどこかに消失。
戦時中を描くとなれば、明るい話題などあろうはずもない。
そんな中、橘家の先代 杵太郎が鬼籍に入る。
大繁盛していたはずの橘菓子司は戦争の影響をまともに受けて、最後は休業状態を余儀なくされていたが、杵太郎は安子に遺言を。
幸せになれ😭
さて、雉真繊維は業務拡張の後 忙しい日々が続いていたが、当主千吉は2人の息子も巻き込んだ仕事の運営に励んでいた。
銀行の頭取の娘と稔の結婚話は仕事同様着々と進んでいたのだ。
昭和18年10月の肌寒い季節の物語。
目次
杵太郎の遺言
今日の物語はおじいちゃんがなくなって1週間後との設定だった。
安子ちゃんとおじいちゃんの2人のやりとりが物語の冒頭で描かれていたが。
今日のエピソードは、この辺からもちょっとウルウルしちゃったね。
最後まで孫には甘かったおじいちゃん。
菓子職人としての自分のアイデンティティーは決して譲らなかった。
それも彼の場合は小豆をどれだけ上手においしいあんこに仕立てられるか。
そこに人生をかけていたようにも感じたね。
この時すでに店を開くことにはなっていなかった。
小豆も砂糖も簡単には手に入らない。
商売道具が手元にないのであれば、手も足も出ないってことだよね。
おじいちゃんの遺言は、切なくはかないものに感じたな。
安子ちゃんが様々な事情を考慮して大好きな人と一緒になることを諦めている。
毎日拷問のように苦しみが続く中でも、決して笑顔を絶やさない。
そんな孫の幸せは、いつぞや家で話を聞いた稔君と一緒になること。
それがまるで叶わない現状を考えれば、涙なしには幸せになれとは言えなかっただろうね。
言われた側の安子ちゃんも、はい分りましたなんてとても返せなかったと思う。
勇ちゃん あんた偉いなぁ😭


学徒出陣を知ったのはおよそ1年前だろうと推察。
その時から毎日神社で稔君の武運長久を祈っていた。
このことを知っているのはごく身近な人たちだけだろう。
東京から戻った勇ちゃん。
豆腐屋の幼なじみきぬちゃんからこの場所を聞き出したようだ。
そして、安子ちゃんが兄と一緒になることこそ本当の幸せなんだと伝えることに。
さらには彼には胸に秘めた想いがあった。
兄が結婚しなければならない相手とは自分が取って変わるんだと。
それを父親に伝えて、いちど安子ちゃんに会ってみてくれと懇願。
相手がどんな女の子かを知らずに初めからダメだと決めつけるのではなく、実際に会ってみればどんな人間なのかわかるはずだと。
そのことを伝えた上で、雉真繊維では自分が銀行の頭取との結婚を引き受けるからと。
いきなりそんなことを言い出されても、戸惑うばかりの千吉。
しかし、千吉は自分が最も期待していた長男を戦争にとられてしまうことが決定している。
いざ、戦争に行ってしまえば生き残れる可能性はどのくらいあるんだろうか。
そんなことを考えると、命と、仕事と、どちらが大切なのか改めて考えるしかないのだ。
雉真千吉と橘金太
毎日戦争に向かう人たちが、自分が納入した軍服や国民服を着ている。
このことが果たして人々のために世の中のために役立っているのか疑問が湧いて当然かも。
戦争に関われば、命がけの事態になってしまう。
知らず知らずのうちに千吉の表情は暗く重々しいものに変わっていたに違いないのだ。
そんな中、次男に勧められた安子ちゃんとの面会を果たそうと。
店に行っておはぎでも食べようかと思ったようだが、ここで供されたのはおしるこ。
橘のあんこの原点ともいえる食べ物はおばあちゃんお手製
一杯のおしるこは千吉の心を穏やかになごませる。
そして、金太はおしるこの意味を語って聞かせるのだ。
さらには亡くなった先代が雉真の足袋を愛用していたこと。
それぞれの当主は相手の立場を知らず知らず思いやっていた。
どれだけ周りの人を真心で幸せにしてきたか。
金太はさらに、自分の息子を勘当して、出兵式の時にも見送りすらしなかったことを今は激しく後悔していることを告白。
自分と同じような轍を踏んではいけないと、千吉にそれとなくアドバイス。
その言葉に深くうなずく千吉。
安子ちゃんの振る舞い
自分の人生は八方塞がりだが、周りへの配慮やいたわりの気持ちは決してなくさない。
安子ちゃんの最も優れた能力は、相手がどんな風な気持ちでいるかを瞬時に感じ取れること。
千吉を見たときに、心の中に何か苦しみを抱いているとたちどころに感じとったのだ。
そして彼女は、家にある甘いものと言えばおしるこだったので、それを差し上げればいっときだけでもきっと元気になってもらえるに違いないと。
このような気配りや目配りができる人はそうたくさんいるわけではない。
しかも、安子ちゃんはそういった深い配慮を知らず知らずにできている。
本来の彼女はほんわかしておっとりした感じ。
研ぎ澄まされたなんて事は全く感じられないのだ。
さて、明日今週のエピソードに決着がつく。
稔君は失意の中で政略結婚に赴く覚悟で岡山に帰ってくる。
概ね見当のつく結末だが、物語をきちんと見守りたい気分。