物語は1948年から51年にかけて。
既に戦争が終わって数年が経過。
日本の生活全般も少しずつ改善の兆しが見え始めた頃。
ただし、戦地からの帰還兵はまだまだ少しずつ続いていた。
物語の中では安子ちゃんの兄算太がとうとう戻ってくることに。
今日のエピソードは彼が主人公で戦争が終わった後の雉真家での暮らしぶりが描かれることに。
物語は算太の夢の中の出来事も交えてオムニバス風に描かれる。
ぱっと見ていてかなりユニークな作りになっているかも。
目次
算太帰還
彼は戦場で、戦争が終わったことを知らなかったと言っていたね。
実はそういう人たちは南方戦線にはかなり多かったよね。
有名な横井庄一さんとか小野田哲郎さんとか。
彼らは戦争が終わっていたことを知らずに何十年も南方で暮らし続けていた。
算太も危うくそんなことになりそうな雰囲気だったんだろう。
さて帰ってきてあちこち尋ねてみて妹の安子ちゃんが雉真家にいることを発見。
彼が戦争に行ってから今まであった事実をいっぺんに聞かされる。
わずか数年の間の出来事だったけど、とてもいっときでは受け入れられないだろう膨大な量の情報。
物語を見ていて感じたのは、家族が皆死んでしまったことを驚くほど無表情に受け入れていたこと。
しかし、これは物語の設定とか俳優の演技でそんなふうに見えていただけに過ぎなかった事は、今日の物語の最後の方で開かされることになる。
やっぱり算太は算太
るいちゃんを見かけて思わず目尻が下がるおじさん。
るいちゃんを膝の上に抱き上げて素朴な疑問。
この子は本当に安子が産んだんか?
ある意味とてつもなく失礼だけど、率直な気持ちがよく表れていた、笑えるシーンだったね。
そして算太らしい悪い癖も。
雪衣さんにちょっかいを出す。
あんた美人やね😍
わしと一緒にならへんか❣️
雉真の親戚になろう🤪
いくらなんでも初対面の人にこれは失礼極まりない。
すぐに、安子ちゃんにたしなめられることになるが、彼は自分の本心を昔から明かさないことで記憶に残る。
本当は、あまりの状況変化に気持ちがついていけてない。
雪衣さんをダシに使った悪ふざけは、自分の本心を隠したいがために、思わずウケ狙いで行った行動。
彼はそうやって、彼の人生ずいぶん損してきたんだよな。
そんな様子を見るとおかしいのと逆に気の毒なのと、絡まれた雪衣さんがかわいそうに感じちゃう。
妄想の世界
空腹で意識も朦朧とした中で夢に出てきたのはおはぎ。
食べようとして手を伸ばすと消えてしまう。
そういえば、かつての日本兵が南方で戦死した理由に病気と餓死が挙げられる。
有名なところではガダルカナル島がそうだったろう。
南方まで兵隊は送ってはみても、補給がままならなかった日本軍の切ない事情がある。
実際に前線で働く兵隊たちにしてみればたまったものではない。
よく知られているインパール作戦など、“食料は現地調達”だったとどのくらいの人が知っているだろう。
普通に絶対にありえない話だよね。
インパール作戦で、日本軍が行進した道路は、別名『白骨街道』。
それは死んだ日本兵士が道端にごろごろ転がっていたから。
算太が無事に帰って来れたのはある意味奇跡だったのかも。
彼は生き延びて日本に帰るような運命が初めから決められていたのかもしれない。
美都里さんは小しずさん
この場面での美都里さんの行動は驚くべきもの。
子供がどんな気持ちでいたずらしているのかをよく知っている。
算太は照れ隠しに雪衣さんに絡んではみたものの安子ちゃんに厳しく咎められる。
酒がまずうなる😔
その場を取り繕うことができずに立ち去ろうとした。
それを美都里さんに抱きかかえられて、このシーンに。
生きているだけでええんじゃ😌
お父ちゃんお母ちゃんにもあいたかっただろう?
算太の気持ちをズバリ言い当てている。
あまりの図星に我に返る算太。
思わずお母ちゃん(涙)
彼がこの物語に登場していたところからずっとキャラクターとして描かれていた、
他人に対するおどおどする気持ち。
そして、気にいられようとその場を取り繕うとする浅薄な気持ち。
そういったものが彼のキャラクターとしてへらへら感満載で描かれることになった。
戦争から帰ってはみたものの既に橘家はなくなっている。
自分が頼るべき場所は妹のいるよその家。
小心者の算太にしてみれば、何とかして自分の存在価値をアピールしたかったに違いない。
今日はおかしくも、ちょっとかわいそうなエピソードになったかも。