今週は物語の中でも最初の山場を迎えたと言える。
物語は女性3代がヒロインを続けるオムニバス風の作りになっている。
最初のヒロイン安子から2代目のヒロインるいは、親娘 そのバトンタッチの様子が詳しく描かれたね。
2代目のヒロインるいは1週間5話のうち、最後の二日間だけ。
週の前半は親娘が、どのように築き上げていた信頼関係を失っていくのか克明に描かれることになった。
物語は周到な準備の上に様々なエピソードが絶妙に結びつく形で描かれる。
画面に映し出された内容がなぜそうなったのかは、あらかじめ物語の中で紹介されていることがほとんどだったと思う。
今週から来週にかけての物語でも、昭和30年代の大阪を舞台に、何事もなかったかのように淡々と進んでいく。
目次
I hate you に至るエピソード
番組サイトあちこち探し回って脚本家と演出家のレポートがないかを確認してみたところ、
やっぱり今週の1連の物語についての説明を発見。
この部分をどう描くかでずいぶん苦労をされているような。
朝ドラ15分で描くためには時間がやはり足りないと感じていたような。
安子が前半の部分を占めるのだが、るいとの関係がこじれていくのを表現するために
15分× 3で45分のドラマとして構成したと語っていたね。
なるほどそう言われてみれば納得できる部分が。
この部分を表現するのにTwitterでも同じような投稿が。
誰かひとりだけを憎めない構図が秀逸。
— ひざかり (@asdrasdr19) 2021年12月22日
安子が悪い→でも算太が…
算太が悪い→でも雪衣が…
雪衣が悪い→でも勇ちゃんが…
勇が悪い→でも安子が…
このズレのループの中心に、るいが立っている。そのるいが、安子を断ち切ってしまった。#カムカム #カムカムエヴリバディ
物語のエピソード複雑に絡ませることによって、それぞれの登場人物の存在感とかがよくわかる仕組み。
そしてこうも語っていた、るいが日本語で大っ嫌い😡と言わずに英語でゆっくりと
I hate you と語った方がより胸の内がしっかり伝わるのではと考えたらしい。
子育て中ならば子供が母親のことを大っ嫌いって言うことぐらいよくあることらしい。
しかし、わざわざ英語で話すとなればそれは理性的な判断でしっかりと考えた上で発する言葉。
説得力と破壊力は半端ない。
安子の選んだ道
るいが人生の全てとして生きてきた安子。
その生きがいを完全否定されてしまったのでは、どう生きていいのかすらわからない。
呆然自失。
その言葉通りの状況が語られた。
またこの時、ロバートがプロポーズしていることも同時進行で。
誰かに何かにすがっていなければとても生きていけないと感じたんだろうね。
私をアメリカに一緒に連れてって‼️
安子のとった行動は他にはありえない行動だったのかも。
英文の字幕で見てもよくわかるが
Robert Please…
ここに誰かに助けて欲しい気持ちがしっかりと込められている。
るいの思い
木曜と金曜で描かれたエピソードでるいがどんな育ち方をしたのか何となく理解できるような。
彼女は額の傷跡目立たなくする手術を拒み、おじいちゃんの葬式を機に雉真家を出ることを決意。
彼女は母親と決別した後、自分の居場所はどこにもないと思いつつ生きてきたのかもしれない。
屈折した気持ちで18歳にまで成長したいきさつが、わずか数分で語られる。
母親譲りだと思うが、自分の道を自分で開こうとする精神はとても旺盛。
内緒でアルバイトしたお金を握り締めて大阪まで出て1人で暮らそうと。
大阪編スタート
大阪編で描かれた最初のエピソードがこちらのクリーニング屋さんご夫婦との関係。
大阪らしいキャラクター設定で、今までとは雰囲気を異なるように努力している部分がよく見てとれる。
また、時代考証を綿密にやっているんだろうなと思うのは、様々な小道具や街の様子、そういったものに随所に現れる。
また調べてみると物語の中に登場してくるテレビ番組は、NHKの朝ドラの第一号だったね。
これは千吉さんの葬式が1962年3月20日なことを表現。
そしてるいの履歴書も紹介されていた。
時代は昭和37年、この頃だと記憶にも新しいがオリンピックの2年前になるはず。
世の中は私の記憶でも、それなりに豊かさを感じ始めた頃だと思う。
物語の設定がおおよそ飲み込めてくると言うもの。
高校を2年で中退した格好になってるね。
この時代ではそんなに珍しいことでもなかったと思う。
中学を卒業してすぐ働く人は圧倒的に多かったから。
個人的なことになるが、私はこの時小学校3年生だった。
中学生だった先輩たちは高校生を目指すとか目指さないとかそんな話もちらほら聞かれたような。
そういった時代の物語になるね。
様々な登場人物も紹介されているので、どんなストーリーになっていくのか興味津々で見ることになる。