近づいていく2人の関係だが、とんとん拍子に話が進むには2人の抱えていた過去はちょっと重たかったのかも。
るいには額の傷と母に捨てられた思い出したくない心の傷が。
ジョーは家庭の暖かさを知らずに、浮浪児として育った過去が。
2人は何か新しいことに出会うと過去の記憶と照らし合わせて進むべきか退くべきかを本能的に考えてしまうクセが。
お互い相手のことが好きになればなるほど、臆病になっていく切ない恋心。
誰かが後押しすれば、ひょっとしたら前に進める可能性も。
物語は2人の葛藤を描きつつも、周りの人たちが2人をどう見守るか、そんなことも話題に上りそう。
さて、彼らの住む大阪ではジャズトランペッターの品評会とも言うべきコンクールが開催されることに。
興味を示そうとしないジョーにトミーが噛み付く。
目次
るいの“とまどい“
るいは人とのコミュニケーションをとることが苦手な性格。
物語を見ていればわかるが、人に知られたくないこととか忘れたいことが心の中を大きく占領している。
仲良くなればそういったこともいずればれてしまうのではと考えているようだ。
弁護士の卵片桐さんとは仲良くなる前に関係が終わった。
ジョーとは、不思議な縁で知り合ったが、お互い相手のことが気になっているのは言うまでもない。
好きな気持ちと、自分のことを何でもさらけ出すのには大きな抵抗がある事はある意味どうしようもないジレンマ。
時間が経って、2人が親密度を増すたびに、ビクビクおどおどせざるをえない。
るいは本来彼女が役目のジャズ喫茶へのクリーニングの配達もおぼつかないような様子。
行けば、喫茶店のクリーニングのほかにジョーの荷物も持参することになる。
そうすれば必ず顔を合わせて、会話をする。
切ない恋心とはよく言ったもの、好きになればなるほど距離を保たなければと思ってしまうなんともわかりにくい性格で。
関西ジャズトランペッターニューセッション
Night and day の支配人の小暮さんが新しく持ち込んできたイベントの紹介。
関西のトランペッターの中で誰がナンバーワンかを選出しようと言う。
新しいイベントに色めき立つ周り。
特にトミーは激しく反応する。
彼がトランペッターを続けている理由はただ1つ。
メジャーな存在になって周りを見返すこと。
彼にとっては出世欲とか、自己顕示欲とかが全てで、ドラマを見ている限り演奏もジャズそのものも彼にとっては大切なものには映らない。
求めるものはどこまでいってもステータス。
フェスティバルが開かれることで当然彼は応募することになるが。
意外にもジョーはまるで興味がない素振り。
僕には関係ない😌興味がない🥱
その発言に激怒するトミー。
俺のことを馬鹿にしてるのか😤
俺のことを見下していると激しく罵るトミー。
そんなんじゃないよとジョー。
それ以上意見を交わすこともなく2人はそのまま離れ離れに。
マスターの小暮さんが、トミーの質問に答えて語っていた。
ジョーがフェスティバルに出ないのは傷つきたくないから。
幼かった頃、自分の居場所がないゆえに、誰かに期待してしまって裏切られることの辛さを嫌と言うほど味わった。
その結果として、周りから認められてなにがしかのステータスが生まれたとして、それに依存して、もし裏切られてしまえば再びまた傷つくことに。
そんなことを本能的に悟ったんだろうと。
トミーには決して理解できないジョーの苦悩に満ちた過去。
岡山でのこの頃の記憶はトラウマそのものと言って良いだろうね。
ベリーの葛藤
何とかしてジョーと恋仲になりたいベリー。
ジョーは自分を応援してくれる1人のファンとしては認めているけどそれ以上の関係には決して立ち入らせようとはしなかった。
ジョーはこの時代の若者がするような、ダンスや映画や歌などにはあまり興味がなさそう。
彼にとって大切なのはトランペット。
かつて岡山の米軍キャンプで味わった感動が彼の全て。
その時聞かされたサニーサイドこそが彼にとっての音楽人生の全てなのかもしれない。
その心の拠り所についてわかると語ったベリーはジョーにたしなめられていたよね
簡単にわかるなんて言うな😤
人を理解するとか人の心がわかるとか思いやりのあるような言葉に聞こえるが、厳密な意味で人は誰かを理解する事はほぼできないのかもしれない。
理解するとか、わかるとか言った時点で相手のことを多少なりとも侮辱し始めている。
人は感じるところで、誰かと触れ合うことのみが可能なんだなと。
さらりとした日常の中に奥深い内容が込められていたね。
るいとジョー
2人は、お互いが相手のことを好きなのにどうして一歩踏み出すことができない。
トランペットを教えようとするネットでも話題になったこのシーン。
Twitterでとても興味深いニュースを見かけたもので、ここでちょっとアップしておきたい。
#カムカムエヴリバディ
— ジャズ喫茶案内*Jazz Kissa (@jazz_kissajp) 2022年1月10日
ジョーがるいにトランペットを持たせるシーン、あれはマイルス・デイヴィスとジャンヌ・モローへのオマージュですね。そしてジョーの部屋の隅にマイルスの「スケッチ・オブ・スペイン」のジャケットがチラッと見えました。(画像は映画『死刑台のエレベーター』のプロモ写真) pic.twitter.com/5fzbxhy1sr
マイルス・デイヴィスもジャンヌモローも私にはなじみの人。
こんなシーンがあったんだと。
「死刑台のエレベーター」は名前のみ知る程度。
死刑台のメロディなら何度か映画を見させてもらったことがあるが、かつてはこんな良い映画があったよなぁと思うことしきり。
さて、るいとジョーの関係が進むかどうか、周りの動向も気になるところだね。
特にベリーとトミー。
2人とも何を考えているのやら。