東大阪で暮らしていた時と生活は一変した。
今まではお母さんがなんやかんやと面倒を見てくれたが、五島では勝手が違った。
自分に関わる様々な事はほとんどの場合、自分でやるしかない。
確かに9歳ともなれば、大抵の事は自分でできる。
おばあちゃんとのやり取りで、自分の事は自分でやるように仕向けられる。
さて、エピソードはさまざまに設定されていて、いろんな事件が起こるが、どれも舞にはちょっと切ないもの。
バラモン凧を揚げるのを任されたところが、慣れないことで、墜落させて壊してしまう。
持ち主の一太くんからは許しを得たものの舞は申し訳ない気持ちと自分への不甲斐なさでなかなか立ち直ることができない。
さらにはわずかだが熱も出る有様。
五島の暮らしは今までとは少し状況が変わってくる。
おばあちゃん祥子は舞の気持ちをよく理解しつつ、どんな応援がふさわしいのかよくわかっているような。
普通の家庭では、このぐらいの歳格好の子供たちは大抵やっていることかもしれない。
食事が終わった後の食器を下げる作業とか、洗うこととか。
はじめてのことで緊張した舞はなかなかうまくできずに、ミスをすることも。
今日はそんな様子とともに、朝、起こしてもらうことができずに寝坊したところも描かれた。
大人だって時々はやるから、心配するほどの事は無いけど、本人にしてみれば一大事なんだよね。
五島生活の初日。
目次
五島こと始め
最初に出てきたシーンがバラモン凧を揚げている一太君の家族との出会いのシーン。
この凧は独特の音がするんだよね。
風切り音。
ドラマの中にもしっかりと録音されて唸っている様子が描かれていた。
風を受けて空に浮かぶので、下で持っている手にはそれなりの負荷がかかる。
特に強い風が吹いたりすると、かなり引っ張られたりもする。
慣れない子供が紐を手繰っていたりすると、うまくコントロールできずに墜落する事はしょっちゅう。
凧揚げは、墜落が常について回る。
今日初めて凧揚げに挑戦した舞は、コントロール不能に陥って見事に墜落させてしまっていた。
バラモン凧は、骨組みはともかく本体は薄い紙でできているので、当然やぶけてしまう。
初めて触らせてもらったものを壊したことですっかり落ち込んでしまう舞。
発熱
凧揚げに失敗したときに、わずかだが走っている様子が描かれていた。
途端に発熱。
診療所の谷先生がやってきて面倒を見てくれる。
焦らないでボチボチやるといいね
そして熱さましをおばあちゃんに。
この間の登場で終わったかと思ったけど、この物語の五島編は1週間だけではないので、その都度お世話になるような雰囲気だね。
しかし、発熱ですっかりシュンとなってしまった舞に対しておばあちゃんの祥子は全く心配することもなく、『必ず良くなるから』と自信たっぷり。
たとえ憶測とは言え、子供と接する時って、子供にしてみれば大人の自信に満ちた態度はとても励みになるんだよね。
子供が自分の住む世界に安心していられるのは自信に満ちた大人がすぐそばにいてくれること。
子供は、ひとりでいたりするといつも不安や恐怖に駆られて落ち着かないことになる。
そんな様子がドラマの中でしっかり伝わってきた。
自己嫌悪
舞はとりあえず学校には通えているが、はじめてのことが多くて何事もうまくいかない。
最初にやった皿洗いも早速皿を割ってしまったり。
そんな舞を決して叱ることなく、励まし続けるおばあちゃん。
このおばあちゃんが実にいい味出してる。
決して孫にかかりっきりになるわけではなく、自分は自分のリズムで自分流の生き方をしていると見せ付けて、そのくせきちんと目配りできている。
舞の母めぐみは何かにつけて娘にかかりっきりになっていた。
母親が自分に対して全力で世話してくれることを娘は嫌と言うほど納得していた。
少しでも具合が悪かったりできないことがあれば、母親が必ず肩代わり。
祥子はそのやり方を根本から変えようとしている。
とりあえず自分の身の回りの事は自分でやるようにしつけ、習慣づける。
最初のエピソードで、学校に遅刻する様子が描かれていた。
誰かに起こしてもらうことが当たり前になっていた舞。
必死で支度をして、時々走って学校へ。
そして遅れて教室に入ってからは
寝坊しました
これを自ら告知するだけでも結構エネルギー要るよね。
しかし、自分のことは自分でやらなければならないので、申告も告知も全てセルフサービスになった。
挑戦
何をやってもうまくいかないとしょげちゃう舞におばあちゃんは最初から何もかもうまくできる人などいるわけないと。
人が成長する最大の理由は失敗を経験すること。
成功体験は何度か失敗を繰り返した後の方が、より確実に自分のものになるはず。
その意味でもささいな失敗ぐらいなら何度でも経験すればいいのだ。
そして、自分が何ができるのか何が得意のかを探す作業も必要になる。
その上でおばあちゃんが提案したのは、「今度、ばんばを手伝ってくれ」と。
畑仕事とか、ジャム作りとかそういった仕事になるとは思うけど、単純な作業に見えて意外と奥が深かったりもする。
五島の暮らしは今始まったばかり。