就職が1年延期になったことで、五島での新生活がスタート。
それはばんばの家に移住お試し体験の親子を預かるというもの。
たまたまその場所に居合わせた舞。
やってきた子供は明らかに問題のありそうな、
超わがままな男の子。
名前を朝陽君。
彼は小学校2年生までは学校に通えていたが、それ以降は不登校になっていると。
子供たちの話では朝陽君はすぐに怒り出して、わがままなので付き合いたくないと。
母親は、そんな子供を心配して、環境を変えようと、わざわざ東京からこちらまでやってきた。
物語で描かれた朝陽君のわがままぶりは、確かに筋金入り。
おそらく、ドラマを見ている大勢の視聴者が何かを言いたくなるに違いない。
母親とか、周りの子供たちの関係とか、ダメ出ししたくて仕方がなくなるのかも。
そんな中、舞には彼氏の柏木から電話が。
どうやら彼は元気そうで、毎日授業に追われて大変らしい。
お互いの近況報告で舞の就職が1年延期になったことも確認し合う。
さらには、ばんばの家には貴司がやってくる。
彼は、いかにも旅行者風のいでたちで、紙飛行機に巧みな和歌を披露。
それぞれみんな元気そうで、何よりだけど…。
目次
朝陽君
この時代の子供たちは、すでに少子化の波がやってきていて、家庭でも学校でもやるべきことが山ほどあった割には子供が何をしたいかとか、どんな夢があるのかとかはあまり重く見られてはいなかったかも。
大げさなことを言えば、日本の義務教育は様々な段階を経て、今日に至る。
あるときは、ゆとり教育と称して授業の内容等もずいぶんゆるく設定されたことも。
しかし、その反動で子供の学力はずいぶん下がり、世界的なレベルでも日本の生徒たちの学力低下が問題視された頃。
記憶をたどって見ても、子供たちがのびのび楽しく暮らしている様子はあまり浮かんでこない。
そして、いじめとか、体罰とか、様々な事件もかなり大きくニュースで取り上げられるような。
大人にとっても、子供にとっても決して良い時代ではなかったかも。
朝陽君は学校でも、周りから嫌われて本人もそのことをよく自覚するが故に、学校には行きたくない生徒。
舞の子供の頃と被る
舞は子供の頃、熱を出して寝込むのが日課のような。
自分でも何をしたいのかよくわからないで心配するあまり、それが引き金で発熱。
朝陽君とはなんとなく共通点があるようにも見える。
舞自身が環境を変えるために五島にやってきた過去がある。
そのことが、よく似ていると感じた。
ここで環境が変われば、本人もきっと変わることができる。
舞ならではの励まし。
ばんばの答えは、単純明快。
本人が何をやりたくてどんなことに喜びを感じるのか、そのことこそが1番大事だと。
舞の時と同じスタンスで接することに。
子供たちが抱える心の闇
子供たちが感じていることを、自分の胸に置き換えてみても正直わからないことだらけ。
対する大人たちは、すぐに答えを欲しがる。
せかされると、やる気をなくしたり、焦ったりするのが世の習わし。
朝陽君も見ているとそんな感じがする。
聞けば、彼は自分が興味のあることや楽しいと思う事は、たちどころに覚えてしまう特殊な能力があるらしい。
舞がイメージトレーニングで離陸のときのマニュアルを復讐していた。
英語でマニュアルを語るが、そのことを朝陽君はすぐに覚えてしまう。
確かに、物語を見ていてもあの辺の能力は特殊なのかも。
昔あった映画で『レインマン』というのがあった。
ダスティン・ホフマン扮する兄は記憶力抜群の特殊能力を持ち合わせていた。
トムクルーズ扮する弟は、そんな兄を利用してラスベガスで大儲けを。
ずいぶん昔の映画なので、細かい部分は忘れてしまったが、確かこういった子供たちってサヴァン症候群とか言うんだよね。
特殊な能力を発揮できる代わりと言っちゃなんだけど、知的な部分で多少の障害を抱えていたりもする。
朝陽君はそんな感じがしないでもなかった。
このデリケートな人物描写は、脚本家桑原亮子さんが最も得意とする分野かもしれない。
彼氏
貴司はちょっとした風来坊のような雰囲気。
あった。そうそう、彼が語ったのは、
航空学校卒業おめでとうの挨拶。
彼の呼んだ和歌はなかなか乙なもの。
巧みにに韻を踏んでいて、言葉を操ることに相当な才能を感じる。
お くじょうを
め ぐり続ける
で んしょ鳩
と べるよ高く
う き雲よりも
最初の5文字に、縦書きのおめでとうが忍ばせてある。
こういったことがさらりとできる才能は、見ていても羨ましささえ感じてしまう。
さて、舞の彼氏は柏木のはずだよね。
電話でのやりとり描かれていた。
お互い進むべき道に向かって頑張っていることが確認。
この2人の関係は、この先順調に進むのか、なんとなく想像とは違った展開があるのかもと、少し不思議な気持ちにもなる。