物語は松平元康改め松平家康に改名した徳川家康の若い頃の様子が描かれる。
徳川家康がまだ20歳の頃のエピソード。
この頃、家康は自分の領土三河平定にまでは至っていなかった。
同盟国を今川から織田に乗り換えたばかり。
あちこちに松平に歯向かう勢力は多数。
織田信長に指摘された三河は謀反を企む輩が相当数いる様子が描かれる。
戦を繰り返す家康。
当たり前の事だが、戦費がかさみ兵士たちも疲弊するばかり。
そんな中、一向宗のお寺が治外法権なことを知ってしまう家康。
物語は、一向宗との関わりを事細かに描く物語が繰り広げられる。
この頃の新興勢力として、鎌倉以降の仏教では浄土信仰を出発とする一向宗が台頭し始めた頃。
世の中は長く続いた戦国時代の末期にあたるが、戦に疲れていたのは、兵隊たちだけでなく、そこで働く百姓を始め様々な者たちが世の中の先行きにどうしようもなく不安を抱いていた。
人々の不安に安心を与える目的で勢力を拡大しつつあった一向宗。
こちらの寺社は当時の慣習にならって領国に年貢を免除されていた。
年貢を収めなければ、寺は潤うことに。
徳川家康は若い頃、これら一向宗の寺に年貢を課したことで知られている。
物語の描き方として、エピソードのそれぞれはかなりデフォルメされているのでコミカルな時代劇に設定されているが、実際は史実を忠実に踏襲していることには間違いなさそう。
目次
松平家康に改名
家族を取り戻した家康は瀬名や屈託なく暮らしているのが不安で仕方がない。
一国一城の主とは言え、自分の両国は未だ不安定で1歩城の外に出ればどんな危険が潜んでいるかもわからなかった。
子育てに忙しく働き回る瀬名は姑の於大の方から毎日特訓を受けるような有様。
先週の物語で描かれていたけど、彼女の夫は、上之郷城の主になったようだ。
他の家来の手前もあると言うのに、言いなりになっているあたり、
家康の統制力は本来のものとは程遠い。
三河平定のためには
この頃の織田信長は、美濃一国からさらに機内に勢力を伸ばし始めていた。
自分自身の領国のきちんとした支配は、反抗勢力をどれだけ抑え込めるかにかかる。
三河の国の平定は家康以上に信長が気にしていたところ。
織田信長の存在意義は家康にプレッシャーをかけ続けること。
対等な同盟国とは言え、家康は信長には頭が上がらない
物語で描かれる家康は、信長に恐怖心を抱いているような。
家康は反抗勢力を押さえ込むために戦に明け暮れることになる。
その結果、たちまちのうちに財政危機に陥ってしまうのだ。
一向宗
家康は、一向宗のお寺だけが年貢を納めないことに疑問を抱いていた。
この時代の慣習として税を免除されているので、関わることができないとされていた。
そのことに疑問を抱いた家康は自ら変装して寺に潜り込むことになる。
この辺の状況は全て脚本家の脚色によるもの。
このような事実があったとは思い難いのだが、
物語の中に登場してきた空誓は浄土真宗、蓮如上人の孫との設定になっていた。
今日のエピソードでは、さらに巫女の千代が登場
物語がデフォルメされているので、ストーリー的にはなんとなく登場してきたような印象だが、おそらくこれからの物語のキーパーソンになるだろうと思われる。
家康の判断
お寺といえども、年貢を納めるべき。
家康の考えははっきりしていたが、武士たちは戦をするために金を使うボンクラどもと一蹴される。
そんなものに金を渡しても、それは無駄金、死に金。
ボンクラに渡す金は無いのだと突っぱねられる。
では、どうすれば、戦のない世の中にできるのかと尋ねられれば、わからないと。
物語の描き方にもよるのだろうが、ここで説かれている一向宗の教えは、要するに、現実逃避。
家康はそんなものを宗教とは認めなかった。
一向宗の寺本證寺の住職としての空誓上人はこの時代の人々の信奉を集めていた。
家康が課した年貢は、当然様々な勢力から批判を受けることになる。
反発も極めて激しかったようだ。
家康の最大のピンチが3つあるとされるが、そのうちの1つが早くも描かれる。
一向一揆を収めるために、家康は一方的に命令を押し付けるだけでなく、人の意見をきちんと聞いて調整することも、この頃から学び始めることになる。
今日の物語は、宗教に関わることもずいぶん紹介されていたが、千代が戦支度を呼びかける時に、戦わなければ無間地獄と言っていた。
無間地獄
これはムゲンジゴクとは呼ばない。
正しくはムケンジゴク。
徳川家康が、この後熱心な阿弥陀信仰者になる事はこの辺から培われたのかもしれない。