始まった菊比べについて詳しく語られる。
発案した岩崎弥之助。
彼が巳佐登の人たちに向かって大隈重信に差し上げる菊の花を持ってくるようにと。
それぞれが持ち寄った菊の花はどれもが見事なもの。
弥之助が1番気に入ったものに賞金500円を提供する。
一攫千金を夢見た寿恵子が反応するのも無理からぬ事。
植物採集は、万太郎の十八番。
ただし、寿恵子は万太郎に事情を話して依頼するときに説得が必要だったことも確か。
要するに、どの菊が1番美しいのかという品評会なので、草花に優劣をつける事は万太郎の目指すところではない。
しかし、万太郎は寿恵子にお金の面でずいぶん負担をかけてしまっている負い目が。
寿恵子が蔵書、里見八犬伝を質入れしてしまったことに心を痛めていた。
植物採集の依頼を受ける前に、まっさきにしたのが質入れした八犬伝を取り戻すこと。
万太郎の寿恵子に対する気持ちがしっかりと現れたシーン。
寿恵子にとって、里見八犬伝が原点ともいえる大切な本なことを同じように受け止めていた。
万太郎が採ってきた菊は古くから西日本に自生していた野生のもので、日本固有の原種とされる。
ノジギクはフタを開けてみれば、岩崎弥之助の思い出とも被る部分があった。
目次
寿恵子から万太郎への依頼
巳佐登で中居として働くことになった寿恵子は早速当時の経済界の重鎮、岩崎弥之助と面識ができる。
兄弥太郎と同様土佐出身の豪快な性格の持ち主でどうやら遊びのほうも盛んな様子。
料亭で様々な人たちと食事をしながら酒を酌み交わす。
ある時、ナンバーワン芸者の菊千代の名前にちなんで菊の花をみんなで持ち寄って品評会をするという。
賞金500円というとんでもない金額にみんな色めき立つ。
寿恵子も万太郎に出品用の菊を採集してもらえるように依頼する。
事情をきいた万太郎は1も2もなく承諾した。
物語の中での説明はなかったが、どうやら万太郎は植物採集旅行に出かけたような雰囲気。
彼のことだから、珍しいものとか希少なものを選ぶような気がするけど。
ただし、草花に優劣をつける考え方は万太郎の望むところではない。
果たして、どんな菊の花をとってくるのだろうか。
守るべき大切なもの
寿恵子からの依頼を受けるにあたって寿恵子が愛読書の里見八犬伝を質入れしてしまっていることに気がついた万太郎。
自分がとんでもない苦労をかけていることに改めて思い知らされる。
寿恵子は里見八犬伝に描かれた世界観をとても大切にしている。
冒険する人生こそが、彼女の求めるべき人生。
バイブルとも言うべき、里見八犬伝が手元になくなっていることに驚愕する万太郎。
愛する寿恵子をここまで追い詰めてしまったことに大きな負い目を感じていた。
里見八犬伝だけは手元に置いておかなければいけない。
ベタな反応だけど、万太郎と寿恵子のお互いを思いやる気持ちがよく表されていた。
菊比べ
物語の中で語られていたけど、どうやら今回の菊比べは出来レースの意味合いが強かったようだ。
芸者菊千代がお気に入りの岩崎弥之助は、彼女の気を引くためにわざわざ催した企画のようだ。
それぞれみんな思い入れのある菊の花を出展。
どれもが皆綺麗で菊の花らしさをアピールしている。
寿恵子が出したノジギクは他の立派な菊の花に比べれば、明らかに貧相。
しかし、説明は万太郎譲りの植物学者らしいしっかりとした説得力が。
菊は皇室の家紋にも採用されている由緒ある花。
しかし、実際は遥か昔に大陸から日本に渡ってきたものを品種改良して作られたもの。
寿恵子が提出したのは原生種とも言うべきもの。
弥之助の心には何か感じるところがあったようにも見えた。
岩崎弥之助の思い出
岩崎弥之助はかつての土佐出身。
寿恵子のノジギクに何か感じるものがあった彼は、みえのところにまでやってきて寿恵子の夫について聞いていた。
万太郎が、日本全国を網羅した植物図鑑を作ると言う壮大な夢を持っていると説明された。
弥之助は明治維新の頃に活躍した土佐の著名人について思いを馳せていたようだ。
多分、彼のことだろうと私は推察。
日本全国をまとめ上げる壮大な夢を持っていた坂本龍馬が岩崎弥之助の思い描いた英雄だろうと考える。
そして、寿恵子の語った言葉に深く感銘を受けた弥之助は
ノジギクを300円で買い取ってくれると言う。
なるほど、当時のお金持ちは豪気そのもの。
さて、今週最後に登場したエピソードは東大の徳永教授からの手紙。
万太郎を東大の植物学教室の助手として正式に雇い入れたいとのこと。
金欠病の槙野家には渡りに船のありがたい話だが。
今週のエピソードはここまで。
どうやら、来週は1度は追放された東大に万太郎がもう一度復帰する内容で描かれるらしい。