物語に新しい登場人物も加わったことで、ストーリーは一気に加速して展開。
スズ子には新しく東京で立ち上げられる梅丸楽劇団に誘いが。
大阪でのスズ子立のレビューを見た東京の演出家松永。
彼は、大阪の梅丸少女歌劇団のレビューを大絶賛。
大阪からは2人が選ばれた。
1人は言わずと知れた福来スズ子
そしてダンスの名手秋山美月
選ばれるべくして選ばれた2人。
いつものステージもこの2人がメインで際立つような演出で上演されていた。
お客さんを楽しませると同時に、2人のポテンシャルが大いに評価された。
そして早速だが、松永は林部長を通して2人にオファーを。
話を持ちかけられた秋山は即答でオーケーを。
対するスズ子は行きたい気持ちもさることながら、大阪から離れることに一抹の不安を抱いていた。
スズ子は香川で知りえた自分の出生の秘密を両親には語らないと心に決めていた。
この物語の巧みな作りは、スズ子が隠し事をしていることを母親のツヤがうすうす感づいていること。
スズ子は東京行きについて友達を始めいろんな人に相談をする。
そして最後に家族に相談したときに、父親と弟は大賛成してくれたのに、母親だけは不愉快な表情で反対を。
物語は結論が出ないまま驚くべき事態が発表された。
桃色争議のあと、歌劇団を辞めた大和礼子が子供を産んだ後病気で亡くなったという。
あっけに取られる歌劇団のメンバー。
東京行きも含めた物語の進むべき方向は驚くほど重苦しい。
目次
東京行きの話
新しいメンバーは来週から本格的に登場する東京の梅丸楽劇団の人たち。
特にユニークなのは松永。
演じているのが新納慎也
大河ドラマでのイメージがとても強いので時代劇俳優なのかなとも思ってしまうが、そんなこともなさそう。
現代劇ももちろんこなす俳優だが舞台の方が馴染みなのかも。
この物語の中では感性のみで生きているやり手の演出家が、彼の役どころ。
スズ子と秋山
林部長から東京行きを打診されたのは秋山とスズ子。
どうやら東京で行われるレビューは女性のみではなく男女混合で舞台を作ると言う。
現在様々な舞台があちこちで上演されるが、ほぼ同じ形のものがこの頃から世の中に登場し始めたものと思う。
どうしてもテレビや映画などで演劇などを楽しむ癖のついてしまった私たちは、舞台の面白さをあまり経験せずにここまで来ているかもしれない。
ブギウギの展開では、秋山は即答で東京行きを受け入れていた。
スズ子は東京へ行って現状打破を成し遂げたいと考えるが、しかし実家のことを考えると躊躇せざるを得ない。
ツヤとスズ子はいつも通りの仲の良い親子を演じているだけに過ぎないのかも。
お互い疑心暗鬼で心に秘密を抱えている。
母親はスズ子の本当の親では無いことを隠しつつ、今までずっと育ててきた。
スズ子はすべての真実を知った後も、自分は何も知らないふりをして母親と接してきた。
今まで真っ正直に関わってきたものが1つ秘密を抱えればぎくしゃくするのは当然。
そのことを考えると、スズ子は東京行きを軽々しく受けることにはならなかった。
いろんな人に相談しなければ。
親友タイ子のアドバイス
幼なじみで大親友のタイ子。
込み入ったことを相談するのはもちろん梅丸のメンバーでもある程度の役目はなすが、家族の事となれば、やはり親友のタイ子が1番心おきなく話すことができる。
タイ子は東京行きの話を1も2もなく賛成してくれた。
タイ子の励ましはスズ子にとっては何よりだっただろう。
家族に話せば必ず賛成してもらえる。
その確信のもとに家族に告白。
花田家家族会議
本当はさりげなく会話の中で告白したかっただろうに、ツヤがそのやりとりを微妙に回避。
ツヤはスズ子がひょっとしたらそのままどこかへ消えてなくなってしまうのではとあらぬ心配をしてしまった。
大切な娘を絶対に失いたくない。
ツヤはスズ子の気持ちとは裏腹に東京行きに反対の意思表明。
タイ子の言葉通りにスズ子の前進を祝いたい気持ちは絶対あるはず。
しかし、自分がこの先味わうだろう喪失感は、応援したい気持ちを押しつぶしてしまう。
ツヤのいつになく激しい言葉遣いに表情をなくすスズ子たち。
どうやらこのまま話し合いは物別れになってしまう模様。
そんな中、梅丸に届いたのは衝撃の知らせ。
なんと、みんなが尊敬して止まない大和礼子が子供を産んだ後亡くなってしまったという。
物語的に見ても信じられないような展開だと思うが、以前にも私がブログで紹介した通り、この物語はれっきとしたモデルがいるストーリーなので、大和礼子のモデルは楽団員と結婚した後すぐに亡くなっている。
その史実を忠実になぞった展開に。
それにしても衝撃の事実であることには違いない。
スズ子は東京行きも含めて重たく苦しい運命と立ち向かうことになる。