ブギウギは週の中間に到達。
出生の秘密を知ったスズ子は梅丸少女歌劇団で重要な役割を演じることに。
やはり以前から指摘があったようにスズ子の持ち味は歌。
彼女の歌唱がお客さんから大きな支持を得ていた。
しかし、本人のスズ子はどうやら自分の心の中のモヤモヤした気分に納得できないでいる。
この頃、梅丸歌劇団はスズ子の歌と秋山のタップダンスで大きくアピール。
スズ子も秋山もステージに欠ける思いは、2人とも生真面目で真摯。
全力投球なことに違いは無い。
ただ、スズ子は自分の歌は秋山に負けていて引き立て役に過ぎないと強く感じていた。
実は今日明らかになったが、秋山もスズ子に対して同じように感じていることが発覚。
2人とも現場には満足できていないことがお互い納得できた。
スズ子は昨日までのエピソードで、自分には育ての親と生の親がいることがわかってしまった。
スズ子なりの配慮で育ての親ツヤには知りえたことを離さないと心に決めていた。
ツヤはスズ子のわずかな変化も見逃さない。
育ての親といっても、ツヤがスズ子を1番よく知っているようだ。
スズ子の抱える悩みに寄り添うとする。
物語はセリフにはならない登場人物たちの細かな心の動きを表現しつつ、新たな登場人物も次々と。
目次
梅丸少女歌劇団
このころ梅丸歌劇団ではスズ子の歌をバックに秋山のタップダンスが2枚看板として定着。
お客さんも大いに納得する。ステージで連日満員盛況が続いていた。
梅丸としては、秋山のタップダンスとスズ子の歌唱を前面に打ち出していた。
そしてその作戦は見事に的中。
物語の中では2人とも現状には満足せず、他の表現方法は無いのか模索しているような様子。
時代は昭和12年
朝ドラの名物といえば、今までのドラマで使われた小道具が繰り返し登場してくること。
今回も登場したラジオはカムカムの時に安子が英会話教室のために聞いていたものだったと思う。
考えてみれば、あのドラマの中での年代もちょうど今と同じ頃だったかもしれない。
戦争に向かってまっしぐらだった頃。
物語の設定から4年後にはアメリカとの太平洋戦争が始まる。
その直前の時代背景が物語のこれからを微妙に暗示しているような切なさが。
物語の前年には226事件が起こっている。
そして国際情勢は混迷を深めて、日本はアジアばかりでなく、世界中から孤立する道をたどることになった。
そして主に陸軍を中心とした軍隊が国内で台頭し始めた頃。
スズ子のモヤモヤ
スズ子は心の中で葛藤を抱えていた。
歌うことも踊ることも楽しいけど、どうしても満足できないものがある。
そのモヤモヤは自分はもっとできるのではないかと言う焦りのようなもの。
特に3年前香川から帰ってきてからは秘密を1つ抱えることになった。
スズ子は生の秘密を母親のツヤには決して語らず内緒にしたままだった。
しかし、カンの良いツヤはどうやらうすうす気づいているような様子。
ひょっとしたらスズ子が自分の元を離れてしまうのではと心配していた。
多分スズ子にはそんなつもりはないだろうけど。
ただし、スズ子はここへ来て根っからの舞台俳優だと感じる。
自分がどのようにお客さんにアピールできるか常に思案し前進しようとしている。
物語は、朝がちょうど折り返し地点になるので、あと2日でどんな展開が待っているのか。
今更ながら見守るしかないと。
新たな出会いの予感
物語に登場した茨田りつ子。
言わずと知れた淡谷のり子の、若かりしこの様子が描かれた。
別れのブルースが服部良一の作品とは知らなかった。
スズ子が心惹かれたのは何か理由があるに違いない。
歌はいわゆるブルースと呼ばれるジャンル。
もちろん本場のアメリカにも似たような言い回しはあるが、これは日本独自のものと思って良いだろう。
彼がこれからスズ子とタッグを組むようになるはず。
その前にスズ子の東京行きのエピソードが加わることになる。
物語は周到に準備されていて、それぞれのエピソードが絶妙に絡み合うような雰囲気。
とりあえず、最後まで見なければ、全体の流れも掴みにくいと思う。