目まぐるしく展開した1週間。
ブギウギはスズ子の出生の秘密が明らかにされると同時に家族関係にも微妙な隙間風が。
スズ子は自分が花田家の子供であることを信じて疑わなかった。
しかし、香川の法事に参加したところ衝撃の事実が暴露される。
スズ子はツヤの子供ではなく、キヌと呼ばれる。女性の子供だった。
しかもキヌは次郎丸家の跡取り息子と恋中にはなったものの、結婚は許されずにスズ子を出産したらしい。
その時助けてくれたのがスズ子の今の育ての親ツヤだったのだ。
大阪に住んでいたツヤは年に1度里帰りするからとキヌに告げてスズ子を育ててきたようだ。
やがてツヤはスズ子を育てているうちに本当の自分の子供にしたいと考えるように。
結局のところ、事実関係は内緒にしたまま今に至っているような。
全てを知ったスズ子は両親を傷つけまいとして知りえた秘密を内緒のままにする。
今までと同じ日常が繰り返されると思った時、物語の中ではいくつかの衝撃的な事件が重なる。
尊敬して止まなかった先輩大和礼子が子供を産んだ後すぐに亡くなってしまったとの知らせ。
さらにはスズ子と秋山には実力を見込まれて東京行きが打診された。
家族のことを思えば即答できなかったスズ子。
母親との切ないやりとりを乗り越えてスズ子は秋山と共に東京行きを決めることになる。
目次
スズ子出生の秘密
スズ子出生の秘密は、モデルの笠置シズ子の人生をそのまま踏襲している。
笠置自身が産みの親と育ての親がいた。
そして、その事実を本人が知ったのは18歳の時とされる。
既に松竹歌劇団で団員として活躍し始めていた笠置は自分の秘密を知ったことに驚きはしたものの、うろたえることなくそのまま受け入れたようだ。
物語の中のスズ子は自分の知り得た秘密を母親には内緒にしようと考えた。
物語はかなり重苦しいシーンだが、撮影の様子を見ると和やかな様子が伝わる。
このブログで何度も紹介したがスズ子の実母を演じた中越典子はスズ子役趣里の母親伊藤蘭と過去に共演している。
これもブギウギが描き出す不思議なご縁かも。
花田家
ツヤはスズ子が秘密を知ってしまったのではと気が気でなかった。
頼りないと思いつつも、夫の梅吉に相談するしかなかった。
しかし、夫の答えは明快そのもの。
スズ子が自分たちと縁を切る事は絶対にないときっぱり。
混乱はしたが、決してそのまま引きずることのなかったスズ子はツヤに東京行きを応援してもらえることに。
ツヤはスズ子と離れ離れになってしまうことをひたすら恐れていた。
それ故に最初はスズ子に反対の意思を表明。
しかし、スズ子の活躍の場を考えれば東京へ行ってさらなる進歩を目指すのが最もふさわしいと。
こうして1度はぎくしゃく仕掛けた花田家は再びしっかりと家族の絆を取り戻したことになる。
一見落着したところで物語の舞台は東京に移動する。
礼子の死
物語の中で特に衝撃的だったのは花形スターだった礼子の突然死。
彼女は股野と結婚した後、子供を1人産んだ。
しかしその時医者から言われていたらしい。
腎臓に問題があるので、出産はかなりのリスクが予想されて命がけになると。
大和礼子にもれっきとしたモデルがいるので、その人も20代の若さで亡くなっている。
病名こそ違うが、同じように楽団員と結婚して子供を1人産んだが産後の立ちが悪く亡くなったと伝わる。
礼子は全く同じような運命をたどることになった。
ちなみに礼子を演じていた蒼井優は実生活でも子供を1人設けているが、出産後3ヶ月でこの撮影に臨んだらしい。
本人がインタビューで答えていたので間違いない事実だが聞いてみてびっくりなことではある。
東京行き
スズ子と秋山は東京の梅丸から大抜擢される形で引き抜かれた。
東京行きを打診された時に即答で行きたいと答えた秋山に対し、行きたい気持ちがありながらも当初迷ってしまったスズ子。
それは他ならぬ家族を置いて自分が大阪を離れることを心配したから。
家族全員の後押しを得てスズ子は東京行きを決意。
来週の予告編も開かされているので、東京での様子がある程度想像できる。
新しい登場人物も加わることになって、我々がよく知る笠置シズ子の様子がスズ子にリンクするものと思われる。
東京で真っ先に描かれるのは作曲家の羽鳥善一との出会いだろう。
作曲家について猛特訓するスズ子の様子が描かれていた。
さらにはこの当時一世を風靡した大歌手淡谷のり子をモデルにした茨田りつ子
どうやらブギウギはこれからが本番と思って良さそうだ。