東京からスカウトされたスズ子と秋山。
2人は舞台を大阪から東京に移して、新たな活動の場を求めることになる。
梅丸楽劇団のメンバーとして、男女混合の舞台に立つことに。
今週描かれたのは初めて東京に来たスズ子と今回で3回目になる秋山が活躍の場を大きく広げるまでの様子が詳しく描かれた。
さらには東京暮らしを始めるにあたって、登場人物も一新される。
下宿の女将さんやおじさん。
さらには行きつけになる屋台おでん屋のおっちゃん。
さりげない配役たちが物語に花を添えてブギウギを格調高く彩ることになる。
そして、なんといっても外せないのは作曲家羽鳥善一との出会い。
彼はおそらく知らない人のいない大作曲家服部良一その人。
彼との二人三脚で初舞台を目指すスズ子の様子は物語の中心に据えられるエピソード。
大阪時代とは違って東京でのステージは男女が混合で舞台を務めることになる。
スズ子の苦労もさることながら、ダンサーとして抜擢された秋山は男性とは違った体力的な問題もあって相応の苦労を強いられた。
この手のドラマで求められるのは、役者たちの演技力。
スズ子を演じた趣里は実際はクラシックバレエの出身なので、踊りのうまさは筋金入り。
にもかかわらず、物語の当初ではわざとへたくそに踊らなければならないなどそれなりの配慮が必要だったようだ。
しかし、週の最後で描かれた東京のステージは初演ながら大成功。
目次
舞台は東京
東京では劇場近くの下宿が彼女たちの住処。
どうやら、こちらのご主人はお相撲さん出身とのことで、部屋にも相撲のアイテムなどが飾られている。
東京で暮らすには普通何かとお金がかかる。
それでもやりたいことができるのは喜びいっぱいに違いない。
演出家と作曲家
梅丸の東京出張所に当たるようだ。
しかし、大阪よりは東京の方が街の規模としては明らかに大きいわけで、目指す舞台も大阪のような女性だけのものとは違う。
欧米並みに男女混合で舞台を作るらしい。
そのために召集された演出家松永と作曲家羽鳥。
大阪とは勝手の違う東京暮らし。
ステージでの振る舞い方も全く違ったように見えた。
ひたすら稽古を積んで慣れるしかない。
今週面白いと思ったのは作曲家が歌手に求めるものは具体的な説明がないってこと。
歌ってみるとそれは違うとひたすらダメ出しされる。
何がどんなふうに違うかは教えてもらえない。
芸術家、とりわけ音楽に関わる人たちは大抵こんなやり方で様々な気持ちを伝えるようだ。
スズ子と秋山
スズ子と秋山はさらなるステップアップを目指して大阪から東京へ。
2人ともずいぶん苦労している様子が物語の中で克明に描かれていたと思う。
秋山は男性の中に混ざって踊ることで体力的な限界を思い知らされていた。
必死で頑張ろうにももともと体の作りが違うので同じものを求められても厳しいものがある。
しかし、持ち前の根性と彼女に備わった才能が困難を乗り越える原動力になる。
さらには悩みが尽きなかったスズ子。
大阪でのような歌謡曲を歌うわけではない。
作曲家が求めてきたのはジャズそのもの。
フィーリングこそがジャズの持ち味なのでどんな気持ちを載せるかが重要なポイントになってくる。
スズ子はあ歌い方をものにしたくて作曲家羽鳥善一の自宅を訪れることに。
誰でも知っていることだが、服部良一の孫が今回の朝ドラのテーマ音楽を担当している。
服部良一の様々な業績は、彼の肩書を見ればおのずとわかる。
国民栄誉賞を始め紫綬褒章や勲三等瑞宝章など大変な表彰もされている。
スズ子は大活躍するためにこれ以上ないスタッフに恵まれた。
モデルのいる物語
物語に登場する茨田りつ子は淡谷のり子がモデルになる。
淡谷は笠置の歌声を批判していたと伝わる。
しかし、2人は実生活ではとても仲良く亡くなるまで親しく交流していたらしい。
このブログでは、登場人物たちそれぞれのモデルについても出来る限り紹介してみたい。
作曲家服部良一と笠置シズ子の関係を考えると物語はわかりやすいのかもしれない。
服部良一はコロンビア所属で古関裕而や古賀正雄の後輩にあたる。
この当時日本を代表する作曲家3人が同じ時代に活躍していたことが物語の不思議な縁を感じてしまう。
古関裕而は以前の朝ドラエールでお馴染みだった。
時代背景を考えると、日本の昭和史が今更のように思い出される。