愛助は大阪へ帰る途中、湖のほとりでスズ子と2人で過ごす。
このことを知っているのは、坂口と山下のみで、大阪の村山興業の主な人たちは知らずにいる。
2人だけの1泊旅行とは言え、ハネムーンそのもの。
スズ子のはしゃぐ声と愛助の幸せそうな言葉遣いで2人のウキウキした気持ちがよく伝わってくる。
短い時間ながら、2人で将来設計なども語り合う。
そして、スズ子は東京へ戻り、愛助は大阪で治療に専念することに。
今日の物語で1番の見所はスズ子の妊娠。
どうやら旅行の最中でスズ子は自分の体調の異変に気がついていた。
物語の中で明らかにされたのは妊娠3ヶ月とのこと。
昭和22年春頃の話で、秋ごろには母親になる。
しかし、愛助とスズ子のデリケートな立ち位置を考えると、妊娠発表がそのままストレートにして良いものかどうかは思案のしどころ。
坂口と山下の話し合いでは、スズ子の妊娠の事は村山の社長には隠しておこうと言うことに。
事実を手紙で丁寧に報告するスズ子だったが、母親トミに愛助が簡単にばらしてしまう。
嬉しさのあまりつい口をついて出てしまったんだろう。
さて、スズ子は自分の生い立ちのこともあって、愛助ときちんと結婚してから子供を産みたいと考えていた。
そのためには自ら大阪に赴いて母親に話をさせてもらう。
妊娠初期であることを考慮すれば、長距離の移動は控えた方が良いということで、大阪へは山下が訪れることに。
愛助とスズ子に子供ができたことで、物語は最大の山場を迎えることになった。
目次
愛助とスズ子の将来設計
愛助は子供をたくさん作って家族楽団のようなものにすることを考えていたようだ。
そういえば同じような時代、ヨーロッパを舞台にしたミュージカルでサウンド・オブ・ミュージックがあったけど、あの物語は実話でれっきとしたモデルがいる。
映画はジュリー・アンドリュースの出世作と言っていい
ちなみに物語に登場する10歳位の女優アンジェラカートライトが私とほぼ同い年。
そしてれっきとしたモデルのいる話でそれがこちらのご家族。
愛助は外国の様々な芸術に造詣が深かったので、こういった活動なども知っていた可能性がある。
太平洋戦争直後のことなので、アメリカから様々な文化が怒涛のように流れ込んできたことを考えれば知っていたと考えるのもあながち不自然ではなかろう。
スズ子の妊娠
スズ子は愛助と湖に1泊旅行をしたときにすでに自分の妊娠に気がついていたものと思う。
物語の中で、愛助に話そうとしたシーンがあったと思う。
それはその時には叶わずに後から手紙で教えることになるのだが。
このブログで何度も紹介している通り愛助は自分の子供と対面はできない。
彼が亡くなったおよそ10日後に子供が生まれるとの事。
それはモデルの吉本穎右と笠置シズ子のエピソードそのまま採用すると思われるから。
東京 大阪それぞれの反応
周りのものの話では、社長には少しの間秘密にしておこうと言うことに。
愛助があっさり告げてしまうことで簡単にばれてしまう。
社長(母親)のトミはながら怒髪天のようだと。
母親の怒りの様子が伝わってくると言うもの。
結婚前提の話のはずが子供ができたことで少し手順は端折らなければならない必要が。
今まで2年以上も一緒に暮らしてきた愛助とスズ子にずっと子供ができなかったことの方がなんとなく不思議な気がしないでもない。
とりあえず母親には膝を交えてきちんと説明する必要が生まれた。
スズ子の問わず語り
スズ子は愛助にもまだ話していない自分の生い立ちについて、坂口と山下に語って聞かせていた。
彼女は香川県の生まれで、育ての親と生みの親は全く別。
スズ子自身がもらい子でその事は愛助にもまだ伝えていないらしい。
自分の口から社長の母親にきちんと説明すると言い張るスズ子を制して山下が代わりに自分が大阪に行ってくると。
山下は実は社長にはあまり良い印象を持たれていない。
山下が愛助の側につくようになってから、ろくなことがないとマイナスの印象を持たれてしまっている。
それでも山下はスズ子の歌手としての実力や愛助のこれからを考えれば自分が説明をするべきだと決意したようだ。
怒り心頭のトミに果たしてどれだけの説得ができるのか。
今週のエピソードは明日で一段落することになる。
物語のピークはすぐそこにまでやってきている。