既にカウントダウンの始まった「ブギウギ」
スズ子は、今では大スターとして常にヒット曲を求められる存在に。
師匠の羽鳥善一の言葉によれば、音楽が仕事になってしまっては今までのように楽しく嬉しいものはできにくい。
スズ子は安心して子育てを任せられる大野さんが家庭に入ってくれたことで愛子の事に心配はなくなった。
順風満帆に芸能活動が続けられると思ってみたが、ここへ来ていくつかの別れが。
愛助の母トミが結核で亡くなってしまったらしい。
スズ子は愛助との結婚は叶わなかったが、愛子が生まれたことで嫁と姑の理想的な関係が気づかれつつあった。
しかしあまりに早い死。
スズ子は気持ちの整理もつかないうちにさらにマネージャーの山下が仕事を辞めたいと言い出す。
彼は影になり日向になりスズ子の良き理解者として、今まで様々な活動の手助けを。
山下はスズ子には新しいこれからの人と仕事をしてほしいと懇願。
山下がスズ子のために用意した新しいマネージャーは彼の甥っ子。
全くの若者だが、山下が推薦するにはそれなりの理由があるのかも。
しかし、新しくやってきたマネージャーは驚くほど頼りない。
困惑するスズ子を尻目に仕事中の居眠り、大事な日に遅刻するなど散々な有り様。
しかし、これから一緒に仕事をする仲間としてスズ子は彼をしっかり育てようと決意。
論より証拠で自分自身の新曲の舞台を見せる。
スズ子の教育方針は新マネージャーの心の琴線に触れた。
ブギウギは残りの物語で最終的な落としどころを模索する。
目次
いくつかの別れ
ブギウギの物語の作り方はシンプルでとてもわかりやすい。
感心するのは、すべての事柄をセリフで表すのではなく、表情や仕草、さらには劇中に登場する様々なアイテムなどで見ているものの理解を求める。
場合によっては遊び心も入ったりして、少なくとも退屈する事は無い。
そして、物語の真面目さはモデルとなった笠置シズ子の運命を忠実になぞっているかのように見える。
もちろん全てをそっくり真似するわけではないが、大きな流れはそのまま踏襲しているような。
村山トミのモデルは言わずと知れた吉本せいだが、彼女は息子が亡くなった後3年経たずに同じ病気で亡くなっている
そのエピソードがそのまま物語に反映された。
スズ子がさらにいろんな話をしようと思っていた矢先にトミは亡くなってしまう。
物語は様々な人との別れと出会いが繰り返される作りになっているが、大きな流れとしてはこれからさらにいくつかの別れがあるものと想像する。
歌手福来スズ子に求められるもの
スズ子は東京ブギウギの大ヒットでレコード会社もずいぶん潤ったはず。
しかし、大スターの宿命で次なるヒット曲が求められる。
歌がヒットするか否かはフタを開けてみなければわからない部分が多いだろう。
最近のご時世では、大スターと呼ばれる歌手がたくさん存在するが著名なところで言えば、
マライア・キャリーなど誰もが認める大歌手。
彼女の出すCDは常に1000万枚以上の売り上げが求められるんだそうな。
普通日本では10万枚売れると合格点が与えられるのでは。
桁が違うなと思った次第。
時代は全く異なるが、スズ子にも同じようなものが求められていたと言っていい。
新人マネージャー教育
今までマネージャーを務めてくれた山下が仕事を辞めたいと言い出した。
彼は村山興業と長く関わってきたので、トミ社長や愛助がいなくなったことで、すっかり緊張の糸が切れてしまったと語っていた。
自分が身を引く代わりに若者1人を代役に。
山下が連れてきたのは、自分自身の甥っ子。
柴本タケシ。
実は彼が驚くほど心もとない。
スズ子は自分のことをさておいて新人教育もしなければならないような。
どんな仕事もそうだが、本人さえやる気を出せればうまくいかないことなんかほぼない。
スズ子の教育方針は見事に的中。
教材は 買い物ブギー
この頃、作曲家羽鳥善一は仕事に追われる日々。
楽しく作曲し、自分がワクワクドキドキする前にピアノや楽譜に向かうことが仕事になってしまったことで、ブギのネタ切れとも言える状態に。
今回の買い物ブギはたまたま見かけたスズ子の様子からヒントを得て作ったもの。
作曲はもちろん作詞も自ら行っている。
それにしても楽曲をものにするためのスズ子の集中力は他人のつけいる隙がない。
新人マネージャー柴本タケシが真っ先に学ぶべきはスズ子の集中力。
スズ子の渾身の舞台を間近に見ることのできたタケシはこれからはしっかりと仕事に身が入るものと思われる。
今週のエピソードはここまで。
来週の予告編から想像できる事は、スズ子の父梅吉に何かありそうな雰囲気。
さらにはスズ子の産みの親も登場する。
そして極めつけがアメリカ行き。
こちらはおよそ4ヶ月にもわたる長丁場。
物語はいよいよ佳境に。