「光る君へ」は今日で4話目。
物語は、歴史が大きく動くようなドラマチックな物語が描かれているわけではない。
平安時代の時代劇ドラマで、ほとんど記録にも残っていないような貴族たちの日常が、主な舞台設定。
主人公まひろは官職を持たない貧乏貴族の一人娘。
弟が1人いて、彼女は文学の才能に溢れていた。
才能を見込まれて父親から権力争いの内情を探るためのスパイをするように言いつけられる。
彼女が出入りするようになったのは、源倫子の家。
天皇への入内が話題にされるほどの高貴な身分だが、本人はまひろと気の合うこともあって、女癖の悪い花山天皇の妃になるつもりは無いようだ。
まひろは今だ身分の知れない藤原道長と知り合いになる。
実は子供時代からの縁があることを会ってから知ることになるのだが、彼は朝廷の者実力者
右大臣藤原兼家の3兄弟の三男道長だった。
時代背景は朝廷内の貴族の勢力争いが華やかなりし頃。
当時の円融天皇は様々な謀略が渦巻く中、退位して次の花山天皇に位を譲った。
天皇を支える貴族たちは、自分の娘や親戚などを天皇の妃にすることで影響力を得ることに奔走していたようだ。
道長の父、藤原兼家は娘詮子が入内して男子を設けていることで権力を手にすることができていた。
しかしそのために手段を選ばぬ悪辣非道なことも画策していたようだ。
娘詮子は円融天皇から嫌われ、明らかに不当な蔑みを受けていた。
そんな中まひろには舞姫の役柄が回ってきて、舞の席で道長が母親の敵と同席している驚愕の事実を知ることになる。
目次
円融天皇から花山天皇へ
日本のお国柄と言って良いのだろう。
天皇が最高権力者であることには違いないが、天皇を亡き者にしようとする動きは実はほとんどなかったと言っていい。
しかし、天皇に取り入り自分の勢力を拡大させようと言う働きは、過去から近代に至るまでしょっちゅう行われていた。
天皇に嫁ぐ女性を自分の1族から出すこと。
そうすればもし男子が生まれれば、その男子が天皇になり自分は天皇の親戚として権力を持つことができる。
驚くほど遠回りなやり方だが、日本の伝統的な手法でもある。
政略結婚と言ってしまえばそれまでだが、世界中で行われてきた歴史にも残る勢力争いの構図の一端。
この時代、円融天皇から花山天皇に変わったことでその次の皇太子も新たに決められる。
この時、右大臣藤原兼家の孫が皇太子になることになった。
藤原三兄弟
藤原道長の父兼家は右大臣で朝廷の権力者。
自分の娘を天皇に嫁がせることで男子を設けさせ、その後ろ盾となって自らの権力を拡大することに余念がない。
兼家には3人兄弟の息子と娘がいた。
娘詮子は天皇に嫁いでいて、皇太子を産んでいる。
3兄弟は、それぞれ朝廷の権力者として、しっかりと権力の中枢へ。
物語としては何の変哲もない勢力争いの構図だが、作者はここにドラマを盛り込んでいる。
道長の2番目の兄道兼は実はまひろの母ちやはの仇なのだ。
初回放送の時のエピソードでまだ記憶に残っている。
この事件があってから、まひろと父親の関係はぎくしゃくし始めた。
藤原為時とまひろ
まひろは目の前で母親を殺されて、犯人の顔も名前もしっかりと覚えている。
この事件の後、父親は母親の死をうやむやにするように皆に申しつけた。
目の前で殺されて犯人までわかっているのに、父親はそのことを無視した。
まひろにとって絶対に許せない対応。
この事件からまひろは父親を信用しなくなり、自分自身も何かとストレスが溜まる生活を送ることになる。
まひろの話を親身に聞いてくれたものが1人だけいた。
その人が後にまひろの夫になる藤原宣孝。
およそ2回りほど歳の差があったと聞いている。
今日の物語の中でそのことを思わせるようなエピソードも1部描かれていたと思う。
五節の舞の舞姫
実はこの踊り子に選ばれたのには、理由が。
もともと源倫子が引き受けるべき役柄だったが、天皇に会いたくない倫子の身代わりとして
まひろが引き受けることになった。
二つ返事で代役を引き受けたまひろ。
しかし、舞の舞台で母親の仇を発見して、驚きを隠しきれないまひろ。
さらにはその仇が密かに思いを寄せる道長のすぐ上の兄だったとは!
実際に歴史的な事実かどうかは定かではない。
しかしはっきりした記録がない以上ひょっとしたらそうだったかもしれないとの憶測は成り立つ。
ここで物語はドラマ性を増す。
そうでなければ、この時代は戦があったわけではなく歴史的にも平穏な時代だったと話に伝わる。
だが、ドラマとして盛り上がるためには相応の脚色が求められると言うもの。
ただし、ドラマを見ているものがどれだけ支持するかはまた別な話
来週以降どのような展開になっていくのか2見守る以外にない。
ちなみに道長の正室になるのはまひろが代わりを務めた倫子。
ドラマチックなこと、この上もない。