明日1日を残して今週のエピソードには、誰もが期待するきちんとした回答が出されたような。
昨日までの1連の流れで週刊誌記者鮫島の策略で、不本意な関係になってしまったスズ子とりつ子。
お互い、こんなはずではなかったと思いながら自分の正直な気持ちを見つめ直してみる。
りつ子は自分自身の歌手へのこだわりもあり、思い通りに歌えないことが大きな悩みに。
イライラしていたところに鮫島の誘導尋問のような問いかけ。
口車に乗せられて、スズ子と対談する羽目になってしまった。
スズ子は愛子の子育てをしながらの芸能活動。
大スターとしての地位はゆるぎなかったが、日々余裕のない生活を強いられていた。
そんな中鮫島の言葉巧みな誘導でりつ子と対談することになってはたが、結果は散々なものに。
お互い売り言葉に買い言葉で興奮したスズ子はつい声を荒らげてしまう。
母親の怒りに泣き出してしまう愛子。
りつ子とスズ子の関係を正常なものに戻したのは、愛子に他ならない。
いたいけな子供を泣かせてしまうような大人は初めから態度が間違っているのだ。
りつ子はわざわざスズ子の自宅を訪ねて謝罪。
あっけに取られるスズ子をよそにりつ子と愛子はすっかり打ち解けて仲良く過ごす。
そしてりつ子はスズ子のために自分と同郷の知り合いを家政婦として紹介する。
いかにもりつ子らしいおしゃれで思いがけないやり方で。
目次
週刊誌記者鮫島の本心
りつ子と鮫島のやりとりの中で鮫島本人の気持ちが現れた瞬間があった。
彼はりつ子とスズ子の2人を対比させることで、それぞれの歌手活動の宣伝を担っていると語っていたね。
さらには、我々記者がいることで、あなた方の仕事もうまい具合に知名度を得ていると。
りつ子は落ち着いた対応ではっきりと断言していた。
別にお客さんは1人だって構わない。
一生忘れられない歌を聞かせてあげる。
あなた(鮫島)を招待してあげる。
聞かれた鮫島はさすがに返す言葉もない。
遠慮しておきます…😓
最後のセリフに鮫島の記者としてのスタンスが現れていただろう。
週刊誌記者としての彼の追求すべき点はいかに面白い記事を書いて、雑誌の発行部数を伸ばすかどうか。
記事の内容は歌がどうこうではない。
読んでもらえるかどうかが1番の注目点。
茨田りつ子の謝罪
りつ子は鮫島が帰った後スズ子のもとへおもむく。
この間の対談の時は明らかに言い過ぎてしまった。
物語の中でははっきりとセリフには出てなかったが、スズ子以上に愛子を気にかける様子がありあり。
りつ子には自分自身の子育てを放棄してしまった苦しい過去がトラウマになっている。
この上、愛子を悲しませるようなことがあればとてもじゃないが自分を許せない。
りつ子はスズ子と同じように愛子をかわいいと思っている。
笠置シズ子と淡谷のり子も笠置の娘を交えて長年交流を続けていたと伝わる。
淡谷は笠置の娘に常々“お母さんに感謝しなさい”と語ったようだ。
2人のやりとりの中で、スズ子の自宅は子育て真っ最中なこともあって、見事に散らかりっぱなし。
しかし、りつ子はスズ子が全力で子育てしていることをむしろ微笑ましく嬉しく感じたようだ。
何よりも愛子に会うことができて会話をすることが楽しくて仕方がない。
考えてみれば、スズ子が日帝劇場で舞台をやったときに愛子の面倒を見てくれたのはりつ子だった。
りつ子自身の罪滅ぼしの意味もあった。
今回鮫島はすっかり悪者にされてしまったが、彼がいたせいでりつ子もスズ子も自分が命がけで歌手活動をしているとしっかり自覚できたはず。
スズ子とりつ子の歌手としての矜持
スズ子は週刊誌に書き立てられた歌手廃業の噂を払拭するために、ブギの女王としての新曲を発表する。
自分は間違いなく歌手なんだと宣言するために。
ブギウギで描かれるかどうかは別として、淡谷のり子もブルースの女王としてたくさんの楽曲を発表している。
そのエピソードが描かれるかどうかははっきりはしない。
しかし2人とも歌手活動こそが存在価値だとともに認める。
戦争中、2人とも歌う場所を自ら演出するために自前の楽団を抱えていた。
つまり自分1人だけの生活ではなかったわけで、大勢のスタッフの面倒を見なければならない厳しい身分。
2人は芸能人とは言え、他とは覚悟が違っていたのかも。
お手伝いさん😳
今日のエピソードの最後に登場してきた大野晶子は茨田りつ子と同じ青森出身の知り合い。
彼女本人が語る内容でいきさつも語られていた。
りつ子はスズ子の子育てに対し少しでも応援できることをしたかったようだ。
愛子を安心して任せられる家政婦がいない。
そこで白羽の家が立ったのが彼女。
ドラマを見て感じるのはなんと違和感のない青森弁のセリフ回し。
俳優たちの底知れぬポテンシャルに脱帽する。
ドラマを見るときに私はセリフなどを字幕で表示することにしているが出来栄えの素晴らしさに感動することしきり。