今も昔も変わらないが、タブロイドの記者たちは悪者扱いされる。
ブギウギには悪役は登場しないと思ってはいたが、どうもそうではなさそう。
週刊誌「真相婦人」の鮫島記者は、巧妙な罠によってスズ子とりつ子を誘導。
お互い相手のことを批判し合う形での対談を画策。
これらも物語をよく見ているとすぐにわかることだが、鮫島の言葉がいかにもスズ子やりつ子が語ったように仕組んでお互いの疑念を増幅させる。
物語自体はベタな作りになっているので非常にわかりやすい。
りつ子はスズ子のことを「うのぼれている」と言い切っていた。
そしてブギの人気ももうすぐ終わると。
映画などにウツツを抜かしている場合ではないとも。
もちろんスズ子は何をやるにつけても全力投球でいい加減な気持ちなど微塵もない。
そして歌手を止める話も話題に登っていたがそれも真っ向否定。
福来スズ子が歌手を止めるなど絶対にありえないと言い切る。
また、鮫島はりつ子にスズ子が語ったと吹き込んでいる。
“歌手しか能のないりつ子がかわいそう”だと。
お互いそんなこと思っているはずもないのに、鮫島の巧みな捏造は2人の関係を険悪なものに誘導した。
対談も行われるが、すべて鮫島の筋書き通り。
スズ子とりつ子はお互い批判し合う形で関係がぎくしゃくしてしまう。
そしてつい興奮したスズ子は声を荒らげてしまい同席してい愛子が泣き出してしまう。
これこそが鮫島の願ってもないシチュエーション。
週刊誌にはあることないこと好き勝手に書かれて、2人のお互いの印象は著しく悪化。
目次
真相婦人鮫島記者
鮫地はいかにも悪者そうな表情でドラマに登場。
演じている役者のインタビューがネットに載っていた。
自分の悪役としての役柄を違和感なく演じさせてもらっていると。
主人公を陥れるための悪者の役なので、役者としてはやりがいのある仕事に違いない。
しかし、あえて世の中の週刊誌や新聞の記者たちの名誉にかけて言っておくがすべての記者たちがこのように低俗な人たちではない。
命がけで戦争などの大量虐殺について報道する熱意ある尊敬すべき記者たちも、世の中には多数いるので。
たまたま物語の中では、鮫島が悪者の役どころを一手に引き受けている。
これはこれでとても面白いなと毎朝楽しみに見ることに。
りつ子とスズ子
りつ子は歌以外のことで喉を使う事は控えると語るほど歌に命をかけている歌手。
彼女を巻き込むために鮫島は巧妙な罠を張った。
それはブギの女王福来スズ子が“茨田りつ子は歌手しかできない寂しい人だ”と語っている。
こういうのを捏造と言うんだよね。
明らかにスズ子に悪意があるかのような発言。
りつ子としてみれば絶対に面白くないだろう。
鮫島に吹き込まれたりつ子は“ブギ人気ももうすぐ終わりだ”と冷たく言い放つ。
お互いがいがみ合うように絶妙に誘導する鮫島。
スズ子はりつ子が語ったとされるブギ人気はもうすぐ終わる発言に激しく反応。
既にお互いの心はすっかり誘導されているので、相手の事などどうしても信用しがたい。
売り言葉に買い言葉で、どうしても相手を嫌悪するような方向にしか考えが及ばない。
この2人は、実はお互いのことを歌手としてとても尊敬していた。
りつ子はもともとクラシックのソプラノ歌手なので、高音で声をふるわせるコロラトゥーラの名手。
スズ子は羽鳥善一の指導のもと、わざと声を潰すなどして野性的な発声を身に付けていた。
お互いの雰囲気に合わせてそれなりの演出に基づく歌を歌う。
簡単に比較することなどできるはずもないのに💦
タナケンのアドバイス
スズ子とりつ子の対談は、鮫島の巧みな誘導によって散々なものに。
特にスズ子の落胆は目に余るものが。
週刊誌記事を読んだタナケンが映画撮影の最終日、スズ子を尋ねてくる。
週刊誌記事を指して、こんなものに左右される事は無い。
自分の信じた歌手なり役者なりを精一杯演じること。
そしてそれを継続することで、お客さんには必ず伝わっていくと。
いかにもタナケンらしい励まし方。
スズ子はりつ子との対談がうまくいかなかったことですっかりしょげていたが励まされたことで少し気持ちを持ち直す。
スズ子はそのまま映画の撮影の最終日に臨むことになった。
途中、様々なアクシデントに見舞われたが、作品作りにかける情熱はスズ子もタナケンも同じ。
2人の集中力は見事に撮影を乗り切ったと言える。
歌へのこだわり
スズ子は映画の撮影の時も自分が歌手であることを決して忘れなかった。
歌を出せば大ヒットする事はわかっていたが、ここへ来て善一に新曲の作曲依頼をすることに。
善一は今までずっとブギでやってきたが、ここで少し目先を変えて別なものにしようかと提案。
しかし、スズ子ははっきりと言い切る。
ぜひブギでお願いします。‼️
スズ子は自らに冠されたブギの女王のにこだわりがあった。
ブギの女王にふさわしい歌をもう一度みんなに披露する。
思いを込めた依頼となった。