佳境に入った物語。
感じるのは登場人物をはじめ、ドラマのさまざまな設定がオリジナルっぽいこと。
ライバルとされる水城アユミは美空ひばりがモデルと思われたが、聞くところによれば江利チエミの方が近いらしい。
物語の設定ではかつてスズ子が憧れた大和礼子の忘形見とのこと。
それはブギウギオリジナルではないか?
そして水城アユミの父親股野は今日のエピソードの中で男手一つで自分の母親の協力を得ながら娘を育てたと語る。
彼が苦しいときに励ましてくれたのがスズ子のブギウギだった。
今は娘のマネージャーをしながら成長を見守る。
スズ子は愛子の子育てと全く被る話しに驚きを隠しきれない。
今日の展開の中で注目したのは、先週詳しく描かれた誘拐事件の犯人との交流。
犯人小田島は息子を連れてわざわざ挨拶に。
普通はあり得ないことと思うが、先週を振り返れば高橋刑事にずいぶん親身に扱われていた。
詳しく説明されていたが、富山に行って親戚の口添えで庭師の仕事をしていたとのこと。
しかし、親戚が北海道に引っ越してしまうこと、息子の一君が東京に戻りたがっていることを考えて、再びこちらで仕事を探して地道に暮らしていこうと決意したようだ。
まず真っ先に迷惑をかけたスズ子の所に謝罪に来なければと思ったようだ。
物語はどんどん進んでさらに昨日から登場した水城アユミとのやりとりも。
どうやらスズ子には自分では決めかねる難しい依頼が舞い込んでくるような。
目次
思いがけない謝罪
誘拐犯の小田島がこの物語に再び登場してくる事はネタバレ情報で把握していた。
普通はわざわざ謝りになんか来たりはしないだろう。
しかし、いくつかの理由があって謝罪する道を選んだ小田島。
1つは取り調べの時に刑事から受けた温かい対応。
もう一つは息子の存在だろう。
小田島が人として最も正しい方法をとっているなと感じるのは、自分の息子に対して恥ずかしくない行動をとるってこと。
小田島は、スズ子の娘愛子は1人娘でどれほど家族にとって大切にされていたか嫌と言うほど知っていた。
それ故の誘拐予告。
どんなに苦しくても、誰かの持ち物を奪って自分が幸せになれるはずもなく。
息子に申し開きできないような真似だけはしてはいけない。
このときの話し合いをもとに、スズ子は小田島を庭師として雇うことに。
物語だからできると言えばそれまでだが、スズ子は母親のツヤから義理と人情について丁寧に教え込まれていた。
何かの縁なんだから自分ができることをしてあげたい。
何の恩義もないからこそ助けになるようなことをするべき。
これは多分仏教の教えの中にあったような気がする。
仕事と子育て
今日の物語の中で丁寧に描かれていたのは、それぞれの家庭の子育てがどんなふうになされているか。
スズ子は愛子にあらん限りの愛情を注いでいた。
小田島は息子に恥ずかしくない人生を送ろうと決めていたようだ。
スズ子の人生ではどんな仕事であろうと生きるために頑張る姿は皆としく尊いと受け止める。
それは娼婦のような女性たちも、スズ子には頑張ってる人たちでみんな一緒。
今回誘拐未遂事件を起こした小田島もスズ子には頑張っている点で同じように映ったのかもしれない。
水城アユミ親娘とスズ子
スズ子と股野はかつての思い出話に花が咲く。
お互い
子育てと仕事の両立で苦労した部分も通じるものがある。
話を聞いていて感じたのは、それぞれ必ず助けてくれる人がそばにいた。
全くの1人で全てをこなす事は不可能だと思うので。
股野はアユミのマネージャーとして活動していく中で、どうしてもスズ子の助けが必要だと感じていたようだ。
実は、依頼される事は、スズ子以上にマネージャーのタケシが危惧していた。
愛子の誘拐未遂事件は、タケシにとっても寝耳に水の事件だった。
その事件が終わらないうちに、さらにまた股野親娘がスズ子に擦り寄ってくる。
マネージャーとしては簡単には首を振るわけにはいかない。
難しい依頼
アユミはスズ子を心から尊敬しているようだ。
自分が歌手になることを決意させた「名曲ラッパと娘」を歌わせて欲しい。
丁寧に許可を求めてくるあたり、しっかり筋を通しているようにも見える。
スズ子は羽鳥善一にお伺いを立てなければと。
この物語のストーリー展開は想像力の賜物だと言える。
鮫島がなんと憎らしい役を演じていることか。
物語の人物描写が実に巧み。
今週の物語はここで大いに盛り上がることになる。
のエピソードにケリがつけば、残りは5回の放送で完結するしかないのだから。