物語は今週3日目にして展開がいよいよはっきりしてきた。
昨日からの流れを受けて、よねの跡をつけた寅子はひょんなことから裁判の傍聴をすることに。
それは民事の離婚訴訟に関わる裁判。
その中で明らかになる当時の時代背景。
戦前の日本社会では男女が結婚した場合、妻は夫の所有物になると規定されていた。
男女平等が当たり前に叫ばれる現在とは全く異なる。
夫は妻の持ち物全般を管理することになる。
そして妻は夫の所有物として法的には無能力者と規定。
能力がないと言う意味ではなく、一切の権利を所有しないという意味。
この言葉だけ聞いても驚くほどの女性蔑視。
裁判の傍聴で寅子は世の中がいかに理不尽なことなのかを思い知らされる。
そして自宅に帰った後、鼻息も荒く家族に宣言する。
結婚は罠だ‼️
みんなわかっているのか?
寅子の怒りは頂点に💢
ドラマの流れがはっきり見えてきた結果、この後どんな流れになるのか。
翌日、女性の法律家誕生のための法案が先送りにされたことで気にした穂高博士は憔悴した生徒たちを励ますために、スピーチを。
事実にめげることなく勉学に励んでほしい。
博士の言葉に偽りは無い。
そんな中でいくつかの質問が。
本当に法案が成立するのかどうか?
さらには寅子が昨日の裁判傍聴を受けて、具体的な質問を。
返ってきた答えは、おおよそ明確性に欠けるものの。
しかし、女性法律家誕生のためには格好の教材になったかも。
目次
民事裁判傍聴
裁判の状況で時代背景などがよく理解できる。
物語で語られたのは離婚裁判で勝訴した妻の自分の嫁入り道具の返還請求について。
妻の訴えに対して、夫側は離婚訴訟で敗訴したにもかかわらず、控訴請求していた。
つまり判決を認めずに、いたずらに裁判を長引かそうとするようにも見える。
裁判の様子がよくわかる設定。
弁護側が必死で訴えたことに対し、神経を逆撫でするような反対尋問。
ここでの物語の見所は傍聴してる寅子の反応。
彼女は湧き上がる怒りを抑えきれない。
さすがに裁判中のやり取りに口出しするところまではいかなかったが、体から怒りがふつふつとほとばしるような。
民法の規定
昭和初期の民法では妻は夫の所有物として規定されているようだ。
男女平等の現在では考えられないような女性蔑視が当たり前だった時代。
女性は結婚することによって自分の所有物ばかりか自由も全て搾取され、奴隷のような生活に甘んじるることになる。
“結婚は罠だ”と言い切った寅子の激しい感情は彼女のこれからを暗示するかのよう。
物語を見ていて寅子のポリシーがどこにあるかがはっきりと示されるように。
彼女なりの幸せは、自分自身が自由にのびのびと生きていけること。
少なくともこの時代の法律は真逆の設定になっているのでは。
寅子の怒り💢
傍聴することで多くを学ぶ寅子。
現実の法律に激しい怒りを覚え、女性蔑視がここまでひどいのかと思い知らされる。
実はここでもこの物語でとても大切なことが描かれている。
それは教室の中でも1人浮いている山田よねと全く同じ反応をしている寅子。
よねは現実の様々な症例を見るにつけ、自分が抱いた怒りを決して忘れないために裁判の傍聴に来ているのだと宣言。
つまり彼女も女性の自由を奪い、さらには女性を侮辱する風潮に激しい怒りを抱いていた。
怒りを忘れないために裁判を傍聴するなんて凄まじいモチベーション。
教室で誰とも仲良くなれないと思っていたよねだが、どうやら寅子とは似たもの同士のような気がする。
よねが法律を受け入れるしかないと思っているのに対して、寅子はどうすれば上手に解釈することで問題解決の道がないか探ろうとする。
法律によってはジタバタするだけにしか見えないかもしれないが、理不尽な事はそのまま見逃せば、いつまでも改まることなくまかり通ることに。
現在巷で話題の政治資金の問題も誰かが声を上げて騒ぎ立てなければ、いつまでもそのまま継続されることではなかろうか。
穂高博士の提案
法律の改正が遅れ続けることで、さすがに生徒たちにも動揺や不安が広がる。
法改正が20年後30年後では話にならないとよね
必ず卒業までに何とかすると穂高博士。
そこで寅子から昨日の傍聴についての質問が。
今の法律では勝ち目のない裁判だが、何とかならないのかと。
そこで博士から提案が。
症例として、君たち自身が考えてごらん。
どんなふうに裁判を続けるのが良いかは1期生も2期生も同じように考えるようだ。
果たして逃げ道があるのかどうか。
簡単なのは法改正してしまえば良いが現行の法律で落としどころを探すしかない。
博士の提案に1人鼻息の荒かったのは寅子。
彼女の持ち味がはっきり示されるのかもしれない。