カールニールセン
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この名前を聞いてピンと来る人は少ない。
北欧デンマーク出身の有名な作曲家。曲を聞いてみてもそれほど聞き覚えがあるわけではないが、実はデンマークでは紙幣にも肖像が印刷されるほどの国民的英雄
ちなみに紙幣ではこんな感じ
どのくらい有名だったかよくわかると言うもの。
日本で言えば、福沢諭吉とか夏目漱石、または樋口一葉この辺の人たちに匹敵する位の知名度かなと。
若い頃はデンマークなど北欧には音楽活動するような芸術家っているんだろうかと思ったことも。
デンマーク出身の芸術家たち
でも音楽に限らず、北欧出身の芸術家は知名度がそれほどでも、優れた方が結構いるんですよ。
デンマークで挙げるならば、あの有名なアンデルセン。 アンデルセンは世界的に有名な童話作家ですよね。
このカールニールセンとほぼ同郷と伺います。
ニールセンが1865年生まれでアンデルセンは1801年生まれ。
2人ともデンマークを代表する偉大な芸術家と言える。
さてカールニールセンであるが、今から 50年ほど前に巡り会った曲がある。
ニールセン - 交響曲 第4番 Op.29《不滅》 カラヤン ベルリンフィル
廃盤寸前のレコードをあの当時注文で買い求めたのだが、この演奏はYouTubeアップのカラヤンのもの。
この曲は冒頭部分から様々な聞きどころが満載なのである。
知ったのははるか昔
懐かしいエピソード
この曲を初めて知った高校生の頃、吹奏楽をやっていた私は友達から「こんな曲があるんだよ」と紹介された。
複雑なオーケストラワークと大きな音量で訴えかけてくるこの曲の作曲家は一体誰なんだろうと。その当時思ったものである。
デンマークのカールニールセンとしかわからなかったが、北欧にも著名な作曲家をはじめ芸術家がたくさん輩出していることをその後に知ることになる。
この交響曲第4番サブタイトル「不滅」はカールニールセンの代表曲と言っていいだろう。
第一楽章の激しいやりとりから、第2楽章のストリングスのみによるパフォーマンス。(ちょうど17分後半から18分にかけて始まる)
初めて聞いたときは、この部分の訴えかけてくる切なさが非常に印象に残ったものである。
この曲の最終章は、聞いてわかるとおりティンパニが大活躍するのである。
オーケストラでは通常ティンパニはふたつセットのものが、 1組配置されるだけなのだが、この曲に関して言うと6個セットのものが左右に1組ずつ。
つまり12個配置される。
このティンパニ曲の中間部分(第4楽章)で、掛け合いによって奏でられる。
( 35分後半あたりからこの掛け合いが始まります)
ティンパニが大活躍する曲なんてこの曲以外には知らない。
オーケストラで様々なダイナミックな曲は数あれど、この曲はまさにトップレベルと言っていいでしょう。
今改めて聴き直してみても、良いものを聞いていたなと実感することしきり。
カールニールセンは旺盛な創作意欲によって様々な作品を生み出したが、他のものを少し聴き比べてみましょう。
© Carl Nielsen - Helios, ouverture - DRSO - Osmo Vänskä
実はこの曲を取り上げたのには種明かしが。
私が所有するレコード「不滅」のB面 に収録されているのです。
オーケストラを駆使する作曲方法
カール ニールセンの特徴としてオーケストラに存分に音を出し切らせようとさせますね。
当然のことながら指揮者によってバランスよくコントロールされなければいけないですが、生の演奏を聴く分については十分な満足感が得られると思います。
そのオーケストラが持っているフルパワーの状態が余すことなく発揮されるからです。
ニールセンが演奏者に配慮した作曲をしたかどうかはわかりませんが、演奏していてもかなり楽しいと思いますね。
演奏家に配慮する作曲家はあのドヴォルザークがそうなんですね。
専門的な話になるんですが、オーケストラの様々な楽器には同じ楽器でもファーストセカンドサードと言ったようにパートが分かれるんですよ。
花形はファーストです。セカンドサードとなるとファーストのようには活躍しにくい。
ドヴォルザークはその辺のことにとても配慮した作曲家だと聞いています。
ニールセンの不滅を聞いても、ファーストだけが活躍しているようには聞こえません。
様々なパートがそれぞれに絡み合って、それぞれの働きをしっかりと果たさなければ、曲自体がダイナミックに仕上がっていきませんもの。
まとめ
非常に古いものですが私が所有しているレコードのジャケットを紹介しておきましょう。