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ピアノは両手で弾くもの?
ピアニストがピアノを弾く様子は誰もが見てわかるとおり、両手で弾くのが普通。
しかしながら、何らかの理由で右手が使えなくなったとすると、本来ならばそのピアノ奏者の演奏家としての未来は絶たれることに。
でも、昔から左手1本でピアノ弾くピアニストは活躍しておりました。
シューマンの奥様 クララシューマン
クララシューマンはあのロベルトシューマンの奥さんで、当時著名なピアニストでもありました。
しかし夫であるシューマンは、優れた作曲家ではあったのですが、残念なことに今で言うところの統合失調症か何かを発症し精神が破綻しておりました。
厳しい闘病生活の後、夫を失ったクララは、その時右手がきかなくなって、ピアニストとしての演奏活動ができなくなったことがあるんです。
その厳しい状況を見かねた若き日のブラームスが、クララシューマンのために左手だけで弾けるピアノの曲を編曲して提供したとされています。
有名なところでは、バッハのバイオリン曲シャコンヌ。
この曲を左手1本でこなします。
左手で弾くピアニストたち
調べてみるとこれらの方以外にもたくさんいます。
女性の方ももちろんおられるし、プロでは無いですが小学生の男子女子。
演奏会も盛んに行われていますね。
左手だけのピアニスト用の作曲も編曲も多い
これはNHKの番組からの抜粋ですね。
リアルタイムで拝見していたので、事情がよくわかります。
また、普通のピアニストがどうして左手だけの演奏しなければならなかったのか、その理由の一端が語られます。
舘野泉さんはラジオの特集番組にも出ておりました。
その時の話では、日常生活ではそれなりに右手を使ったりはするんだそうです。
しかしながら、ピアノのようなデリケートかつ力強くまた素早く動かさなければいけないような事はやはり厳しいんだと。
それでも何度か訓練するうちに左手1本で演奏することを志すようになり、試行錯誤を繰り返した結果、今のような演奏スタイルを確立。
ラジオでおっしゃっておられたのですが、日々の楽しみはお酒なんだそうですよ。
晩酌として焼酎のロックとかを飲むそうです。
まとめ
ピアノ弾いたことのない私が語るのも信憑性のないことかもしれないですが、
左手のみの演奏では、やはりトータルで音が足りない。
それは当然でしょう。右手も合わさって初めて通常の演奏の形態が成り立つわけだから
ピアニストの気持ちとして、ピアノの効果を最大限に生かすために、様々なアプローチを試みます。
まずなんといってもピアノ鍵盤全体を左手1本でカバーできるような鍵盤の認識が挙げられます。
左手がより自由に動くように、口で言うのは簡単ですが、これは脳に学習をさせるんですね。
最新の脳科学では、目と手は脳の働きの1部とされます。
左手が右手の働きも含めて自由を得て、自在にインスピレーションを働かせる。
そしてあと技術的にクリアするのは、ピアノに装備されたペダルを限界まで駆使する
そうすることによってこの記事の途中で紹介した舘野泉さんのような演奏が可能になるようです。
まだ10代の若者でも、脳梗塞を発症して右半身が自由にならなかったりする人はそれなりにいるんですね。
そういった人たちがピアノ演奏をしようとすれば、どうしても左手1本と言うことになります。
しかしながら左手だけでもこなすことができるピアノという楽器の可能性は、目を見張るものがあります。