ネットでもよく見かけるし、テレビでもやるようになった“卒婚”と呼ばれる状態の特集。
夫婦が分かれることを“離婚”
これは経験したものならわかるが、それなりにエネルギーを必要とする。
夫婦仲がある程度悪くなると、昔から言われていたのは“家庭内別居”
それと“家庭内離婚”
少し調べてみると“卒婚”は必ずしも夫婦仲が悪いわけではなさそう。
どちらかと言えば明るい印象があるが、若い世代には当てはまらないのも特徴かな?
目次
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離婚ではない卒婚
離婚と卒婚は明らかに違うのだ 。
離婚は法律的にきちんと届け出を出して、それが役所に受理された段階で成立。
届け出は婚姻届と同様、証人2名の署名が必要。
軽い気持ちではできないことなので、多分結婚する時よりもエネルギーが必要だと個人的には思う。
経験的に見て、男性は何とか関係を継続しようという気になるが、女性の場合は様々で、どちらかと言えば一旦見切りをつけてしまえば、そのままと言う場合が多いのではないか。
もちろんケースバイケースで決まったことなど1つもない。
婚姻届が夫婦両方が役所に出向くのに対して、離婚届の場合はほとんどがどちらか一方だけ。
したがって本人確認は届け出た人のみとなる。
提出の時に役所に行かなかった場合は、後から 該当の役所から連絡が届くことになっている。
つまり、届け出にいかなかった側には
『離婚届が提出されたけど依存がなければそのまま、もし不服を申し立てたい場合は直ちに連絡がほしい』との。
離婚とはそうしたもの。
さて今回新しいワードの卒婚。
離婚との決定的な差は、離婚届を提出していないこと。
つまり法律上の夫婦関係は解消せずに、生活のみをお互いそれぞれ自由に行うというもの。
別居して暮らす人もいるが、同居したままの場合もあるようだ。
ちなみに、若い世代ではあまり見かけない。
どちらかと言えば中年以降、熟年の世代に多く見かけるようだ。
若いうちは子育てとかもあって、それぞれ別々な行動をする事には、ちょっと無理があるだろう。
たいていは子育てがある程度終わって、夫婦2人だけになったときにこの選択をする場合があるということ。
精神的にも肉体的にも自由な境界を目指す
この図を見てみると還暦あたりが1つの目安になるだろうか。
この辺は人生の1つの節目となる。
還暦を過ぎて人が生きられる残りの年月は、人にもよるだろうが平均寿命から考えれば 20年以上30年以内というところか。
若くして亡くなる人にはあまり当てはまらないデータと言える。
最近の例では、サラリーマンの場合、仕事は概ね65歳までは働かなければならないようだ。
もちろん自営業とか芸能人のような人たちには、定年と呼べるものがないので、必ずしも当てはまるわけではない。
一般の人たちにとってはサラリーマンを65歳でリタイヤして、普通は年金生活になるが、そこら辺でお互い別々の道を模索するような感じ。
ちなみに、2004年に次の本が発刊された。
この本の中でお互い干渉せずに自由に生きていこうと歌われている。
離婚をするわけではないので卒婚。
思うに“ものもいいよう”だなと。
いくつかの例がテレビの特集番組の中でも語られていたが、同居しつつ卒婚している人の場合、食事を始めすべてが別々とのこと。
素人目には気まずくないのかなと思うが、生活費も別にしていてお互いそのほうが気楽ということであれば、何の問題もなく暮らしていけるらしい。
普通夫婦でいれば、愛情いっぱいの時期はそれほど長くは続かない場合がほとんどだが、しかし不思議なもので愛情は時間が過ぎていくと、少しずつ友情に置き換わる。
夫婦はそれで成り立っている場合が多いのではないか。
ただし、夫婦仲で考えれば、お互いがいがみあったり憎しみあったりしている場合は、やっぱり離婚が妥当だと言える。
卒婚は夫婦として友情に相当する部分がそれなりにしっかりと残っていなければ、簡単に踏み切れることにはならないはず。
最近は選ぶ人も多いみたい
ちなみにタレントの“清水アキラ”さんとか “加山雄三”さんは卒婚を表明している。
お互い別居中らしい。
しかしそれぞれが納得してこの生活を選んでいるのであれば、それはそれで何の問題もなかろう。
しかし、昔風の考えを持っている私にしてみれば、この状態は限りなく離婚に近い気がする。
もともとこのような関係は、離婚と卒婚にそれほど大きな差を感じていない人たちに当てはまることと思うのだ。
離婚をするときに考えるのは、やはり世間体だろう。
子供がいれば親権も重要な問題。
とりあえずはそのような事で悩まなくても良い。
これからの夫婦の関係を考えたときに、選ぶ人はそれなりにいるのかも。
よくはわからないが、それほど危うい2人という事でもなさそうだ。
気になった点
1番気になった点は、とにかく“お金”のこと。
2人が別々に暮らしても十分にやっていけるだけの収入が確立していればいいが、そうでない場合は簡単には行動を起こせない。
別々の暮らしとなれば、相応の出費を覚悟しなければならないのだ。
同じ家の中で済むのであれば生活のリズムを分けるだけなので、お金の管理は別居よりはやりやすいかも。
この関係の場合、世間体を気にすることがないので、その点が1番気楽と言えば気楽。
そしてもう一つは、こういった関係をお互い意識するような夫婦だとそれなりにきちんと話し合う機会を持てるだろう。
離婚に至るような夫婦は、ほとんど会話などないのでは。
口を開けば喧嘩するような状態では、話し合うも何もあったものでは無い。
卒婚対象の夫婦はその前提条件として、お互い胸襟を開いてきちんと話し合いができること。
いざ別々にしてみたら話が違ったなんて事は起こりにくいのかも。
最近の流行と言うわけではないだろうが、このような夫婦関係は夫婦がそれぞれ仕事を持ったりしていて生活がすれ違っていたりしたことも原因の1つになるかも。
専業主婦でずっとやってきた女性が、卒婚を考えるのは、定年退職後に夫が日がな一日家にいることを煩わしいと感じる場合。
そうでなければ簡単にふみきれるわけではないはず。
世の中の形態は多様なものに変化しつつある。
今まで当たり前と思ってきたこともこれからは違う時代に入ってくるのかも。
卒婚はそういった時代に入ってきたことを、あたかも象徴するような言葉なのかもしれない。