1週間振り返りのエールも今週は厳しい内容を含むものとなった。
船頭可愛やの大ヒットを受けて、しかも華ちゃんが生まれて順風満帆の祐一君家族。
そんな中福島の恩師藤堂先生から小学校の校歌作曲の依頼が。
そこで、校歌を作った後福島に里帰りすることに。
懐かしい人たちと会えるのはとても嬉しいけれど、気がかりなのは故郷を捨てた思いの強い祐一君の家族との関係。
そして故郷を離れていた間にお父さんに大変な事態が。
目次
福島凱旋里帰り
故郷に帰ってみて分かった事はまず実家の喜多一は店を閉じて半年ほど経っているとの事。
今はお父さんお母さんと弟浩二君との3人暮らし。
たまに息子が帰ってきたことではしゃぎまくるお父さん。
すぐにかつての仲間を呼び寄せて宴会を。
ヒット曲が出て全国的に有名な祐一君のことが誇らしくてたまらないのだ。
何かにつけて盛り上がる宴会だったが、実はこの時お父さんは重篤な病気にかかっていた。
それは末期の胃がんでもう手の施しようがないくらいひどいらしい。
そしてその事は、誰もなかなか話してはくれなかった。
お母さんと浩二君だけの秘密で、お父さんにも内緒とのこと。
弟浩二君との関係
里帰りをしてみたもののなんとなくギクシャクする古山家の様子をみて、少し長くいようと決めた祐一君夫婦 。
自分たちの滞在費を含めてお金を渡そうとしてもかたくなに拒否されてしまう。
それでもがんばって問い詰めて聞いたところが、お父さんは末期の胃がんでもう助からないとの事。
祐一君は今まで自分勝手なことを優先して家族をないがしろにしたと激しく攻められてしまう。
そこには複雑な事情があって簡単には語られることでは無いのだけれど。
浩二君にとって祐一君の音楽の才能は羨ましくもありねたましくあったのだ。
自分はどんなに頑張ってみても普通の事しかできないと、そのことを悔しいと思う気持ちもあって、いつの頃からか祐一君を許せないと思うように。
浩二君は喜多一を店じまいした後役場に勤めて農産振興のための仕事を。
実はそこの仕事ぶりを見ても随分と苦労している様子で、本当にストレスを溜めているような。
浩二君なりにがんばっていた矢先のお父さんの病気。
あらゆる手を尽くして様々な医者に相談をしてみても結局助けられることにはならず。
お母さんと2人で必死にお金の工面をして、福島県内のこれはと思う医者には全て見せて手を講じていた。
それでも病気を治すことにはならず。
お父さんに悟られないように必死で隠しながら今日までやってきたのだ。
お父さんが抱えている切羽詰まった病気
お父さんに内緒のはずだった末期の胃がん。
しかしお父さんはすでに感づいていた。
どんなに楽されてみたところで、自分の体調を考えれば思い当たるところも多々あるし、何よりもお母さんや浩二君がどんなに隠してみたところで、家族の間では隠し事などいずればれてしまうのが常。
末期の胃がんなので、おそらくは痛み止めを常用しなければとても耐えられたものではなかっただろう 。
ドラマの中でもわずかに描かれていたが、痛みを我慢するために、自分の左腕を歯型が残る位噛み締めて頑張って耐えていたのだ。。
経験から見て末期の胃がんであれば使用する痛み止めはモルヒネ以外にはない。
そしてそのモルヒネも飲み薬では役目をなさないだろう。
今ならば24時間の点滴で痛みを緩和することが可能だが、自宅での治療となればそうはいかなかったはず。
おそらく、あちこちに転移していて手の施しようがない事は容易に想像できる。
簡単に胃がんとは言ってみても、胃の粘膜の内側に収まっているうちはまだ良いが、すぐに外側に出てしまう。
胃の裏側には膵臓があって、膵臓のすぐそばには肝臓が。
そしてこの辺は太陽神経叢と言って重要な神経の束も集まっている。
末期のガンではこの神経を激しく刺激するので拷問に近いような痛みを味わうことに。
お父さんはまさにそんな状態だったようだ。
お母さんを始め家族が抱き続けていたくるしみ
音ちゃんの前では素直に自分の気持ちを表すことができたお母さん。
連れ合いを失うであろう苦しみは味わったものでなければ到底わからない。
これからやってくるであろう永遠の別れを考えればとてもじゃないが平静でなんかいられるわけもなし。
エールでは音ちゃんがそんな姑にしっかりと寄り添っていて、とても健気に頼もしく思えたもの。
本当は家計的にも苦しかったのだろう
祐一君からの金銭の援助も本当は素直に受け取りたかったのだが、浩二君がかたくなに拒否。
この場合、やっぱり寄り添ってくれる人がとても頼りになるわけだし、自分もそこで癒されるのだから。
エールでは音ちゃんとお母さんがかつて祐一君の将来をめぐって厳しく対立したことが。
でもその時のわだかまりもすっかりと打ち解けてくれたのはとても好ましく感じたね。
あなたの判断は正しかった
これからも祐一をお願い
とても思いやりのこもった素敵な場面だったよね。
お父さんの遺言


お父さんは最後の仕事として古山家の行く末にきちんと道筋をつけていった。
まず家の所帯は浩二君に全て譲ること。
そして家族への感謝の気持ち。
俺の人生はおめぇ達2人がいたおかげで素晴らしかった。
これから逝く人からかけてもらえる感謝の言葉ほど残ったものにとってはありがたいものはない。
世の中の大多数のほとんどの人はそういった気持ちを告げることができずに逝ってしまうので 。
喜多一の経営では様々なことがあって、ずいぶんとおさがわせなことも盛りだくさんなお父さん。
しかし立つ鳥跡を濁さずではないが、有終の美を飾れたのでは。
最後にお父さんが成した最高の業績は、
浩二君と祐一君をきちんと仲直りさせたこと。
心の中にしっかりと根付いていた祐一君への憎しみをきれいさっぱりとることができたのでは。
物語はそうして来週の予告編となったが。
ここで本来のストーリーとは1線を画して、オムニバスのストーリーが描かれるようだ。
主人公の祐一君の周りの人が主役となって描かれる。
この演出はエールでは1回目の放送でかなり優秀だと感じたので期待が持てそう。