昨日の続きとして描かれたストーリーは、
ついに寛治君が満州へ向けて旅立つ物語。
彼が満州行きを決めたいきさつは、千代ちゃんと一平君と暮らし始めたことに起因する。
屈折した子供時代を送っていた彼は、人の事など一切信用できなかったし、心は見かけとは違って驚くほどすさんでいた。
その凍りついた寛治君の心を溶かしたのが千代ちゃんと一平君。
彼ら2人の掛け値なしの優しさと受け入れる気持ちは寛治君を1人の朗らかな青年として育てあげることになった。
目次
僕は人の役に立ちたい
びっくりするほど崇高な思いで満州行きを決断した寛治君。
以前なら絶対にそんな気持ちにはならなかったと。
自分の損得を捨てて誰かのために全力で尽くすことのできる人たちがいる。
そして今、自分がその真心を受け取ることができて、大きく進歩することができたのだと。
寛治君は自分がそんな気持ちになれたことを誇りに思っているようだ。
誰かのために力になってあげたい。
誰かの役に立ちたい。
その思いで、満州での慰問劇団への参加を決めた。
出発のときの様子も詳しく語られていた。
必死で説得する一平君を制して満州へ旅立とうとする。
あちこちに深々と頭を下げて旅立とうとする寛治君に千代ちゃんがおにぎりのお弁当を持たせてくれた。
決して満州行きに賛成したわけではない。
寛治君が真心込めてやろうとしていることは、誰にも止められないことを千代ちゃんはよく知っていた。
そこでいくつかの条件を出して、しぶしぶ旅立ちを許すことに。
千代の気持ちミツエの気持ち
福富の生き残りとなったミツエちゃん親子。
この親子を考えると胸がいっぱいになる千代ちゃん。
どんな思いで夫を戦場に送り出したのかが改めて寛治君のことを経験してみてよくわかるように。
生きて帰ってこれるかどうかもわからない状況で家族はどんな思いで待てばいいんだろうかと。
戦場で戦うわけだから、当たり前だが命の保証は無い。
そのことを考えればいてもたってもいられなくなるのは人情と言うもの。
千代ちゃんもミツエちゃんも涙を流さずにそのことを語ることができなかったのだ。
芝居の事が忘れられない
空襲の被害でむき出しになってしまった家庭劇の稽古場。
芝居のことが忘れられない千代ちゃんはそこで思わずかつて自分が演じた芝居の練習を始めてしまう。
ぞろぞろと人が集まってくる。
警察がやってきて冷たく一言。
緊急事態のご時世に不謹慎だ😤
無慈悲な言葉につい口答えをしてしまう千代ちゃん。
芝居の稽古をすることがなんで不謹慎なん?
やりとりの中で警察もとうとう引っ込みがつかなくなって声を荒立てていたところに、
あの須賀廼家万太郎が登場する。
彼一流の機転をきかせて、千代ちゃんのピンチを救ってみせるのだ。
警察も周りの人たちもあっけにとられてそのままその場を立ち去ることになった。
万太郎と千代ちゃんの会話の中で、
これから必ずわてらの出番がやってくる。
それまでじっと辛抱や。
万太郎流の優しさが溢れ出た瞬間。
満州での寛治君
満州へ渡った寛治君。
日本の千代ちゃん一平君に手紙を出さなくなったり給金も送らなくなった理由がしっかりと描かれていた。
彼はなんとあのダメおやじテルヲが乗り移ったかのように博打と女で明け暮れていたのだ。
これは多分モデルとなった藤山寛美の歴史をそのままたどっている可能性が高い。
とにかく当時は、中国戦線は結構いろんなところでこんなお遊びが楽しめたようだ。
純粋無垢だった寛治君がすっかり虜になってしまったのもある意味仕方がなかったかもね。
とにかく先の見えないところで命がけで行動していれば、何かの発散を求めるのはやむを得ないと言えばちょっと納得。
いちどいい思いをしてしまえば、後はやみつきになるのが男の愚かな性。
彼もきっとそんなことではまってしまったのでは。
今日はまだ2日目なのでこのレベルでしか描かれていないが今週はもっともっとエキセントリックな内容が待ち構えているようだ。