今日から始まるおちょやんは設定が昭和23年。
戦後3年が経ったとの設定で、どさ回りをしつつ道頓堀に戻ろうとするいきさつが語られる。
戦後の復興といえども、まだ日本は荒れ放題のまま。
家庭劇は田んぼのあぜ道で芝居をするなど苦労を重ねて地方で活動を続けていた。
そんな中大阪の大山社長から道頓堀への帰還命令が下る。
一体どんな力があったのか、かつてないほどの規模の劇場が既に用意されているような。
今週はそんな中、復活に至るエピソードが語られることに。
目次
地方行脚
戦後まもなくはどこにも上演できるような劇場はなく、田んぼのあぜ道なども利用して芝居をしていた。
また、この時期は詐欺なども横行していたようで。
五厘屋と呼ばれる今で言うところのプロモーターだけど、これが詐欺の温床で、家庭劇も被害にあったと語られていたね。
苦労はしていたけれど、しかも貧乏もしていたけれど、皆芝居をすることに喜びを見出していたようだ。
大阪帰還命令
3年経ったある日、かつて家庭劇を切り捨てた大山社長から帰還命令が
鶴亀新喜劇を立ち上げるのでぜひ戻ってきて芝居をやってほしいとの依頼が。
大山社長の喜劇にかける執念は並々ならぬものがある。
今回白羽の矢を立てたのが天海天海一座。
社員として雇い入れるので新しい劇場で芝居をやってほしいと頼み込むが、なんといっても相変わらずの上から目線。
かつて無慈悲に切り捨てられた記憶が生々しい一平君たちは、簡単に承服できることなどできなかった。
さすがにみんなすぐには首を縦には振れない。
ここで簡単に承服してしまったら物語としてあまりにも呆気ないからね。
しかし、魅力的な話であることには違いがない。
今までのどさ回りでは、食うや食わずでやっとの思いで芝居していた。
空きっ腹を抱えて仕事するほど惨めなものはないと思うので。
目の前にぶら下げられたにんじんは、とてつもなくおいしそうに思ってしまうのは人情と言うもの。
うどん屋 岡福
道頓堀に戻ってみると芝居茶屋はもう時代遅れのものできれいさっぱりなくなっていた。
岡安と福富の後を継ぐことになったのはうどん屋の岡福。
ミツエちゃんにとってもおシズさんにとっても、食べ物屋さんで再出発することを決めたようだ。
ミツエちゃんは研究熱心で、親子丼もいろいろ考えて試作を繰り返している。
それをみんなに振る舞って意見を聞かせてほしいとの事。
福助君を失ったことからしっかり立ち直れているのが何より微笑ましい。
岡福でのこのシーンは成長した一福くんもしっかり登場していた。
親子3代で経営するうどん屋さん。
物語の中の店ながら、繁盛を願わずにはいられない。
戦後まもなくの時は、闇市で様々なものが売られていたらしい。
こちらはNHKのスタッフが食用のものを仕入れて実際に作ってみたようだ。
蛙の味は想像できる。
鶏肉に似ていると聞いたことが、多分おいしいんだろう。
こおろぎの方はちょっと表現しにくい。
エビとかに似ているんだろうかね。
戦後の食糧難はかなり厳しかったから、何でも食べなければ日干しになっちゃったからね。
戦後3年経ったとは言え、うどん屋さんを開業できたあたり、頑張ってる感が満載。
空襲を逃れた岡安の建物がしっかり再利用されている。
須賀廼家万太郎に起こった悲劇
今日の最後の方で描かれた万太郎の喉頭がん。
おそらく声帯を摘出してしまったんだろう。
現代に置き換えるならばシャ乱Qのつんくと同じ。
全く声を失ってしまっていて、もう芝居などできるはずもなく。
千之助との掛け合いがなんとも皮肉に見えた。
大山社長が万太郎一座をさて置いて天海一座を取り立てた理由がここにある。
それでも万太郎一座のメンバーはしっかり残っていて、稽古場もきっちりと確保されていた。
今週の物語はこの辺の時代の移り変わりが詳しく語られるようだ。
時代の流れとは言え、戦争で亡くなった方、戦争を生き抜いた方、しかし病魔に犯される人。
三者三様で物語は進む。
おちょやんの次なる展開を大いに期待する。