いよいよ決着がつく選考レース。
プランBが採用されたのは残り14周になってから。
全体は55周以上あるのだ。残り2割近くの周回で果たしてタイムを出せるかどうか。
しかし、そこは物語。
ここは勝利を勝ち取る設定以外はありえない。
車いすマラソンランナー鮫島さんは見事に標準記録を突破することになるのだ。
ここだけ切り取ってみるなら、ちょっと話ができすぎではと思う人もいるかもしれない。
物語は将来に至るまでの過程が詳しく語られていて、実はまだまだ続く物語なので次のエピソードも語られなければならない。
今日は、菅波先生に秘められた過去のエピソードも披露された。
目次
勝利したプランB
レースは34周目を過ぎたあたりから、徐々にタイムが落ち始めジリ貧の様相を呈していた。
チームサメジマのメンバーは気象情報を注視。
トラックに風が吹く状況を待ち望んでいたのだ。
ラスト14周になったときについに望んでいた風が吹き始める。
それはコースの反対側では大変な向かい風で、逆に回ると追い風となって体を休めるような作戦。
プランBは鮫島さんの勝負にかける気持ちを最大限生かそうとする、ある意味“賭け”の部分も多分にあるような作戦。
特にこの物語の設定で最初から風が吹いているわけではなく、レースの途中それも後半になってから望んだ条件になるような緊迫感。
物語のストーリーとして、できすぎな気持ちがしないわけでもない。
あらかじめ鮫島さん本人に培われた体力的な裏付けがなければとても簡単に選べるような方法では無いのだが。
しかしこの作戦は最後の大逆転をもたらすことになる。
鮫島さんが抱く感謝の気持ち
鮫島さんはレースに臨むときに最初からプランBで行くことを決めていたようだ。
そのための彼女が具体的に採用した方法が今日の物語で語られていた。
自分の座席を3センチ前方に傾ける。
これが向かい風立ち向かうときの基本設定なんだそう。
そして最初はじっと辛抱の我慢の走りが続いたが、モネが掲げたパネルはよく見えたと言う。
鮫島さんはメンバーたちに何度も頭を下げお礼を述べていたね。
ここまで親身になって面倒を見てくれたなんて何にも変えがたいと。
そしてその自分のために何かしてくれると言う思いが彼らの言うことなら採用してみようと言う気にさせたらしい。
プランBが提案されたときに、真っ先に採用しようと思ったようだ。
以前、モネが走る感覚が大事にされていないのでタイムが伸びないのではと語って、さらに今までの勝ったときの感覚を思い出して走れるような条件をなんとか提案したいと言われた。
感覚で走る言葉に最初は激こうしていたが、自分の走る感覚をきちんと受け入れてくれたことが別な意味でとても嬉しかったとも言っていた。
つまり科学的な根拠だけのバックアップではなかったってことだね。
朝岡さんが語っていたレースを勝ち抜く力は根性以上に人間力なんだと。
そういえばこのときのやり取りで社長はやっぱりスポーツ気象はお金にならないからと強調していた。
鮫島さんは強化選手に選ばれたことでスポンサーその他がきちんとつくことになるので、これでとりあえずはお金の心配はいらないだろう。
しかしウェザーエクスパーツにスポーツ気象部門を作ってもきちんとお金を支払える人が何人集まるかって話だよね。
今回の鮫島さんも、当初は朝岡さんの個人的なバックアップで何とかサポートしてもらっていたわけだから。
しかし、結果はこれ以上ないくらいありがたいものだったに違いない。
菅波先生のエピソード
菅波先生がまだ研修医の時代の頃の話だよね。
最初に自分が受け持った患者さんはプロのオーケストラの楽団員でホルン奏者。
その彼の診察で初期の肺がんを見つけたような。
ごく初期だったので簡単に手術をすれば現役復帰も充分可能になるって話だった。
実はこのがん発見がこの患者さんにしてみればとてもうれしかったらしく、菅波先生に何度もありがとうとお礼を述べていた。
手術をして早く現役復帰しましょうって段取りだったんだけど、実は気になる所見がその後見つかって主治医はもう少し詳しく検査をして抗がん剤等の治療も合わせようと判断しかけていた。
この時に頑なに反対をして手術を進めたのが菅波先生。
それは患者さんが半年後に演奏会を控えていて、このまま検査や抗がん剤治療が続いてはその演奏会に間に合わないことが明白だったから。
そして本人と菅波先生の希望で手術が挙行される。
開いて患部を見て分かった事は、実は手術だけでは到底治療しきれないところまで病気は進行していた。
結局ホルン奏者は舞台に立つ事はなかった。
もし、菅波先生が強硬に手術をすすめなければ、あるいは抗がん剤などの治療を選択していれば今また再び演奏活動ができる状態まで回復できていたかもしれない。
このことを思うと菅波先生は今でもいてもたってもいられなくなる。
そのときの自分が間違いを犯したと思う原因が、患者さんが慕ってくれるからその気持ちに応えたいと言う、 結局は自分勝手な気持ち。
誰かの為にと思っていてもフタを開けてみれば自分のためだった。
そのことを激しく後悔していまだに自分を責め続けている。
モネと菅波先生
激しく自分を責める菅波先生を見ていたモネは思わず話に引き込まれて涙ぐんでしまう。
そして彼女がとった行動は、涙を流しながら先生に寄り添って背中をそっとさすってあげる。
今日のドラマのエピソードはここまで。
モネが気象予報士試験に受からなくて悩んでいた時に菅波先生はその肩に手を置いてあげることができなかったけど、 モネは素直に行動に移せたんだよね。
モネと菅波先生の関係では、モネの方が天然。
でも、気持ちが入ったときに素直に行動できるのはモネ。
2人の特徴がここでうまい具合に描かれたような。
それにしても今週は新しい登場人物も入ってきてかなりユニークな物語展開だった。